伊賀忍法帖のレビュー・感想・評価
全2件を表示
脂ぎったオスの臭いプンプン
元来、山田風太郎の俗受けを狙った作風、大衆官能時代小説の類は苦手である。
たまたま録画が残っていたので観たのだが・・。
処女を輪姦してその涙を信長も狙った名器平蜘蛛の茶窯で煮詰めて媚薬を作るなんて瘋癲老人の劣悪な妄想だろう。
人気の高い戦国史や忍術ものを題材に虚構の奇伝に化けさせた妄想ホラーもどき、高尚を装ってはいるが一皮むけば脂ぎったオスの臭いプンプン。多くの熱烈なファンがいた大衆文化路線を否定するつもりはないが余りにも直截的な娯楽至上主義、好きな人が観ればいいとしか思えなかった。
角川全盛時のハチャメチャ映画
当時、雑誌バラエティを中心とした飛ぶ鳥を落とす勢いだったKADOKAWA。角川3人娘と呼ばれた薬師丸ひろ子、渡辺典子、荻野目慶子、後にデビューする原田知世を加えそれはそれは大人気で一気にエンターテイメント業界に地位を得ていた。その内の渡辺典子、当時若手大人気俳優の真田広之を主演にご存知山田風太郎作の伊賀忍法帖を映画化されたのが当作品でした。詳細には覚えて無いけど劇場公開当時は草刈正雄主演の汚れた英雄と同時上映で個人的にはこちらの方が断然観る価値あった。とはいえこの作品も当時の真田広之や渡辺典子の人気もあり、そこそこの興行収入だったようです。作品としては真田広之を中心とした個性的で癖のあるな脇役が花を添え何とか作品としてギリギリの質を維持しているといった所です。渡辺典子も新人だからしょうがないけど、まあ、酷い大根、笑笑。個人的には山田風太郎先生の作品は二時間では良さは出せないと思います。小説やアニメは大ヒットしていても、尺が足りずに大体、映画はコケてる。脚本もまあ、酷い。小説では根来七人衆が映画では五人だし、使う忍術も全然違うし、主要キャスト死んじゃうし、現代なら原作レイプもいいとこだが当時は小説の映画化に対してまだまだ少ない時代にイケイケのKADOKAWAは莫大な著作権を払ったからでしょう。取り敢えず、エロ、グロ、ラブロマンス等文字通り雑誌に合わせた「バラエティ」豊かな作品となっていますが、ぎりB級ランクかな。
全2件を表示