全米映画ランキング : 2012年3月16日～2012年3月18日

映画版「21ジャンプ・ストリート」がV。W・フェレル主演コメディは9位

2本の新作がランクインした先週末の全米ボックスオフィスは、チャニング・テイタム＆ジョナ・ヒル主演のアクションコメディ「21ジャンプ・ストリート」が約3500万ドルのオープニング興収で首位デビューを果たした。

同作はジョニー・デップの出世作として知られる1987年～90年放映の同名人気TVドラマの映画版で、童顔の新米警察官コンビ（テイタム、ヒル）が麻薬汚染が進行中の高校に学生として潜入し、極秘に捜査するというストーリー。批評家からの評判も上々で幸先の良いスタートを切った。主演と製作総指揮を兼任したテイタムは2月公開の「君への誓い」に続くナンバーワン・ヒット。夏にはSF大作「G.I.ジョー」の続編も控えており、マネーメイキング・スターとしての地歩を固めつつある。共演にジェームズ・フランコの弟デイブ・フランコ、アイス・キューブ。監督は「くもりときどきミートボール」のクリス・ミラー＆フィル・ロード。

2週連続の首位の座から陥落して2位となったのは、3Dアニメ「Dr. Seuss' The Lorax」。それでも公開3週目で約2280万ドルの興収は立派。17日間の累計興収は約1億5800万ドルとなり、2億ドル突破に向け、着実な歩みを進めている。ちなみに3月公開作で興収2億ドル以上の大ヒットとなったのは「アリス・イン・ワンダーランド」（10年／最終興収約3億3400万ドル）、「ヒックとドラゴン」（10年／約2億1700万ドル）、「300／スリーハンドレッド」（07年／約2億1000万ドル）のみである。

興収約1350万ドルで3位となったのはSF大作「ジョン・カーター」。10日間の累計は約5300万ドル。莫大な製作費2億5000万ドル＋α（P＆A費）を回収するのは、至難の業で海外の成績に希望を託すしかなさそうだ。

その他、9位にはウィル・フェレルがスペイン語に初めて挑戦したアクションコメディ「Casa de mi Padre」がランクイン。舞台はメキシコ。父親が遺した牧場で働くアルマンド（フェレル）のもとに、弟ラウルが婚約者ソニアを連れて帰ってくる。経営困難に陥っていた牧場を救うためビジネスマンとして成功したラウルが兄のため借金の肩代わりをするが、アルマンドがソニアと恋に落ちてしまう。同時にラウルのビジネスも行き詰まり、兄弟はいつしかメキシコ闇社会を牛耳る麻薬王オンザとのトラブルに巻き込まれていた……。共演はラウルにディエゴ・ルナ、オンザにガエル・ガルシア・ベルナル。

今週末はアメリカ版「バトル・ロワイヤル」と評判のアクション大作「The Hunger Games」（ゲイリー・ロス監督／ジェニファー・ローレンス主演）が公開される。

2012年3月19日更新　藤井竜太朗