ステイ

劇場公開日:

解説

自殺予告をする謎に満ちた青年、彼を救おうと必死になる精神科医、精神科医の恋人で不安定な精神状態の女性を中心に現実が奇妙に歪みだす心理スリラー。監督は「ネバーランド」のマーク・フォースター。脚本は「25時」のデイヴィッド・ベニオフ。出演は「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガー、「キング・コング」のナオミ・ワッツ、「きみに読む物語」のライアン・ゴズリング。

2005年製作/101分/アメリカ
原題または英題:Stay
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:2006年6月3日

ストーリー

精神科医のサム(ユアン・マクレガー)は、謎に満ちた若い男性患者ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を担当することになる。彼は、自分の誕生日に自殺するとサムに予告する。画家であり、サムと同棲しているライラ(ナオミ・ワッツ)はサムの元患者でかつて自殺未遂をおこしている。ライラの不安定な精神状態はサムの精神的負荷でもあり、彼女を愛していて結婚指輪も買っているのに、渡せないままずっと握り締めていた。そして、ヘンリーが憧れている画家が、18歳の時にあと3年生きると言い残し、自分の作品を全部焼いて自殺した話をサムにする。サムが盲目のレオン博士(ボブ・ホスキンス)と会っている時に、ふいにヘンリーが現れる。博士を見たヘンリーは、博士が自分のせいで亡くなった父親だと主張するが、博士には子供がいなかった。その日を最後にヘンリーは行方不明になる。サムが彼のアパートを訪ねると、壁一面に「Forgive Me(許してくれ)」と書かれていた。ヘンリーの精神状態が尋常でないことが分かり、サムの不安はますます広がる。そこから、サムの身に不可解なことが起こり始める。ヘンリーの母親に会うが彼女はすでに他界していることがわかり、ヘンリーの恋人を訪ねた後、螺旋階段を踏み外しどこまでも落ちていく…と思いきや、再びヘンリーの恋人の前でさっきと同じセリフが聞こえてくる。教えてもらった本屋には、ヘンリーが描いたという絵が飾ってあった。ブルックリン橋の絵。それは、サムのオフィスと自宅に飾ってあるライラが描いた絵と同じだった。サムはもはやヘンリーの潜在意識の迷路から抜け出せなくなっていた。サムはヘンリーに誘われるように、ブルックリン橋へと向かう……。

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映画レビュー

3.5最後の最後で、かつてない「まさか!」の衝撃に飲み込まれる

2018年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

難しい

マーク・フォースター監督はとても不思議な人だ。私たちのいる世界を一つのフィクションと捉えるかのように、主人公を取り巻く世界からふわりと浮遊してはるか上空からその生き様を活写してみせる。商業映画一作目となる「チョコレート」が大きな話題になったため、それに続く本作は許される限りの自由な変化球。それでも“俯瞰する視座”は相変わらずだ。デヴィッド・ベニオフが脚本を手がけただけあり、この映画の謎である部分には、少なからずあっけにとられるはず。この仕掛けがこれほどうまくいったのも、ユアン・マクレガーやライアン・ゴズリング、ナオミ・ワッツという全く先読みさせない芸達者たちを持ち駒として周到に配置したからか。ちなみに本作で少年の持つ風船は、「プーと大人になった僕」の風船や、「君のためなら千回でも」の凧とも相通じるものを感じる。何かをしっかりと繋ぎ止める事は、フォースター作品で特別な意味を持っていそうだ。

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牛津厚信

3.5ライアン演じるワケあり役が好きです

2024年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

正直なところ、よくわからなかったところが多々ある。
でも「どういうことなんだろう?」と引き込まれていたし、
それをスッキリしたくて最後まで見入った、という感じ。

とはいえ最後まで見てもスッキリしないところがあったので、助けを求めるように解説・考察記事を読んだ。
ふむふむ、なるほど。
かんったんに片づけるのであれば「走馬灯」
死に際にどんな映像を見るかなんて、誰も知らない。
この作品のように、夢か現実か、わからないようなものを見るのかもしれない。
「死に際には走馬灯を見る」=「今までの思い出の映像が一気に駆け抜ける」と言われているけれども、
フォトアルバムをめくるようなほんわか平和なものとは限らず、
支離滅裂で、ぐにゃぐにゃで、嫌な思い出がホラーテイストとなってドドドっと押し寄せるパターンもあるかもしれない。

今作は、ライアン演じるヘンリーの走馬灯なのに、ユアン演じる精神科医のサム目線だったところが混乱の要因だ。
かといって、ヘンリーの目線のヘンリー走馬灯だと、シンプルすぎて
今作のような奇妙さ、不思議さ、異空間な雰囲気は出なかったかもしれない。

最初は登場人物の関係性をちゃんと汲み取ろうと必死だったけど、
その必要はなかったんだな、と。
あまり意味や、関係性を考えちゃいけないのかもしれない。
だって、夢の中で起きることって現実のようなんだけど、なーんか変だし理屈じゃないし。あの場面の切り替わり方も、夢の中ってあんな感じに支離滅裂だったりする。
なんでここ?
なんでこの人?
みたいなこと、起きるし。
死んだはずの人やペットが生きてる夢、見たことあるけど
「あれ?死んだんじゃなかったの?ああでも会えて嬉しい。死んでなかったんだー!」って思った。不思議なんだけど、スッと受け入れたりする。

そういう、夢の世界に近い空間を見ていたのだ今作は。と思えば、
あとあと納得がいった。

若ライアン。彼を見るために見ました。
過去のライアンはこういう暗めな役、なにか事情がある系の役をたくさんやってる。でもとても惹きつけられてしまう。引き込まれる。
なんであんな目ができるんだろう。
何もかもに希望が持てないような、遠い目。佇まい。

・序盤の方、「自殺するんだ」って頭にピストルで打つジェスチャーライアン、何回か巻き戻した。
・ラストの方、ピストルを口に咥える瞬間ライアン、迫真の演技。あんまり見たことないライアンだった。

「Stay」
留まる、〜のままでいる、持ち堪える、とか。
最後の方は「Stay with me」「Stay there」とか多用していた。
いろんな熟語あるだろうけど、いろんな意味を含んでるということで逆にシンプル「Stay」にしたんだろうか。
とか、ごちゃごちゃ考えたな〜

久しぶりにこういうテイストのやつ見たな〜
「夢か現実かわからない」と劇中も多用していたけど
ほーんと、現実っぽい話でもあり、SF感もあり。その狭間な感覚。

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cris

2.5たけしの挑戦状かっての

2020年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難解すぎて、もしかするとネタバレのうえで見た方が楽しめるかもしれない。
なんだけど、僕はネタバレしないようにレビューしますね。

そもそもが精神科医とミステリアスなゴズリングって
二転三転させますよって宣言してるような設定。
謎のセリフやら映像やらを差し込むことで意図的に混乱させてきて、
「何が現実か分からない」体験をさせようとしてくるっていうね。

少なくとも初見で全て理解するのは不可能で、
むかしむかしの理不尽ゲームをちょっと思い出しちゃった。

丁寧に作りこんでいるのはよく分かるんだけど
いかにも思わせぶりな描写が多くって、なんか疲れた。
ハマる人にはハマるんだろうけど、僕は2回見たいとは思わなかったなあ。

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mar

4.0衝撃のラスト

2020年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

いったい何が起きているのかまったくわからないまま最後まで一気に見てしまったが,このラストは想像できなかった。

レオナルド・ディカプリオの『シャッター・アイランド』に似ていなくもないが,それはまだ予想の範囲内だった。一方の『ステイ』。さすがこの結末を予想することは無理。なんとも不思議な作品だ。

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たろ☆