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NEWS INTRODUCTION STORY STAFF&CAST THEATER
     
 
INTRODUCTION
ナンバーワンになるためなら、戦いの手段は選ばない……。最高権力を掴むのは、誰か?  男たちの血が沸き立ち、野望が燃え上がる!黒い罠が張り巡らされた息詰まるサスペンス、欲が蠢く組織にのみ込まれた人間の宿命のドラマが、今、始まる!

エレクション香港最大の裏組織で、二年に一度行われる会長選挙。候補者をめぐって内部では意見が割れていた。組織に忠実なまとめ役としてのリーダーが適任なのか、力づくで牽引するパワーリーダーが必要なのか――。対立する候補は、“兄弟”思いで年上を敬うロクと、金儲けに長け、荒っぽい手段を使うディー。選挙戦の裏側では、さまざまな欲望と思惑が錯綜し、熾烈な戦いを迎えようとしていた……。

頂点を極めた男を待ち受ける運命とは?

金持ちになりたい、有名になりたい、権力の座を極めたい……誰しも心のなかにトップになりたい願望が必ずある。だが、「勝者」とは一体、誰のことなのか?
『エレクション』は、頂点を目指すことに取り憑かれた人間をエモーショナルに描いたドラマである。
伝統vs合理性、掟vs無法、調和vs破壊、名誉vs実益――こうした対立に均衡がもたらされたとしても、人の心の奥底に眠っている邪悪なマグマはおさえつけることはできない。そして頂点を極めた王者は、栄光に包まれた王座から転落する恐怖につねに苛まれるのが哀しい運命。血塗られた歴史は永遠に繰り返されることになるであろう。光が強く眩しいものであるほど、その影は限りなく漆黒に近い闇だから。
本作は、いつの時代も繰り返されてきた宿命劇である一方で、現代社会における組織と個人の関係――党派の対立と水面下で行われる駆け引きが支える政治の世界、派閥の闘争が人事の急激な変化を巻き起こすビジネス界などなど――に共通する縮図としても描かれている。

国際的な評価が高まる
ジョニー・トー監督の映像スタイル

監督は、『ザ・ミッション/非情の掟』『PTU』などで、一作ごとに海外での評価が高まっているジョニー・トー。2004年の『ブレイキング・ニュース』のプレミア上映に続き、この『エレクション』もカンヌ国際映画祭のコンペティションに出品され、アクション映画、ギャング映画といったジャンルでは括りきれない、もはや香港ノワールでもない、深い感情を喚起するドラマとして絶賛された。またインテリ層に支持されている仏紙ル・モンドでも、「引きのカメラ、クールな色彩、緊迫したリズム感や、ざわめく夜に都会的な雰囲気を漂わせた、達人監督最高の名人芸」と讃えられている。本作は、そのスピード感あふれる展開と、ストイックなまでの演出、さらには感情表現もギリギリまで抑制された硬質な描写によって、闇に身をひそめるケモノたちのひそやかな息づかいを感じさせてくれることだろう。
そしてまた、主人公たちを見つめるどこか冷めたような視線は、香港人の監督ならではの感覚である。歴史上の複雑な経緯を経て、巨龍=中国の影響下に再び置かれ、戸惑いながらアイデンティティを模索している21世紀の香港人とは、運命の激しいうねりに自ら飛び込み、あるいは翻弄されていく『エレクション』の主人公たちそのものともいえるだろう。

「男の美学」が光るキャスティング

エレクション主役には、香港映画を代表する実力派演技俳優の二人が揃った。何事にも慎重で、対話による調整を重んじ、落ち着きのある家庭的なロクに、『PTU』『トゥームレイダー2』のサイモン・ヤム。傲慢でつねにハイテンション、暴力による破壊もいとわない短気なディーには、『愛人/ラマン』『美しい夜、残酷な朝』のレオン・カーファイ。タフさを求められる組織における、対照的な性格を持った男の生き様を鮮烈に見せつけている。スクリーンでのライバル演技は、ヤムが香港電影金紫荊奨で、レオンが香港電影金像奨でそれぞれ主演男優賞を受賞するという形で評価された。
また、次期会長をねらうと予感させるジミー役には、歌手、モデルとしても活躍する『柔道龍虎房』のルイス・クー。経営学を学び緻密な計算で修羅場を生き抜いていく組織の若い頭脳を、冷徹な表情で演じている。
二人を取り巻く<和連勝会>のメンバーには、『ザ・ミッション/非情の掟』『PTU』『ブレイキング・ニュース』のラム・シュー、『PTU』のニック・チョン、『マッスルモンク』『柔道龍虎房』のチョン・シウファイ、『イエスタデイ、ワンスモア』のラム・カートンなど、ジョニー・トー作品でおなじみの顔が登場。また『黒薔薇VS黒薔薇』でレオン・カーファイと共演し、『PTU』『ブレイキング・ニュース』にも出演しているマギー・シュウが、本作の紅一点、ディーの妻役を演じている。脚本は、『PTU』『マッスルモンク』などでトー作品を多く手がけているヤウ・ナイホイと、同じく『ブレイキング・ニュース』『柔道龍虎房』で組んだイップ・ティンシン。撮影は、『男たちの挽歌4』やトーの『パラダイス!』を担当したチェン・シウケンが、冷たい手触りの色彩とドキュメンタリーのようにリアルな映像を生み出した。

中国秘密結社の歴史的な変遷

英語の単語“Triad”は、中国秘密結社<三合会>の神聖な紋章をその語源としているが、この紋章は、それぞれの辺が天・地・人という3つの要素の調和を表す三角形であった。<三合会>は、別名<天地会>、<哥老会>、<洪門会>と呼ばれ、この映画では、<洪門会>という名称で登場している。
組織の歴史は17世紀にさかのぼる。満州族の清王朝支配を打倒し、漢民族王朝を復活するために、血の誓いを交わして結ばれた秘密結社として発足し、中国全土を覆う5つの支部それぞれが複雑な階級構造を持っていた。この支配網は広大な地域をカバーし、掟に基づいて各セクションを統括。さらに、会員同士がお互いを見分け、敵対する満州族に見破られるのを防ぐために、言葉と記号を暗号化した複雑な指文字を作り出していた。中国が怒涛の20世紀に突入したと同時に、この秘密結社は主な活動を香港と海外に移し、構成員たちは、中国共産党や外国の征服者達と戦うために総動員される。しかし時が経つにつれ、本来の志や慣習は失われ、個人と党派の野望が陰謀に傾き、次第に中央集権は崩壊、組織は何百にも分裂していった。
今日のメンバー達には本来あった兄弟愛のようなものはほとんど見られない。一般市民は<洪門会>のことを黒社会と呼んでおり、かつてのような神秘的で男気と忠誠心に溢れる男達ではなく、疎まれる存在になっていく。1960年の香港では、300万人の居住民のうち、6人に一人が<洪門会>と何らかの関わりを持っており、大多数が潜在的構成員であるとされていた。

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