「コリーニ事件」で描くドイツ史上最大の司法スキャンダル 監督「法律の世界への旅を楽しんで」

2020年6月16日 13:00


撮影中のマルコ・クロイツパイントナー監督(左)
撮影中のマルコ・クロイツパイントナー監督(左)

[映画.com ニュース]ドイツの現役弁護士作家によるベストセラー小説を映画化した「コリーニ事件」が、全国で公開されている。メガホンをとったマルコ・クロイツパイントナー監督が、本作の見どころを語るとともに、日本の映画ファンへ動画でメッセージを寄せた。

経済界の大物実業家を殺害したイタリア人労働者のコリーニ(フランコ・ネロ)。被害者とのつながりはなく、動機も不明だった。コリーニの担当となった新米弁護士のライネン(エリアス・ムバレク)が調査を始めると、やがてドイツ史上最大の司法スキャンダルと、想像を超える真実が明らかになる。

フェルディナント・フォン・シーラッハによる原作は、40カ国以上で翻訳され、ドイツ国内の累計発行部数は50万部を突破。作中で語られた“法律の落とし穴”がきっかけとなり、2012年にはドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を立ち上げるなど、まさに小説が国家を揺るがす事態に。クロイツパイントナー監督によると、調査委員会は現在も活動中。本作でも触れられる、とある法律で逃れた犯罪を追うだけではなく、それを含めた多くの過去の罪を洗い出して再検討するための組織だという。

「正義を描いた映画がいつも好きだった」と自身のルーツを振り返ったクロイツパイントナー監督は、「この作品が日本の映画ファンにとって刺激的な映画体験となってくれることを願っているよ。そして、常に正義と自由のために闘う信念を強く持ってもらえたら本望だ。昨今は特にそう思う。憎しみが前面に出され、考え方の違う老いた権力者らが多様な社会を一つにまとめるどころか、分断させようとしているからね」と、持論を展開する。

メッセージ動画では、リラックスした様子で「この作品をぜひ堪能してほしい。法律の世界への旅を楽しんでもらいたい」と呼びかけたクロイツパイントナー監督。「本作をきっかけに政治に注目し、正義のために闘ってほしい」と訴え、最後には「早く日本に行けることを願っている」と話している。

Amazonで今すぐ購入

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース

映画ニュースアクセスランキング

本日

  1. 【SNSを席巻中】「ミッシング」号泣する人が続出 「癒されて泣いた」「優しい世界になればという祈りのような」

    1

    【SNSを席巻中】「ミッシング」号泣する人が続出 「癒されて泣いた」「優しい世界になればという祈りのような」

    2024年5月21日 13:00
  2. 小池栄子&仲野太賀、クドカン初の医療ドラマ「新宿野戦病院」に主演! 7月放送スタート

    2

    小池栄子&仲野太賀、クドカン初の医療ドラマ「新宿野戦病院」に主演! 7月放送スタート

    2024年5月21日 05:00
  3. 年少の男子を生贄とした恐怖の神の伝説と家族愛描くファンタジーホラー「男神」映画化&キャスト決定

    3

    年少の男子を生贄とした恐怖の神の伝説と家族愛描くファンタジーホラー「男神」映画化&キャスト決定

    2024年5月21日 12:00
  4. 内野聖陽×岡田将生×上田慎一郎監督 公務員と天才詐欺師が異色のタッグを組む痛快クライム映画、11月公開

    4

    内野聖陽×岡田将生×上田慎一郎監督 公務員と天才詐欺師が異色のタッグを組む痛快クライム映画、11月公開

    2024年5月21日 08:00
  5. 【日米あぶない刑事祭り】「バッドボーイズ」&「あぶ刑事」がまさかのコラボ! 映像公開

    5

    【日米あぶない刑事祭り】「バッドボーイズ」&「あぶ刑事」がまさかのコラボ! 映像公開

    2024年5月21日 08:00

今週