砲艦サンパブロのレビュー・感想・評価
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中立な場所など存在しなかった
前半は正直退屈でした。機械の異常をチェックしてる最中に負傷するシーンしか頭に残らなかった。正しいことをS.マックィーンはしているのに「噛み合わない不運」が後々エスカレートしていくのかな、と思いながら観てました。それはボクシングのシーンで更に確信した流れ。中国人だろうと同じ人間なのに、平等に考えることが裏目に出る展開。
後半は酒場の女からスタート。助けるという見方をすれば同僚は男冥利に尽きる行動をした。持病があったのか何で死んじゃったのかわからなかったけど・・・
ただ女の方は殺され、それをダシに米国を追い詰める(裁判にかける)という狙いは学のない私でもわかった。陰謀とでも言えばいいのか、うまく利用する醜い術は現代にもあるだろう。
一方、マックィーンの方はインテリ風の女(教師)との付き合いを断とうとする流れ。何だか戦争中のメロドラマのような展開に個人的には拍子抜けした。
ジャンルは戦争映画になりますが、アクションは150分頃までなく、人の置かれている立場・状況を描いた心理面がほとんどです。
総じて主要人物がことごとく不幸な結末を迎えていたけど、マックィーン観たさで拝見した私にはあらすじを読んでも内容がわかりづらかったのが本音。
ただ、船上での攻防、暗闇の銃撃戦はかなり緊張感あって一気に目が覚めましたよ。
マックィーンは最後まで中立の存在であった。
機械が異常な時の対応、仲間の恋愛~結婚を見届けることも、(射殺含め)ボクシングの中国人に対しても、愛していた女の未来のため別れようとしたことも、そしてラスト中立の場所であったはずの伝道団で覚悟決めた銃撃戦も...
マコ
スペイン戦争での戦利品だったサンパブロ。機関兵のジェイク・ホールマン(マックィーン)は伝道師たちと知り合う。暴動が起こってからは参戦せずに静観せよとの命令を受ける米軍。
ボクシングでも悲惨な闘いを強いられた仲間の中国人マコだが、共産軍に捕まって痛めつけられている。そこで米軍は彼等に攻撃しようとするが、参戦はまずい。金で解決したいが・・・ホールマンのとった行動はマコを射殺することだった・・・
前半ラストがマコの壮絶なシーンだっただけに、後半が始まるとちょっとセンチメンタリズムが前面に出てしまった感じがした。長い映画なだけに淡々とした部分もあった。実際のオンボロ船を使ってるので迫力はあるけど、なるべく殺さないようにする戦争映画なので描写が難しそうで、窮屈なイメージ。反戦メッセージも感じられるものの、アメリカ人を救うためだけに艦を向かわせるという現代的な問題点にまでは至っていないような・・・それでも、国民党と共産軍との争いに関する記述からはベトナム戦争に対する批判のようなものが感じられる。
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