チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(1987)のレビュー・感想・評価
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初心でコミカルなレスリー
中国古典からの冒険ファンタジー。
借金取り立てバイト中の貧乏書生役のレスリー・チャンは当時三十路というのが信じられないくらい可愛いらしい演技で保護欲をそそる。泥々、ずぶ濡れになっての熱演。
色っぽい幽霊役の女優さんはこの映画で美脚がウケて大人気になったそうだが、少し影があって、優しい東洋風な感じがいい。(ちなみに監督の希望は中森明菜だったそう。)
道士は京劇の男優風。ベテランの安心感。
少年漫画のような色っぽい場面もあり下世話なギャグ(口臭で書生を撃退しようとするとかw)もあり、本格的なアクションもありで大いに愉しめた。
アクションコメディ妖怪ラブストーリー
子どものときに家族で見に行ったアニメ映画の「西遊記」とか「白蛇伝」みたいな世界だった。
笑っていいのか、怖がった方がいいのかよくわからなかった。とにかくレスリー・チャンが可愛くてキュートだった。あなたのことは私が守るわと幽霊も思ってしまう真っ直ぐで純粋な男の子。綺麗な幽霊だった。
偉大なりツイ・ハーク
レスリー・チャンの名前が広く知れ渡るきっかけになったのはどの作品だろうか。もちろん「男たちの挽歌」での活躍も忘れてはならないが、多くの女性ファンはむしろこの「チャイニーズゴーストストーリー」のシリーズで獲得されたのではなかろうか。「男たちの」を熱心に観に行く女性の観客はちょっと想像しにくい。
そして、日本において中華圏の女優の名前が一般に知られたのは、この作品のジョイ・ウォンが嚆矢であろう。確かに、現代的なプロポーションのスタイルと東洋的でありながら快活でセクシーなルックスは今見ても納得できる。
「男たちの」と「チャイニーズ」。この二つのシリーズをほぼ同時期に製作したのはツイ・ハークである。それまでの香港映画の娯楽性の上に現代的なスタイルを乗せることに成功した彼の業績は、今世紀に入っても影響を受けている作品が次々と生み出されることから、とてつもなく大きいと言える。
このツイ・ハークについて書かれた本がないか、今度調べて読んでみよう。
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