劇場公開日 2013年7月27日

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ニューヨーク、恋人たちの2日間のレビュー・感想・評価

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4.0ブラボー、ジュリー!

2013年9月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

これまでは、「監督に主演なんて…。ジュリーって、出たがりだな」なんて思っていた。けれども、ドタバタ必死にもがく本作のヒロイン(を演じるジュリー)を観ていたら、「ああ、彼女はそこまでしてでも、この作品を撮りたかったんだな」という思いがふつふつと湧いてきた。本作は、映画への愛、本作への愛、そして登場人物への愛にあふれている。
平穏な日常生活に乱入する、面倒な家族たちをめぐるドタバタ。フランス人とアメリカ人の文化ギャップをめぐるブラックユーモア。プラス、甘くおしゃれな雰囲気をかもし出さんとする、長々とした邦題…。予告を見ていた時は、ありがちなフレンチ•コメディとタカをくくっていた。ところが…どうしてどうして! フランス女、ジュリーだからこそ繰り出せる、やりすぎの一歩、いや半歩手前の応酬が小気味良い。小憎らしい妹とのレストランでの大げんか、どこまでもマイペース、やりたい放題の元カレと父親(演じるは、ジュリーの実父!)のが引き起こすあれこれ。そして、彼らに振り回されっぱなしの恋人、クリス•ロック! ハリウッド映画でマシンガントークを発揮してきた彼さえ、大胆不敵のフランス人御一行にはたじたじ。御一行は確かに傍若無人でイラつくけれど、本人たちに悪意はない。どこまでも開けっぴろげで、底抜けに陽気。何だか、少しうらやましくも思えた。
映画の登場人物は「いい人」である必要は全くない、と思う。大切なのは、魅力的かどうか、だ。悪人や憎たらしい人は魅力的と形容しがたいならば、「生き生きとしているかどうか」と言い換えよう。ヒロインの家族たち(特に妹と元カレ)は、ガラスをひっかくように、ことごとく周りの気持ちを逆撫でする。けれども、架空の人物が、観る者の気持ちを、身もだえするほどに揺さぶるなんて、なかなかスゴいことではなかろうか。日常生活で十分イラついているから映画では結構、というならそれまでだけれど…。それって、無粋では?
そんなユニーク極まりない人々を、贅沢な脇役がさらに引き立たせる。「木の妖精」ダニエル•ブリュール(前作「パリ、恋人たちの2日間」からの連投)、軟弱な隣人の医者(「ハピネス」などでよくお見かけする俳優さんなのですが…名前確認できず。)、そしてヴィンセント•ギャロ! どれもハマり役にして、出しゃばることなく脇に徹しているところが心憎い。しっかりあんこが詰まった鯛焼きのように、端から端まで楽しめた。
フランス映画には、時々小躍りしたくなるような拾い物と出逢えることがある。本作は、まさにそんな作品だ。お父さんの身体つきもあって「31年目の夫婦げんか」にも登場していた「奇人たちの晩餐会」が思い出され、久しぶりに観返したくなった。

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cma

1.5つかれた

2013年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

監督と主役のマリオンを務めるジュリー・デルピーは魅力のある女優だし、相手役のミンガスを演じるクリス・ロックも愛嬌のある顔で、このコンビが、おそらくドタバタになるであろう2日間をどう乗り越えていくのか? 是非とも観たくなる予告篇だった。

本篇が始まると、いくらもしないうちにマリオンの家族がニューヨークに到着する。マリオンとミンガス、そして互いの連れ子を合わせた4人の普段の生活をもっと細かに見せてくれないと、2つの家族が一緒に暮らす良さや問題点が十分に伝わらず、そこにもう1つフランスの家族が加わったときの差が曖昧だ。元から落ち着きがない家族に見えてしまう。

父親も妹も、一緒についてきた恋人までよく喋る。台詞のない時間がほとんどない。おまけに人の気持ちを逆撫でするような言動で、観ていてイラつく。
まだ父親は愛嬌があるが、妹とその恋人は精神的に受け付けられない。
あんなうるさい家族はゴメンだ。

以上。

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マスター@だんだん