芸歴50年の石倉三郎、初主演映画で共演のキム・コッピを絶賛「舌を巻く芝居の上手さ」

2016年1月27日 19:30


国籍を超えた人と人のつながりを描いた人間ドラマ
国籍を超えた人と人のつながりを描いた人間ドラマ

[映画.com ニュース]役者人生50年の石倉三郎が映画初主演した、犬童一利監督の最新作「つむぐもの」の完成披露試写会が1月27日、都内で行われ、主演の石倉をはじめ共演した韓国の実力派女優キム・コッピ日野陽仁、犬童監督、主題歌を担当した城南海が舞台挨拶に出席した。

同作は、頑固な越前和紙職人の剛生(石倉)と韓国からワーキングホリデーに来た勝気な若い娘ヨナ(キム)が、介護や伝統工芸を通じて心を通わせていく人間ドラマ。石倉は、初共演となったキムを「コッピちゃんは舌を巻く芝居のうまさ。最高でしたね」「気持ちがあれば(言葉は)不自由しなかった。不思議な経験でした」と大絶賛した。

これにキムは、「本当に素晴らしい俳優のみなさんとご一緒できただけでも嬉しいと思っていました、そして何よりも石倉さんと共演できたのが嬉しかった。この撮影は2週間だったけれど、1カ月以上一緒に撮影したように思います」とニッコリ。さらに「心が深くて情に厚い方」という石倉を、「劇中で(剛生に)感じた情をまだ感じている」と愛情たっぷりに見つめた。

石倉は、芸歴50年にして映画初主演を飾ったことに「多少お客さんの入りが気になります」とおどけながらも、「介護を受ける側の切なさ、辛いなと思う。こんなに身近な題材でやれたことにすごく感動している」と感慨深げ。また、「和紙に命を懸けた剛生の頑固さはものすごく分かるので、やりやすかった」と“職人肌”という共通点を明かしていた。

犬童監督は、「日本は今高齢化社会に突入しているが、まだ(介護に)鈍感な人が多い。介護業界で働いている人たちはもっとフィーチャーされるべきだと思う」と、社会問題に切り込んで問題提起。石倉も「介護福祉士の方に見て頂きたいです。福祉士の方の環境をもっと良くしてあげたい。切実な問題」と力強く訴えていた。

つむぐもの」は、日韓国交正常化50年を迎えた昨年、和紙をはじめとする伝統産業が盛んな福井県丹南地域と、百済時代の面影を残す扶余(プヨ)で撮影を敢行。国際交流、伝統文化の継承というテーマを交えながら、介護に新たな光を当て、国籍を超えた人と人のつながりを描いた。3月19日から東京・有楽町スバル座ほか全国で公開。

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