TITANE チタンのレビュー・感想・評価
全35件中、1~20件目を表示
グロを通り越した先に皮肉とユーモアが
子供の頃交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれた少女が成長し、なぜか車に性欲を感じる奇妙で凶暴な人間へと変貌する。デヴィッド・クローネンバーグの『クラッシュ』を過激にアップデートしたような話だが、物語はさらにアクセル全開に。犯罪者として逃亡中のヒロインは10年前に失踪した息子の帰還を待つ孤独な消防士の前に息子を装い現れ、彼の懐に潜り込む。
人間が持つ肉体の常識をことごとく打ち砕き、観客を道連れに暴走するような映画に、カンヌはパルムドールを与えた。確かに、人を選ぶ映画かもしれない。しかし、グロテスクな描写が続いた後に訪れる不思議な感動は、今年唯一無二のもの。そして、何よりもグロを通り越した先に痛烈な皮肉とユーモアがある。特に、青年の形をした主人公が突然ストリップショーを始めると、それを見ていたマッチョな消防士たちがモジモジし始めるシーンは笑える。
とにかく、全編が想定外の展開と衝撃と笑いで構成されていて、息つく暇もない。前衛的でありながらロマンチック。ファッションに例えるなら、かつて一世を風靡した"フレンチ・パンク"の復活と言えるだろうか。
衝撃は受けたが、わかりづらく面白くはない
他レビュー見て知ったけど、車とのセックス〜?全然わからんかった。
まずこのコ、車に執着がそんなに強かったの?幼いときに車内でブーンって口ずさんだり、新車にキスをするってだけで、普通の車好きの域内な描き方だけで全然伝わってこない。車がガンガン揺れてて、殺したはずの男が生きててレイプされた、とずーと思ってた。なので、なぜこんなに早い期間でお腹膨れるの?って終盤までずーと思ってた。
頭にチタンだから狂人になってしまったかもしれないのはわかるが、連続殺人を始めるタイミングがまたわからん。事故後〜結構、歳とってからいきなり?今までも殺ってたかもしれないが、それなら死体処理や証拠隠滅等、周到にしてきたはずだが、そんな計画性はないキャラ付けだし、これも?しかも複数人のパーティ中に、ここらへんでほぼ興味が失せた。
途中、黒い母乳が出たところで「これダークファンタジーなんだ。何でもありのやつねっ」と思って、ちょっと興味復活。
正体バレた消防士や隊長の奥さんも殺るのかなって思ってたら、それはスルー。
必死こいて鼻ぶつけたり、腹巻きしてバレないようにしてんのに、消防車上で、みんなの前で女性妖艶ダンスするという矛盾。
序盤からのこんな風なので倍速再生が1.25→1.5→2倍速と加速していった。
良かった点はこの作品が某国映画祭の最優秀賞を取ってたと知ったこと。多様性があるのは、とても良いことだと思う。
かなりのクセ映画
好みが分かれそうです。エロ・グロあり!
車の子を妊娠、身元を偽って潜り込んだ職場のパーティーでのダンスシーンなど、ファンタジー要素が所々にあるものの、作品全体の色や雰囲気からはリアリティを感じるという不思議な作品でした。
ラスト、主人公の出産シーンでは赤ん坊の姿がしっかりと映されています。
どんな子どもが生まれるのかという期待感と、それを映画の最後にちゃんと見せてくれる点で「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出しました。
なんとも、、、よくもこんな発想思いつくなあ
交通事故で頭にチタンを入れたアクレシア、彼女の体はどうなったのか?
海外の車の展示会?てあんななの?ダンサーが際どい衣装でセクシーダンス、サイン会?それ自体驚きだけど、アクレシアは事故後に車に異常なほどの興味を持ったとの事で、あえてこの仕事を選んだのか?そして車でのあの行為、どういう事?え?赤ちゃんのお父さんは車って事?ウーンすごい設定を思いついたものだ。
アクレシアの殺し方がとにかく酷い。髪飾り(お箸かな)の耳さしも痛いし、いすを口に押し込んでのぶっ差し、もうみているだけで痛い。自分で鼻を折る場面も、ちょっと痛々しくて、たまりません。
隊長もちょっと理解不能。自分の息子かどうか、わからないかな。途中からは気が付いたみたいだけど。
あんなに大きくなったお腹、晒しまいても誤魔化せないよね、普通は。
あまりにも突拍子もない話で、先が読めず、どういう結末になるかと結構楽しめた。
生まれてくる子はひょっとして車の形してるのか?とも思ったが、ちゃんと人間の形。でも背骨はチタン、いや〜隊長はあの赤ちゃんどうするんだろうか?
謎を残したまま終わった。ぶっ飛びすぎな映画でしたね。
見たことのないタイプの映画ではある
前半は車に性欲を感じるサイコパスの話だったが後半は異形の妊娠と(偽)親父との歪んだ生活の話。なかなか凄い話でした。見たことのないタイプの映画、ではありましたけどあんまりまとまりのない話になってしまいました。それなりに見応えはありました。パルムドールは突飛な映画に与えられる側面があるからなあ。
類まれな映画に遭遇
カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したからという理由で鑑賞したが、この内容が女性監督の作品であることに驚愕し、こういう作品に最高賞を与えるカンヌの懐の深さに敬服した。車と性的に交わるというシーン、全編にわたって頻出する痛みを感じるシーン、異常な衝動にかられた凄惨な殺人シーン、これらは脚本も担当したという女性監督の女性ならではの演出といえるのか。過去にデビット・リンチ監督の『ワイルド・アット・ハート』が受賞した時も感じたことだが、カンヌの寛容さには度々恐れ入る。
主人公の女優はインスタグラムからスカウトされた新人で、この作品がデビュー作だという。この女優の存在感が凄い。幼少期に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれる数奇な運命、それ以来、車に対して異常な執着心を抱くようになる、男たちを挑発するエロティックなダンサーとして登場したかと思えば、連続殺人事件を起こし、容姿を変えるため、髪を切り、さらしを巻いて、自分の鼻を壊して逃走する、行方不明者の息子になりすまして他人の家に潜伏して、最後は、背骨がチタンでできている子供を出産し、絶命する。主人公の壮絶な人生を全裸も厭わず見事に演じている。
カンヌ映画祭審査員長のスパイク・リーが「こんな映画、観たことない」と評したという。確かに、類似している映画はほかに見当たらない。私自身も、観たのはもう1年前だが、今でもインパクトのあるシーンの数々は残像のように目に焼き付いている。忘れられない1本である。
オチ、それ?
設定だけ。
ホラー? SF? ファミリー? コメディ?
事故って頭にチタン!
さあ、それからっ…どうなる!って期待したのに。
なりすまして、産んで、死んで…終了。
なんだこれ?!
最近、様々なサイトのレビューの高評価がとっても????
愛ってすごいな
ポスターのデザインがかっこよすぎて、予告もめちゃくちゃ面白そうだった上にパルムドールなので期待しかせずに鑑賞。
結果…「すごいもん観た」という感想に。
頭にチタンプレートが入ってるからちょっと普通の人とは違う後天性サイコパスみたいな感じだな…と思って観ていたけどだんだん様子がおかしくなっていくのが息子のフリをするあたりから…。
母親は一目見てすぐに違うとわかるくらいに別人だけど父は引き取りの時に「息子を見間違わない」と言ってたことを考えると父の心労、そしてところであのセックスの激しさ…私には車の方に意思があるように見えたよ)
ラストは感動した。
父、その子を頼みました。
どんどん消耗する。
子供の頃に後部座席で抑制が効かなくなった時点で病んでいたのだろう。話が進むにつれて容姿も環境もどんどん消耗する。ジェンダー不平等な描かれ方だし、救いようのない話だった。
変態なんて言葉で片付けられない
車とセックスする女がいるらしいぜ!
その程度の認識で観てしまったので、大変な目にあった。痛い。痛い痛い。ブラックエンジェルズの雪藤よろしく、とにかく痛い。前情報通りに主人公は車とセックスして、無事にご懐妊。出会う人を殺して殺して逃亡する。この荒唐無稽なストーリーを目の当たりにした人は、変態と評してしまっても仕方がない。でも、この作品を「変態監督が撮った変態映画」で済ましてしまうのは勿体無さすぎる。
無機質な鉄の塊が生命を生み、妖艶に女の性を全面に出して踊る主人公は、鼻を曲げ、髪を切り、サラシを巻いて男性として生きる。痛みが伝わる方法で人を殺しつつ、主題は出産で、主人公は処女懐胎したマリアであり、隊長=神の息子となりキリストに準えられる。
これらが比較的分かりやすく描かれ、性や生や聖をも超越した中で生まれるひとつの愛。誰からも教わったことがない愛の形だからこそ、嫌悪も賛辞も湧きあがるのだろう。異形の作品を変態と評するのは簡単だ。変態の向こう側に真の愛が見え隠れするはずだ(痛いけど)。
よくこんな話を考えつくなあ、と思うけれども、ちゃんと“映画”になっている事に感心。とてもイタくてクレージーな映画だけれどもラストは感動的ですらある。
①アレクシアがあまり喋らないキャラクターなのをはじめ(後半は尚更喋れないシチュエーションに陥るし)説明的な台詞は殆んどなく、映像で語る映画である。しかも、その映像がかなり予想外でインパクト大(強烈な映像を並べればそれで映画になるわけではありませんが)。②ショーの後、しつこくアレクシアに付きまとう男を、キスの最中に突然かんざし?を必殺仕置人みたいに耳から突き刺して殺す(“痛っ“)シーンに第一回目のビックリ。男は泡を吹きながら絶命するが、後で調べたら耳の奥は“脳幹”でそこを傷付けると呼吸とか基本的な生命維持活動が止まって死に至るとか、勉強になりました。③アレクシアの自動車と同化したい思い(“ブー”)、押さえつけようとするものへの反抗心(座席の背を蹴る)、縛っているものからの脱出(シートベルトを外す)は“チタン”を埋め込まれる前からのものであることを冒頭で描写している。(お父さん、運転中に余所見したら駄目だって!)④カー・ショーで一台の車(車のことは殆んど知らないので何という車か分かりません)の上でアレクシアがまるでその車とS⚪Xしているように踊る姿が実に官能的。その後、実際にその車と⚪E⚪するわけだから、あの踊りは車を勃⚪させるため?なお、後半でもアレクシアは消防車の上で呆気に取られる消防士仲間の前で官能的な踊りを踊り、その後で(恐らく)同じ消防車とS⚪Xする。ということは、あの踊りは前戯なのか?⑤これも後で調べたらチタン(合金)は脳外科手術でよく使われているそう(道理で映画の中で誰もアレクシアの頭を気にしていなかったのか)。合併症はあるらしいが精神的なものではないのでアレクシアの異常さは脳をチタンで覆ったためではないという事か。映画でもチタンに触れるのは冒頭の手術の時だけだし。あくまで尋常ではないアレクシアという女の頭の外科手術にチタンが使われていたので『TITANE』とした訳か。⑥32歳まで初潮が無かったということはアレクシアの体は普通に人間の子供を妊娠できる母体ではなかったということだろう。初めてお腹が“ピーッ”と鳴った後、パンティの陰部が汚れていたのでお漏らししたのか、と思ったが車のオイルだったんですね。あれが第2回目の驚き。⑦ショーのあとダンサー達がシャワーを浴びている時に、アレクシアの髪が隣の女の子の(乳首の?)ピアスに引っ掛かったので、アレクシアが「私が取ってあげるわ」と言って作業してる(“優しい子じゃないか”と思ったのに)最中に呼ばれて頭をあげたとたんにピアスが引っ張られたか取れたかして女の子は“イタッ”“痛いじゃないの!”“痛くてもいいって言ったじゃないの”みたいな会話になったように思う。そのあと二人で睦あっていてアレクシアが女の子の乳首を舐めた上に噛んでいる内にまるで噛みきろうとしたので、またまた“痛っ”。ついで家の中でその女の子もかんざしで耳を突き刺して殺すわけですが、、
パンクですね・・。
映画観たあとで、
ウマい晩飯食って帰ろうと思ってたのですが、
大幅に食欲減退しました。
エロもグロもあるんだけど、
それよりも主役の女優さんが終始嘔吐しまくってたので。
さらに言うと、
なんで頭に埋め込まれるのが”チタン”なのか?
車への偏愛というが、
それと”チタン”とどう関連があるのか?
なんでこの人、こんなに殺しまくるんですか?
そもそも両親は、
これらの理由を知っているはずだが、
何も語らないまま出番を終えてる。
父親は娘の術後医師に、
「頭のプレート(たぶんチタンのこと)は動かないのか?」
とたずねており、
それに対して
「衝撃を与えなければ大丈夫。」
と医師は回答。
その後主人公による一家惨殺のシーンで、
彼女は階段から転げ落ち、
頭部を強打しているのだが、
これが何か影響を与えたのか?
これらの謎の伏線回収がされてなくて、
これまた食欲減退の一因にもなりましたね。
最後のシーンは「やっぱりか」と容易に想像できたけど、
異種間恋愛がテーマなら、
何も殺人鬼にしなくてもいいだろうに。
最後に出てきた”それ”も、
やがて無慈悲な殺戮を繰り返すのか。
それこそが、
治療と称して彼女を改造した者たちの目的である!
・・・とでもいうのだろうか。
SF?ホラー?ギャグ?
笑えばいいのか、怖がればいいのか、
はたまた感動すればいいのだろうか。
いったいこの映画をどう楽しめばよかったのか・・・困惑。
すごかった
最初に駐車場でファンの男の耳にかんざしを刺して殺した後、特にうろたえもせず淡々と体を洗って死体を車に乗せていたのが謎だと思ったら、その前からとっくに何度もやっていた。とんでもないやつだった。
一軒家で殺人を行った後、どんどん人が出てきて全員殺そうとする。
消防士の隊長のお父さんを殺そうとしたけど、相手が本格的に格闘センスがあって鍛えている人だと通用しないところが面白い。
出産までの期間が早い気がする。かんざしを使って独自に中絶しようとする場面が怖い。お腹をやたらとかきむしるのも見ていて、いてててとなる。
鉄腕アトム
最初は物凄いテンポの良さとデスプルーフよろしくのダンスから始まり、ワクワク。途中からマークコールマンそっくりのジャンレノ風マッスルが出てきてこれはヤバいぞと思いながら見てましたよ。『運命は踊る』とか『ラブレス』とか、父子の在り方を問う擬似親子または親娘ものとして、鉄腕アトムに近いものかと思いながらみてました。クローネンバーグよろしく対物性愛のモチーフはまあオマケでいいんじゃないですかねくらいの。
あのおとっつぁん、あの冴えない警備員役で出てたおっさんと同じとは思えないマッスルで最後まで似てると思いつつ同一人物とは思えませんでしたわ。
あとガバの爆音でモッシュはちょっとギャスパーノエみたいでしたね。
なんかすごいものを観れるかもしれない、という期待
モーター、交通事故、手術、退院した少女、頭の傷、車に擦り寄ってキス、タイトル。成長した少女か、頭の傷。もうオープニングから引き込まれてしまう。
描写がなかなか痛々しく、画面から目を離したいが離すことができない。
逃亡するまでの前半は犯罪物みたいでテンポもよく引き込まれたが、キリスト教的なものもギリシャ神話もDNAに刷り込まれていない身にとっては、後半は少し置いていかれたか。見せたいのは後半なのだろうが。
チラチラとレビューをみて、なんかすごいものをみれるかもしれない、と期待して観に行ったので、ハードルを上げすぎてた。
平日の昼間の割に結構観客入ってた。みんな怖いもの見たさなんだな。
内容とは関係ないが、食べ物美味しくなさそうだし、街は汚いし、男はバカばっかりだし、今の若い人たちはフランスへの憧れなんてないだろうな。
天井桟敷の人々やパリのアメリカ人やアメリや、、、
高貴でお洒落でロマンチックで、みんなが憧れていたフランスが懐かしいな。
ここで終わるのか
面白いけど、だから何なのかっていう話なの。
監督の前作が《RAW〜少女のめざめ〜》と知って「それ系の映画かあ」と思うだけど、それ系ってなに系だろ。
主人公は頭にチタンを埋め込まれたおかげで、金属と愛し合うことができるようになったんだよね。
それで金属と人間のハーフを産むんだけど、それがどうしたのか。
転がり込んだお父さんはゲイだよね。それで近親相姦願望があるのかな。職場の若い人がパートナーの立場を奪われたから怒るっていう。
良く分からなかったけど、観てて飽きなかったらいいかな。
これぞ変態フランス映画
フランス映画は基本的に説明なし、つじつま合わせる気なし、オチがあるようなないような、ギャグはだいたいスベるのを見せたい感じ、どこかに愛の物語、というイメージですが、そこにグロが加わったような映画です。女性の裸がたくさん出てくるので、フランス映画好きで無ければデートにはオススメできません。ホラー映画ってわけでもない。強いていえばファンタジーですかね。
前半は痛々しい表現が多いですが、後半は疑似親子が愛を紡ぐ世にも不思議な物語です。途中からこのまま幸せになってくれないかなーって願いながら見ていました。
子を失い、妻を失ったマッチョな世界で生きてきた男の成れの果てみたいなものを見せられますが、終わってみるとなかなかどうしていい親父です。
好きかと言われると個人的にはあんまりですが、そもそもフランス映画をあまり観ていないので、フランス映画好きならめちゃくちゃおもしろい文脈があるのかもしれない。
いやもう気持ち悪いし主役の女の人汚らしいしこれは無理。最後に産まれ...
いやもう気持ち悪いし主役の女の人汚らしいしこれは無理。最後に産まれた子がクルマっぽかったら笑えたのかね?
シンプル
さらっと観ると怪奇映画になってしまうが、部分で考えてみると面白い映画だなと、ハッとさせられた。
シンプルに彼女は愛の形を探していたのではないかと感じた。
殺傷行動は謎だが、、。
実の父への愛情が欲しいという素振り(もっとちゃんと診てと言うところ)や母との会話など、彼女の立ち位置から見ると居場所が無いように思える。
特異体質に愛情がといった類の物には感じられなかった。
消防士との関係性も、居場所と愛する気持ちを素直に感じ惹かれあっていってると思うし。
愛情の食い違いで、表現が分からない為キスをしてしまったり。
車への執着も、チタンを頭に入れられ
自身の体の一部になった事により
何か特別なものがあったのか、模索している様に感じた。
インパクトがあるが、魅せたいところ、主軸はシンプルで面白いと感じた。
健康診断オールA
いや〜こんな狂った変態映画を劇場で観れたことにまず感激ですね。
性描写のR指定なんてものはどこかに吹き飛んで、このジャケットからは想像できないくらいのボディホラーが展開されているので恐怖に慄いていました。
まず殺しの描写、自身の髪にさしてあるかんざしをメインに顔に刺したり、耳に刺したりで牽制した後にもっと強力な椅子や剣みたいなものでトドメを刺すという悍ましさがありました。無差別な感じで殺していくのですが、不快というよりかは唖然といった感じでお口空きっぱなしでした。でもバックの映像がとても美しいので芸術的だなと不謹慎ながら思ってしまったり。
前半が殺人鬼の女性の物語だとすると、後半はあるイカれた父親の話に変わっていきます。身を隠すために行方不明の男性になりすまして潜入するアクレシアなのですが、その父親がとんでもなくヤバいやつで、アレクシアの悪の所業が後半では霞んでしまうほどのクレイジーさでした。でもこの父親のクレイジーさは子離れのできない父親というのが節で、ここから愛の物語になっていくというのも不思議な映画でした。
日に日に大きくなるアレクシアのお腹。最初はショーパブで性行為をしてしまった際に出来た子供なのかな?と思っていましたが、まさかの車と混じり合ってできた子供という珍妙さ、腹が割れて金属が見えるシーンはとても痛々しく、血塗れ傷だらけの体は見るに耐えないくらいの悍ましさでした。
最後も出産というものの恐怖を見事に描き切っており、ボディホラーという恐ろしさこれでもかというくらい身に染みました。父親と息子の擬似的な関係と、老化と妊娠、そして死と、生々しい一生を見せられました。今後こういう作品に出会うことは滅多にないだろうなと思い感動しました。グロキモ満載ですがオススメな映画です。
鑑賞日 4/10
鑑賞時間 18:15〜20:10
座席 D-14
全35件中、1~20件目を表示