パリ、恋人たちの2日間 : 新作映画評論

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パリ、恋人たちの2日間

劇場公開日 2008年5月24日
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パリ、恋人たちの2日間 5月24日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー

皮肉屋デルピーがフランス人気質にもの申す、痛快な会話劇

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ニューヨーク在住の倦怠期のカップルがベネチアへのバカンスの帰りに、女の実家のあるパリに寄る。物語はただそれだけだ。だが、「ビフォア・サンセット」でアカデミー脚本賞にノミネートされたジュリー・デルピーは、男と女の会話の端々に米仏カルチャーの違いをおもしろおかしく、刺激的な毒とともに注入している。マルシェ(市場)でアメリカ男が見るのは動物の死体だが、フランス男(女の父)からすればそのウサギも美味しい煮込み料理の食材になる。フランス女は「オーラルセックスなんて大したことない」と言うと、アメリカ男はコンドームが小さすぎると文句を言う。

そうした文化比較論的ストーリーテリングは「アニー・ホール」にも近い。限られた時間のなかで大都市を彷徨するという意味では「アフター・アワーズ」にも近い。

大きな映画ではないが、すこぶるテンポのいい会話、“フランス人らしさ”への痛烈な皮肉は、女優デルピーを頭の回転のいい女性に見せている。特に、セックスに関する会話ではスクリューボールコメディ風さながらだ。恋人役に実生活の前恋人ゴールドバーグを持ってきた危険な賭けは、その距離感が濃密かつ絶妙に保たれ成功しいる。そして何より、パリという都会の雑踏のノイズが心地よいBGMのように聞こえて、2人の恋愛ゲームをいっそうヒートアップさせる趣向がたまらない。

佐藤睦雄

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ABOUT THE MOVIE

  • パリ、恋人たちの2日間 画像2
  • パリ、恋人たちの2日間
  • 「恋人までの距離」「ビフォア・サンセット」のジュリー・デルピーが監督・脚本・主演を務めるロマンティック・コメディ。ニューヨーク在住のフランス人女性マリオンとアメリカ人男性ジャックは、恋人同士だが倦怠期を迎えていた。関係を盛り上げようと欧州旅行に出かけた2人は、その帰りにマリオンの実家があるパリを訪れる。言葉が通じない上に、今まで知らなかったマリオンの一面を見て戸惑うジャック。さらにマリオンの元彼が次々と現われ……。
  • 原題:
    2 Days in Paris
    監督・脚本:
    ジュリー・デルピー
    音楽:
    ジュリー・デルピー
    出演:
    ジュリー・デルピー、アダム・ゴールドバーグ、ダニエル・ブリュール、マリー・ピレ、アルベール・デルピー
    2007年フランス・ドイツ合作映画/1時間41分
    配給:
    アルバトロス・フィルム
  • 5月24日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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