エンジェル(ネタバレなし)のレビュー

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エンジェル

劇場公開日 2007年12月8日
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PCから投稿
投稿日:2009年10月3日
あんゆ~るさんのレビュー

2007年ベルギー・イギリス・フランス合作映画。119分。コーエン兄弟は、人間の本質的な愚かさを描いてきますが、本作のフランス人監督フランソワ・オゾンは、人生の過酷さを描いてきます。この人の作品に出てくる登場人物は、どこか天真爛漫で自由人なので、そりゃ人生も酷になるといえばそうなりますが。

内容は、イギリスの片田舎に住む少女がロマンス小説を出版社に投稿して、そのまま売れっ子作家になるお話。人生バラ色で、しかも最愛の男性とも結ばれ、シンデレラストーリを地でいく展開。

もちろんオゾン監督がこのまま終わらせるわけありません。次第に人生の歯車が噛み合わなくなり、時代が動けば悲劇も起き、途中からはエスカレーターのように転落していきます。

オゾン監督の作品に一貫しているのは、人生を夢のシャボン玉のように扱い、その中で生きている女性を描いていることです。そして、本作の主人公の場合は、実際は夢が弾けてるのに、それでも夢の中にいます。

そんなどこまでも空想する人物を客観的に描くものだから、外見の衰えややつれぶりという現実との対比が、なかなか観てて辛いものがあります。

もちろん、出来ることなら一生、夢の中に生きていたいですが、時間の針が緩むことはなく、万人に共通の、あまりにも過酷な一つの現実が待っている。オゾン監督はそんな夢と現実の描き方に対して、答えを提示せず、とことん観る人に突きつけます。

ちなみにわたくしは、本作の主人公を観て、怖いまでに何も感じませんでした。同情しなかったし、むしろつきはなして観ていたと思います。そして、それ以上残るものはありませんでした。

強いて思ったのは、老いていくことの苦しみは、男よりも女の方が切実なのだろうということ。だから、女の方が先に大人になるのかもしれませんね。

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