青春喜劇 ハレンチ学園

劇場公開日:

解説

永井豪の同名漫画をもとに、現代の断絶を徹底的にカリカチュアライズした喜劇。脚本は「残酷おんな情死」の山崎巌と「喧嘩博徒 地獄の花道」の鴨井達比古が共同執筆、監督は「女の警察 国際線待合室」の丹野雄二。撮影は「斬り込み(1970)」の高村倉太郎が担当。

1970年製作/82分/日本
配給:日活
劇場公開日:1970年5月2日

ストーリー

今日は「聖ハレンチ学園」の卒業式。居並ぶ在校生の中には、山岸、袋小路、風間、柳生みつ子の顔が、一方教師側には校長以下荒木、吉永、木戸の神妙な顔がみえる。「仰げば尊し」の歌声は流れているものの、歌っているのは教師だけで生徒たちはまったく無視した態度。そこへ教育委員到着の知らせが入ったが校長はこの醜態を見せては、補助金打ち切りになりかねぬと無事卒業式は終了したと報告し、教育委員の目をごまかすのだった。山岸たちはこの事実をネタに、教師を強迫、全員にオール5を認めさせた。しかし、その反動として、荒木は男生徒を檻に入れ、木刀をふりまわした。そこに現われ、生徒の人望を集めたのは新任の体操教師マカロニだった。一方、吉永は女生徒にビキニを着せて楽しんでいたが、それを知って学園内をデモる山岸たちと対決した。そんなハレンチぶりは美人でミニスカートのよく似合う西尾みどりが赴任してきて、頂点に達した。みどりのスカートをめくることに端を発したイタズラの数々は、エスカレートし校内は大騒動となった。その騒動もおさまらぬまま、修学旅行の日がやってきた。その趣旨はただ喰い、踏み倒しを実践し、悪いことを身をもって教えるというもので、生徒からの旅行代はすべて芸者代になった。大広間での餐会は、教師、先生、芸者入りみだれての野球拳大会に変貌し、大俗場では、みどり以下女生徒のストリップとハレンチきわまる旅行とあいなった。そして、その延長が学園まで持ち込まれ、いまでは全く手のつけられない状態となっている。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0日活でハレンチだからといって期待しないで

2022年1月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

原作既読
原作は『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『キューティーハニー』『けっこう仮面』『デビルマン』『あばしり一家』の永井豪
丹野雄二監督作品初観賞
脚本は『大巨獣ガッパ』の山崎巌と『仁義の墓場』『こちら葛飾区亀有公園前派出所(せんだみつお主演)』の鴨井達比古

60年台70年代の日本映画にありがちなドタバタ喜劇

原作は当時のマスコミやPTAがヒステリックに騒ぎ立てたエロチックナンセンスギャグ漫画
漫画の設定は小学校だが映画では中学校になっている

漫画ではヒゲゴジラの本名は吉永小百合のはずだが諸般の事情で吉永百合夫になっている

十兵衛は本名だと思い込んでいたがどうやらそれは勘違いで本名はミツ子で十兵衛はニックネームだった
千葉ロッテの石川がゴエモンと呼ばれているようなものだ

今日の面々がユニーク
ヒゲゴジラ先生(藤村俊二)
マカロニ先生(宍戸錠)
丸越先生(小松方正)
パラソル先生(由利徹)
そのほかにヒットラーにドラキュラにデストロイヤーに大泉晃
用務員は左卜全

新任の女教師西尾先生にうつみ宮土理
さんまのからくりテレビではわりと酷い扱いだったがこの当時はとってもキュートでお色気担当
スカートめくりされまくりだから違う意味で酷い扱い

十兵衛ちゃんは児島美ゆき
十兵衛の父親役はなべおさみだが母親はなぜか男のミッキー安川が演じている

女子生徒の皆さんはビキニ姿で授業させられるも男子生徒たちに懲らしめられるヒゲゴジラ
AVならこの場合は全裸か下半身だけ露出が定番なのでそれを思えば映画はそれほどエッチじゃない

修学旅行のバスは盗難車でガソリンスタンドではカネを払わず逃走
走るスーパーマーケット「ピロビタン」
白バイの警察官は小松政夫

最後は運動場で教師と生徒が大乱闘

ちなみにこの作品が公開された年にテレビ東京で放送された連ドラの方は視聴率が30%台の大好評
ドーハの悲劇に抜かれるまでしばらくはテレビ東京の最高視聴率だった

有害図書騒動に便乗して映画業界やテレビ東京は盛り上がったが原作者の永井豪は悪書追放に抗議しハレンチ大戦争を描き連載を終了することになる

この程度がハレンチなら読売巨人軍の方がよっぽどハレンチだと思う

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野川新栄

2.0改めて観る意義や意味はあったのかと問われると口ごもってしまう

2019年12月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

永井豪の名作ハレンチ学園の映画化作品
漫画は日本の漫画史に残る程の意義と意味を持つ
そして、その前に本当に楽しいギャグ漫画でもあった

本作を観ようという人は、原作の漫画を読んでいるはずだと思う
そうでなければ、いきなり本作から観るわけも無かろう

だから、漫画のキャラクターのイメージを絶対に求めてしまう
しかし本作は、それとはかなり距離があって、そのイメージを求めて観るとがっかり感がある

本来ならアニメで製作されるべき作品だ
おそらくは末期の日活がとにかく「映画」を撮りたかったのだろう

とは言え超ひさびさに観てみると、それぞれのキャラクターの特徴を掴んで配役もされ衣装とメーキャップも頑張っていたことは意外であった

70年代に活躍をしたコメディアンが大勢出演しており、彼らの勇姿を観ることは楽しい

また左卜膳の出演は、老人と子供のポルカで大ヒットを当てたばかりのところで大変にタイムリーだったはず
しかも彼はこの1年後には永眠しているのだ

本作は、彼のフイルモグラフィからも抜け落ちたりする位の扱いしかされてないが、このヒット曲が流れる本作を無視すべきではない

お色気シーンは現代の基準ならば健康的なもので微笑ましいほどのもの
児島みゆきにも淫靡さはまるでない
健康的な幼いセクシーさだ
同じ日活のロマンポルノの影は全くない

強いて言えば、現代で言う所の教師から生徒へのセクハラ、パワハラが学校の現場には当たり前にあること
教師は聖職者ではなく只の人間でしかないのだということ
生徒達も教師に対する尊敬を失って、学級崩壊しているということ

これらをカラッとした空気で、コミカルに描かれている

しかし、これは全て原作の漫画に由来する事であり、本作の価値とは言いきれないものだ

だから本作に、改めて観る意義や意味はあったのかと問われると口ごもってしまう

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あき240

1.0左卜全の「老人と子供のポルカ」

2018年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 石川県では『巨人の星』の裏番組として放送されていた『ハレンチ学園』。なかなか見る機会にめぐまれなかった悲しい小学生時代だった。

 そんな『ハレンチ学園』の劇場版を見てみると(最初に観たのは20年ほど前)、あまりのくだならさと虚脱感に少年時代の夢を壊されたかのような気分になった(笑)。それでも用務員の甚兵衛役の左卜全に笑って癒されるのだ。「老人と子供のポルカ」が二度も流れ、懐かしさで心が満たされたよ。笑えるところなんて、寒いギャグばかりの中にあって、彼だけが笑わせてくれるくらいだ。

 メインとなるのは“春の旅行”。ピロビタンの宣伝バスを盗み、伊豆へと向かい、温泉旅館で無茶苦茶に・・・ドタバタすぎる全体の雰囲気に、児童たちが全学連の恰好で登場し、教師に反抗するところなんてのは社会風刺にもなっている。

 ともかく、TV版と同じく小学校ではなく中学校が舞台。それも3年生ともなると、エッチなこともリアルになりすぎる恐れが・・・

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kossy