「ザ・ファーブルマンズ」は「新型コロナがきっかけ」 スピルバーグ監督が明かす
2022年9月16日 11:00
スティーブン・スピルバーグ監督の待望の最新作「ザ・ファーブルマンズ(原題)」が、カナダのトロント国際映画祭でお披露目された。
同作はスピルバーグ監督の子ども時代を題材にした自伝的映画で、アカデミー賞の本命との声が高まっている。映画祭の会見で、スピルバーグ監督は新型コロナウイルスによる感染拡大が、本作を手がけるきっかけになったと明らかにした。
「死者の数がどんどん増え、アメリカや世界で起きている報道を目の当たりにして『これは人類にとって何を意味するのか?』『このパンデミックは人類をどこに導くのか?』と考えるようになった。同時に、私がずっと伝えたいと思っていた、とてもユニークな母親と父親のいる家族の青春物語を語るなら、いまがそのときだと。トニー(・クシュナー)と一緒に脚本を書く時間はたっぷりある。それで、Zoomでミーティングを重ねながら、どこに行き着くか分からないまま、執筆を始めることにした。これこそ、いまの自分が吐き出すべきものだと思ってね」
だが、スピルバーグ監督にとって、今作の製作は決して容易ではなかったという。「この題材と登場人物をこれまでの人生で知り尽くしていたので、ずっと簡単だと思っていた。だが、すぐにとてつもなく重たい経験になった。というのも、私自身の人生だけでなく、3人の姉妹や今は亡き父と母の人生における膨大な記憶を、半自伝という形で再現することになるからだ。その責任が重くのしかかってきたんだ」
父をポール・ダノ、母をミシェル・ウィリアムズ、父の親友ベニーをセス・ローゲン、そして、主人公のサムを新鋭ガブリエル・ラベルが演じているほか、デビッド・リンチ監督がジョン・フォード監督役で出演している。
「ザ・ファーブルマンズ(原題)」は、11月11日に全米公開される。