劇場公開日 2015年7月4日

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ルック・オブ・サイレンスのレビュー・感想・評価

全23件中、21~23件目を表示

5.0視線。

2015年7月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

終始、登場人物の視線に魅せられた映画でした。

何を見て、何を考えているのか。何から目を背けて、何を考えないようにしているのか。

そして最後にアディは画面の向こうにいる観客を見つめます。まるで「あなたは何を見るのか」「あなたは何を考えるのか」と問い掛けるように。

見ていて非常に息の詰まる映画ですが、見終わるとまだまだ見ていたい、と感じる自分がいました。お互い何も語らず、ただ登場人物が見つめ合うだけの画面を後一時間くらい見ていたかったです。

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mmr

3.0力強い絵に魅せられる

2015年7月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

色彩豊かの絵が展開される中、悲惨な話が告白されゆく。こうやって殺した、ああして殺したと実演を込めて話される内容は、事実なのだろうと思うのだが、映画の中の絵があまりにも美しすぎるために、何か御伽噺のように見えてしまう。恐らく、それは告白する側に罪悪感というものが皆無だからなのだろう。世間話と同様に虐殺の話をするその姿を見ていると、思わず吹き出したくなる瞬間がある。政治という衣を着た人殺しのやるせなさ…被害者家族にとっては、話のどの部分も笑えるものではない、映画の中でその主張を強く感じさせられる。
起こってしまった悲惨な過去をどうしたらよいものかと、ただただ途方に暮れる思い…。
惨禍を引き起こした当事者そしてその加害者すべてが地に帰ろうとも、禍根は永久に残ってしまうのではなかろうか。
そんなやるせない気持ちが湧いてくる。

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SH

4.0インドネシア1960年代の共産主義者大虐殺の実行犯に虐殺の再現映画...

2015年7月6日
iPhoneアプリから投稿

インドネシア1960年代の共産主義者大虐殺の実行犯に虐殺の再現映画を持ちかけた前作と比較してまっすぐストレート。散々得意げに虐殺を語った実行犯に「実はそこで殺されたのは私の兄なんです」と言う眼鏡検査技師アディ。殺人者たちの眼は泳ぎ、過去は忘れろさもないと、と恫喝する者、過去はどうあれ今は兄弟だと言う者、様々。アディは言葉を選び、沈黙し虐殺者と握手をし、去る。これを見ている大半の日本人の観客は虐殺者たちの家族の立場に居ながら、殺された者の視線で見ていくことになってしまう。被害者の弟に見つめられながら「あれは国家のためだった」と言い抜けようとする実行犯たちに言いようもなく嫌悪を感じながら、その時どうできたか、明日起こったら何ができるかはまったく自信がない。

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こんにゃく