GALACTICA ギャラクティカ シーズン1 : 特集
■あなたが「GALACTICA/ギャラクティカ」を見なくてはならない5つの理由
1.全米各紙が絶賛!一般視聴者の獲得に成功した初めてのSFドラマ
「スタートレック」シリーズから「スターゲイト」に至るまで、アメリカのTVにおいてSFはひとつのジャンルとして定着している。が、これらの番組を支えているのは一部の熱狂的ファンで、一般観客層にまでは浸透していないのが実情だ。
03年に「ギャラクティカ」がミニシリーズとしてデビューを飾ったときも、SF専門チャンネルSci-Fiでの放送だったこともあり、大きな注目を集めることはなかった。しかし、05年から本格放送がスタートすると、SF系の同人誌や専門サイトはもちろんのこと、米TIME誌やニューヨーク・タイムズ紙など一流の新聞・雑誌がこぞって絶賛。米TVガイド誌に至っては、「24」や「LOST」といった傑作ドラマがひしめく米TV界において、「SFに限らず、現在放送中のあらゆるドラマのなかで最高傑作!」と、最大級の賛辞を集めている。「ギャラクティカ」は、SFファンと一般視聴者との垣根を取り払った記念すべきドラマなのだ。2.「24」を凌駕する緊張感。誰が敵なのか、見分けがつかない恐怖
「ギャラクティカ」は、人類の存亡を賭けた壮大なサバイバルドラマだ。人工知能サイロンが突然反乱を起こしたため、人類のほぼ全てが一瞬にして死滅。宇宙船に乗っていたため、たまたま虐殺を免れた生存者5万人は、旧式の宇宙空母ギャラクティカと一大船団を作り、人類が安住できる土地を目指して長い航海に出る。敵は軍事力において圧倒的優勢な誇るサイロンであるのに対し、こちらには実戦経験の乏しい若手兵士と民間人しかない。人工知能は逃走する船団を執拗に追い回すばかりか、人間型サイロンをつぎつぎ船内に送り込む。果たして人類は滅亡を免れることができるのか? 常に死と隣り合わせのヒリヒリとした緊張感は「24」をも凌駕する。
3.「プライベート・ライアン」に匹敵する迫真のアクション描写
「ギャラクティカ」には、いかにもSF然としたピカピカの宇宙船も、滑稽なメイクをした宇宙人も登場しない。空母のなかは狭苦しく薄汚れていて、宇宙船内というよりはUボートのよう。撮影も暗く重苦しいトーンで統一しつつ、手持ちカメラを多用することで、ドラマに緊張感とリアリティを与えることに成功している。
驚くべきは、この撮影スタイルがVFXで描かれる戦闘シーンにも適応されていることだ。予算やスケジュールに制約のあるTVシリーズでありながら、精巧なCG映像を作り、しかも、わざわざ手ぶれやズームといった人間くさい効果を加えている。その甲斐あって、戦闘シーンの映像は戦場カメラマンが宇宙空間で撮影したかのような臨場感だ。「ギャラクティカ」を、宇宙版「プライベート・ライアン」と喩える評論家もいるほどだ。
4.「ザ・ホワイトハウス」にも通じるヒューマンドラマ
極限の緊張状態は、キャラクターの本性を剥きだしにする。良心の呵責から妄想につきまとわれることになるバルター博士を筆頭に、恐怖に駆られ、愚行を重ねる人間が続出するなかで、危機的状況になって初めて目覚めるヒーローもいる。ガンに冒されながらも見事な指導力を発揮するロズリン大統領や、政治経験の少ない彼女を支えるカリスマ船長のアダマ、平和ぼけでアルコール漬けになっていたタイ副船長、反抗的な天才パイロットのスターバックなど、「ギャラクティカ」は型破りなヒーローたちの活躍を描いていく。エドワード・ジェームズ・オルモスやメアリー・マクドネルらベテラン俳優の名演もあいまって、主人公たちが繰り広げる迫真のヒューマンドラマは、「ザ・ホワイトハウス」にも匹敵する。
5.9・11にも酷似。現代社会の暗喩としてのフィクション
全米各紙が「ギャラクティカ」を絶賛した最大の理由は、この作品が単なる娯楽作品に終わっていない点だ。サイロンの総攻撃を受ける場面は9・11の同時多発テロに酷似しているし、船団に潜む人間型サイロンは、西洋社会に潜むテロリストを思い起こさせる。恐怖に駆られ、スパイ探しを理由に拷問を行う人々や、蔓延する恐怖を利用して煽動する政治家など、現代アメリカを思わせる要素がそこらに散りばめられている。また、のちに描かれるエピソードでは、主人公たちを米軍占領下でのイラク人の立場から描く大胆な場面があり、優れたSF作品と同様、「ギャラクティカ」は現代社会の暗喩となっているのである。
(小西未来)
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