狂い咲きサンダーロード

劇場公開日:2025年8月22日

解説・あらすじ

鬼才・石井岳龍(石井聰亙)監督が1980年、日本大学藝術学部映画学科在籍時に卒業制作として発表したインディペンデント映画で、同年に東映セントラルフィルムの配給で劇場公開もされた作品。幻の街「サンダーロード」を舞台に、暴走族や政治結社に反抗する若者の戦いをバイクやロック音楽、バイオレンスを満載に描いた。

暴走族「魔墓呂死」の特攻隊長・仁は、警察の取り締まりに対して平和的な路線を歩もうとしたリーダーの健に反発し、実力行使で反抗を試みる。やがて抗争の中で右腕と右足を切断され、バイクに乗れない体になってしまった仁だったが、それでもなお抗うことをあきらめず、バトルスーツに身を包んで最後の決戦に挑む。

2016年には、クラウドファンディングにより、オリジナル16ミリネガフィルムからのリマスターおよびブルーレイ化が実現。「オリジナルネガ・リマスター版」として東京・シネマート新宿ほかで上映された。

1980年製作/96分/日本
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2025年8月22日

その他の公開日:1980年5月24日(日本初公開)、2016年12月10日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 誕生から45周年を経てもなお破格の存在であり続ける

2025年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

私は石井監督の初期の四半世紀には全く間に合わなかった世代で、初めて触れたのは『五条霊戦記』(00)。世のメジャー作とはテンション、スケール、映像文法が破格に異なる作りに仰天したのを覚えている。翻って『サンダーロード』は石井が学生時代に制作した伝説の自主映画。このたび45周年を記念して公開されるリマスター版には、映画史的な重みや年輪などを軽く凌駕する、いまだ有機的に呼吸しているかのような強烈な発泡性が満ち溢れていた。暴走族の無軌道さを描きつつも、彼らの全盛期に焦点を当てているわけではない。むしろ周囲がルールに縛られて大人になっていく中で、その時間の流れに抗うように一人孤独に、がむしゃらに走り続ける主人公の生き様を刻む。それはひとえにカメラ片手に半世紀の爆走を続ける映画監督、石井聰亙の生き方そのもの。あと全編を彩る泉谷しげるの歌と、かなりぶっとんだ役柄を担う小林稔侍の兄貴分的な存在感が素敵だ。

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牛津厚信

5.0 迷惑な世間のはみだしモンにも、捨てられない意地がある。

2025年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

ドキドキ

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デブータ

5.0 おもしれえじゃねえよ❗️

2025年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

日芸の卒業制作として当時22歳の石井聰亙監督が暴走族の派閥争いを描いた青春バイオレンスムービー。タランティーノ、北野武などがオールタイムベストに掲げる伝説の映画。

まずは公開45周年、デジタルリマスターによる上映を実現した配給のトランスフォーマーさんに感謝。

公開時には観ておらず、その後レンタルビデオ店で何度も見かけたがいつも貸出中で結局は未見。だからこそ劇場で鑑賞できたことが何より嬉しかった。

暴走族、右翼、暴走族に群がるヤンキーねえちゃん、ヤクの売人の小学生など、その世界から連れてきた(実際、暴走族をスカウトしたりしたらしい)ようなギラギラしてどこかおかしみのあるキャラクター。おそらくノーギャラに近い現場なのにおっぱい出してるのがもう普通じゃない。

エンドロールでわかる泉谷しげる、PANTA、モッズらによる30曲ほどの使用楽曲。いわゆる劇伴のようなものがほぼなく、歌入りの曲のリレーで繋いでいくのが音楽映画としてクオリティ高すぎる。イメージイラストまで手がけた泉谷しげるの楽曲がゴリゴリのベースがいかつくて、とにかくカッコいい。

デビュー作で主演の山田辰夫さんは同じ富山出身の滝田洋二郎監督と同級生だそう。山田さんはこの映画で暴走族の役がはまりすぎてしばらく仕事がなくて悩んでた時、転機は2人の友情がきっかけという話もグッとくる。

ちなみに一説によると富山は暴走族発祥の地らしい。(山田さんは役者さんでホンモノの暴走族ではありません!)

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minavo

5.0 最初、何だか違和感のあったものが

Mさん
2025年9月22日
Androidアプリから投稿

終わる頃には思わず引き込まれていました。
あのバイク、ホークⅡだったでしょうか。私の暴走族のイメージはkawasaki(Z400FXなど)でしたが、当時Hondaも暴走族に結構、乗られていたのですね。
話は変わりますが、以前、天気のよいお昼過ぎに、暴走族風のバイク数台が、幅5mくらいの狭い道が横切る交差点の信号で、(全く車がないのに)青になるまでじっと待っている場面を見ました。失礼ながら、「暴走族なのに赤信号ちゃんと守るんだ・・・」と、笑ってしまいました。きっと小学生の頃、先生から「赤は止まれ」と教えられていたのでしょう。教育の力って凄いですね。

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M