樹木希林主演作「あん」 1月25日「世界ハンセン病の日」を前に原作者がメッセージ

2015年1月24日 06:00


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[映画.com ニュース] 樹木希林を主演に迎えた河瀬直美監督最新作で、ハンセン病を題材にした映画「あん」の原作者・ドリアン助川氏が、1月25日「世界ハンセン病の日」を迎えるにあたり、本作に対しての強い思いを改めてコメントした。

元ハンセン病患者の主人公、徳江の姿から、苦難を乗り越え自らの力で人生を切り開く生きる力を描いたとも言える作品。現在は治療方法も確立され、感染者はゼロに等しい程の病気だが、隔離された生活、偏見、差別など、患者がたどったつらい歴史を知る機会は少ない。クランクイン前に助川氏、河瀬監督、樹木はハンセン病療養所を訪れ、今も病気の後遺症と向き合いながら実際に施設で生活をする元患者や療養所のスタッフと面会。現在までの生活やこれまでの苦労などを聞き、撮影に臨んだ。

「世界ハンセン病の日」は、ハンセン病の啓発を目的に、1954年フランスの活動家ラウル・ホレロー氏によりもうけられた記念日。ホレロー氏の財団が世界各国に呼びかけ、ハンセン病に理解があったマハトマ・ガンジーが殺害された日(1月30日)に近い毎年1月の最終日曜日に設定されている

助川氏は「重い運命と闘いながら、人間の可能性をどこまでも追求しようとした人たちがいる。ハンセン病の元患者のみなさんの文学や芸術、言葉や笑顔に触れるのは、『人間とはなにか』という古くからの命題に、ひとつの答えをいただくことです。栄光や喝采のない場所にこそ、本当のヒーローやヒロインがいる。私が小説『あん』を書き上げたのは、元患者のみなさんから教わることがあまりにも多かったからです。ただ感謝の念があるのみです」と作品に込めた思いを語っている。

1月26日からは東京・丸の内オアゾで「ハンセン病を考えることは 人間を考えること」と題した写真展が開催される。映画「あん」は6月全国公開。

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