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TIFFコンペ「アイス・フォレスト」監督&俳優が語り尽くす

2014年10月31日 16:20

クラウディオ・ノーチェ監督(左)とアドリアーノ・ジャンニーニ「アイス・フォレスト」

クラウディオ・ノーチェ監督(左)とアドリアーノ・ジャンニーニ
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[映画.com ニュース]第27回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された「アイス・フォレスト」は、北イタリア国境の厳寒の地を背景に、隠された犯罪が発電所に技師が赴任したことから明らかになるスリリングな人間ドラマ。エミール・クストリッツァの出演も話題。来日した監督のクラウディオ・ノーチェと出演したアドリアーノ・ジャンニーニに話を聞いた。(取材・構成/稲田隆紀)

――この作品を製作するに至ったきっかけからお聞かせください。

クラウディオ・ノーチェ監督(以下ノーチェ):私は「新しい扉を開けてみよう」という言葉を信条にしていて、ジャンル映画という、私にとっての新しい地平に挑戦しました。ジャンル映画にはナレーション、語り口、リズムなどで、はっきりとした規則があるし、これまで撮ってきた作品と通じる部分もあります。そこから、背景を山にしようと考えたのです。山というのは非常に古典的な舞台です。雪があって、氷があってすごく寒い。物語が展開していくには格好の舞台です。

――題材そのものではなくて、ジャンル映画から、スロベニアとイタリアの国境を舞台とすることを思いつかれたのですね。

ノーチェ:それまで自分が撮ってきた作品との絆も失いたくありませんでした。今のイタリアが抱える社会問題との接点を作品に織り込むことです。イタリアではここ何年も移民の問題が、非常に大きな問題として浮上してきています。移民問題は前の映画で直接的に描きましたが。この作品では違う描き方をするべく、国境を舞台にしました。そこは象徴的な場所であり、比喩的にもふさわしいと考えました。登場人物は全員、アイデンティティをなくした設定にしています。

――雪の中の撮影は大変だったと思いますが、いかがでしたか。

ノーチェ:実質5週間という少ない時間で撮影しなければならず、自然との折り合いに苦労しました。ただ、まさしく自然との関係を映像にしたかったので、アーティスティックな意味ではどっぷり浸ることができましたが、製作面では毎日が闘いの連続でした。

――そういう厳しい条件下で、演じることは俳優としていかがでしたか。

アドリアーノ・ジャンニーニ(以下ジャンニーニ):過酷な状況下、寒さ、風、雪などに抗うことは、役者にとって演技の助けになります。寒くて自然に目が厳しくなりますから。この作品で難しかったのは、素人の参加でした。監督があの土地で見つけた人たちで、演技経験もない彼らと交わって同化することはかなり難しいものでした。

――監督はそういう場面も含め、演技に対してもきっちりと厳しく注文する方なのですか?

ノーチェ:ほとんど指示することはありませんでした。撮影した土地の力もあったのだと思います。喋るような場所ではありませんし、魔術的な力を感じました。撮影場所に着いて、俳優たちに衣装を着替えさせた瞬間に閃き、その瞬間からそれぞれの人物像がはっきりと分かりました。

――この作品には監督として名高いエミール・クストリッツァが出演していますが、どんな経緯で参加されたのですか。

ノーチェ:最終的な脚本を書き上げる前に、兄弟の話として考えたときに、すぐジャンニーニのことを思い浮かべました。では兄のセコンドを誰ができるかと考えてすごく悩みました。イタリア人で演じきれる存在はいない。そうしてクストリッツァの顔を思い浮かべたのです。この役を受けてくれたのは、恐らくこのセコンドという人物像のなかに、クストリッツァ自身と重なる部分があったからだと思います。バックグラウンドとして戦争を体験していることが大きいのでしょうね。

――俳優としてクストリッツァは使いやすいのでしょうか。

ノーチェ:簡単ではありませんでしたが、最終的にはいい関係を築けたし、分かり合えることができたと思います。僕自身の映画観もすごくリスペクトしてくれました。

――イタリアの移民問題は切実なのですか。監督はどのようにお考えなのでしょうか。

ノーチェ:移民の流れはもはや止めることはできないと思います。受け入れ態勢が問題です。個人的には多民族社会に対しては反対ではありません。どんなあり方が可能なのかを、これから見つけていかなければならないと思います。

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