和歌山毒物カレー事件を検証する驚愕ドキュメント「マミー」、8月3日公開

2024年5月10日 22:30


事件の真相に迫る
事件の真相に迫る

1998年の「和歌山毒物カレー事件」を多角的に検証した驚愕のドキュメンタリ「マミー」が、8月3日公開される。このほどメインビジュアル、場面写真が披露された。

和歌山毒物カレー事件--。1998年7月、夏祭りで提供されたカレーに猛毒のヒ素が混入。67人がヒ素中毒を発症し、小学生を含む4人が死亡した。犯人と目されたのは近くに住む林眞須美。凄惨な事件にメディア・スクラムは過熱を極めた。自宅に押し寄せるマスコミに眞須美がホースで水を撒く映像はあまりにも鮮烈だった。彼女は容疑を否認したが、2009年に最高裁で死刑が確定。今も獄中から無実を訴え続けている。

本作は、事件発生から四半世紀、最高裁判決に異議を唱え、「目撃証言」「科学鑑定」の反証を試み、「保険金詐欺事件との関係」を読み解いていく。さらに眞須美の夫・林健治が自ら働いた保険金詐欺の実態をあけすけに語り、確定死刑囚の息子として生きてきた林浩次(仮名)が、なぜ母の無実を信じるようになったのか、その胸のうちを明かす。そして、二村真弘監督は、捜査や裁判、報道に関わった者たちを訪ね歩き、なんとか突破口を探ろうとするのだが、焦りと慢心から取材中に一線を越えてしまう……。

8月3日から、シアター・イメージフォーラム、第七藝術劇場ほかで公開。

▼コメント

■大島 新(ドキュメンタリー監督)
この映画はスクープだ。
そして誤解を恐れず言えば、痛切なるエンタメ作品だ。
「執行されてしまったら取り返しのつかないことになる」と思い、調べ始めた二村真弘監督の取材の深さはもちろん、撮影・構成・編集などの表現力も一級品。同業者として脱帽、と同時に嫉妬した。

■二村真弘監督
私は何かとんでもない思い違いをしているのではないか。取材中、何度も自問した。
林眞須美は手練れの詐欺師で、ふてぶてしい毒婦で、夫をも殺そうとした冷酷な人間であったはずなのに、取材によって得た事実はそれとは全く違う姿を映し出していた。これで死刑判決が下されたのか…。空恐ろしさを感じた。

石川朋子プロデューサー
この企画は、いくつかのテレビ局に持ち込んだが「死刑判決が確定している事件を扱うのは難しい」と言われ実らなかった。それなら映画にしようと監督が撮影に入ると、取材先で度々新聞やテレビの記者に出くわした。しかし、彼らは冤罪の可能性について取材していても、大々的に報じることはなかった。死刑判決にこれだけ疑義があることがわかっていて、なぜ。監督の疑問と憤りが、今回の映画の原動力になっている。

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