天井棧敷の人々のレビュー・感想・評価
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いろいろな映画ランキングで評価が高いけれど自分的にはストーリーがすっきり来なくて、イマイチの映画でした。
幸せな結婚生活を送っているバチストが子供も妻も顧みず、昔好きだった人を追いかけていく。
自分を愛して助けてくれて自由にしてくれて生活すべてを面倒見てくれる主人を裏切っても平然としてるガランス。
それぞれの奥さん、旦那さんの人生って何なのだろうと、昔思ってしまいました。
親しかった友人の1番好きな映画で、よく話していたけど、やっぱりわからなかった。
友人が結婚で人生間違ってしまったことを理由に自殺して、久々に見て見たら、佐野洋子「100万回生きたねこ」を思い出しました。
人ってどんなに愛されても、自分が幸せじゃなければ、自分をごまかすしかないし、それができなければ、自分を愛してくれる人でも傷つけるのを受け入れなければいけないかなと、分かったような気がしました。
ラスト、人々の喧騒に紛れてバチストが「ガランス」の名を呼び続けるシーンは、自分勝手だなと思うことすら受け止めて、やはり胸を打ちます。
現代日本の常識だけで見ると、面白くないかも。
映画通の父が好きな映画の一つなので、思い入れがあり、数十年ぶりに鑑賞。
ナチス占領下のパリでこれだけの映画、多くのエキストラと大規模な撮影、
人の映画への渇望を感じさせる。当時の衣装や風俗も見応えがある。
日本では一途な愛が推奨されるが、さすがフランス。結婚して子供ができても、
バチストは愛する女性を思い続ける。相手の女性ガランスも金持ち伯爵に囲われながらも
気持ちはバチストとずっと共にあった。
愛を確かめ合う2人だが、バチストの妻ナタリーから現実を突きつけられ、
ガランスは静かに去る。そのラストのシーンが素晴らしい。
追いかけるバチストは祭りの群衆にもみくちゃにされ、2人の結末はわからないまま、
狂乱の群衆を映し、映画は終わる。
ラストに人生への肯定というか、愛にはルールはないというか、
全てひっくるめて、人生は素晴らしいと言われてるようで、さすが名画だと感じた。
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