河瀬直美監督、最新作「光」に永瀬正敏を起用した理由は「ほれたから」

2017年6月10日 16:00


3度目のタッグは「乞うご期待!」
3度目のタッグは「乞うご期待!」

[映画.com ニュース] 河瀬直美監督作「光」の大ヒット御礼舞台挨拶が6月10日、東京・新宿バルト9で行われ、河瀬監督と主演の永瀬正敏が出席した。河瀬監督は前作「あん」に続き、永瀬を起用した理由を「ほれたからです」と即答し、「抜き差しならない映画への愛をもっている人。3度目のタッグですか? 乞うご期待!」と意欲を見せた。

永瀬演じる弱視が進行しているカメラマン・中森雅哉が、バリアフリー映画のモニター会で音声ガイドを作成する尾崎美佐子(水崎綾女)と出会い、衝突しながら、映画の“光”に導かれるように、お互いへの理解を深めていくラブストーリー。第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、河瀬監督がキリスト教関連の団体から贈られるエキュメニカル審査員賞を日本人女性監督として初めて受賞した。

カンヌからの“凱旋”を果たした永瀬は「帰国して10日ほど経ちましたが、まだ時差ボケです」と笑いを誘い、「これほど忙しいカンヌは初めて。街を歩けば、いろんな人に呼び止められて、映画について熱く語ってもらった」と回想した。現地では数多くの取材をこなし、「スペイン人の記者が、『この映画はすべての人へのラブレターだ』と言ってくれて、とてもうれしかったですね。見た目はおっちゃんでしたけど(笑)、こんなすてきな言葉をくれるんだって」と喜んでいた。

また、声の出演を果たした女優の樹木希林から「河瀬監督の表現力は、成熟してきていますね。今回もそうですが、これからもいい映画を撮ってくれると思っています。私は離れたところで見守っています」と激励のメッセージが届くと、河瀬監督は「ありがたいですね」と感無量の面持ち。「人間の精神的苦痛や弱点、そして可能性を、永瀬くんを通して表現したかった。その点を(カンヌで)評価されたのがうれしい」と話していた。

舞台挨拶にはバリアフリー映画鑑賞推進団体「シティ・ライツ」の会員で、本作にも出演した田中正子さん、永瀬が役作りを通して交流をもった会社員の大谷重司さんが花束を手に駆けつけ、河瀬監督&永瀬との再会を果たした。

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「萌の朱雀」で史上最年少でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞、「殯の森」ではカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した河瀬直美監督が、2014年に旭日小綬章を受章した名女優・樹木希林を主演に迎え、ドリアン助川の同名小説の映画化。

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