2020年 第92回 アカデミー賞特集(2020年) 受賞予想

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映画.com 第92回アカデミー賞特集

2020年2月9日(現地時間)に開催された第92回アカデミー賞授賞式。「パラサイト 半地下の家族」の歴史的快挙で幕を閉じました!

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立田敦子

  • 作品賞 「1917 命をかけた伝令」
    「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
    「アイリッシュマン」
  • 監督賞 マーティン・スコセッシ
    サム・メンデス
    ポン・ジュノ
  • 主演男優賞 ホアキン・フェニックス
    アダム・ドライバー
    アントニオ・バンデラス
  • 主演女優賞 レニー・ゼルウィガー
    スカーレット・ヨハンソン
    シャーリーズ・セロン
  • 助演男優賞 ブラッド・ピット
    ジョー・ペシ
    アンソニー・ホプキンス
  • 助演女優賞 ローラ・ダーン
    キャシー・ベイツ
    マーゴット・ロビー

「アイリッシュマン」が10、「マリッジ・ストーリー」が6を含む最多24ノミネートを獲得した配信大手のNetflix。作品の質の高さは、観客も批評家も認めるところだし、個人的にはマーティン・スコセッシのキャリアの中でも最高峰の作品といえる「アイリッシュマン」に作品賞を獲って欲しいところだが、スピルバーグが異論を唱えるなど配信への風当たりは依然として強い。最高賞の作品賞受賞まで、まだ時間がかかるのではないか。

また、ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」は、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞し、賞レース牽引、オスカーでも韓国語映画ながら作品賞、監督賞など6部門にノミネートされたが、国際長編映画部門(外国語映画賞から名称変更)以外も、監督賞か脚本賞は受賞できるかもしれない。

素晴らしい演出アイデアと技術で第一次世界大戦の前線を描いたサム・メンデス監督の「1917 命をかけた伝令」はアカデミー会員好みの作品。クエンティン・タランティーノ作品としては、最も流血が少ない「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」もハリウッドへのラブレターともいえる作品だけにポイント。

オスカーには前哨戦にはないサプライズがいつも用意されているが、俳優賞でサプライズがあるとすれば、助演男優賞の大御所のジョー・ペシの受賞か。

オスカーノユクエ

  • 作品賞 「1917 命をかけた伝令」
    「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
    「パラサイト 半地下の家族」
  • 監督賞 ポン・ジュノ
    サム・メンデス
    クエンティン・タランティーノ
  • 主演男優賞 ホアキン・フェニックス
    アダム・ドライバー
    ジョナサン・プライス
  • 主演女優賞 レニー・ゼルウィガー
    スカーレット・ヨハンソン
    シャーリーズ・セロン
  • 助演男優賞 ブラッド・ピット
    ジョー・ペシ
    アル・パチーノ
  • 助演女優賞 ローラ・ダーン
    スカーレット・ヨハンソン
    フローレンス・ピュー

ここ10年ほどを振り返っても、今年ほど混戦な賞レースはなかったと断言できる。という書き出しは、実は昨年と全く同じ。今年も昨年に輪をかけて予想が難しい大混戦の様相だ。10部門以上の大量ノミネートを受けた作品が4本もある時点で異常事態だが、続く6部門ノミネートの作品にも逆転候補が渦巻いている。

最多ノミネートの栄誉を勝ち取ったのは「ジョーカー」。例年なら最多ノミニー=最有力の図式が成り立つのだが、今年はそうでもない。ヒーロー映画の範疇たる本作がポール・トゥ・ウィンを決める確率はむしろ低い。

最重要視される前哨戦、アメリカ製作者組合賞を制したイギリス映画「1917 命をかけた伝令」が頭ひとつ抜きん出ているようにも見えるが、油断は禁物。地元ハリウッドにたっぷりとオマージュが注がれた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の支持層も厚い。また、昨年に引き続き躍進するNetflixから巨匠マーティン・スコセッシ監督「アイリッシュマン」も逆転を狙っている。昨年「ROMA ローマ」に作品賞を与えなかった反動があるかもしれない。

さらに予想を難しくさせているのが、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」の存在だ。国際長編映画賞(昨年までは外国語映画賞)でもノミネート実績がなかった韓国映画が、突如ハリウッドでありえないほどの脚光を浴びている。アカデミー賞の前哨戦では堂々の先頭を走り、最後まで首位を明け渡さなかった。これがアメリカ映画なら堂々の大本命を張れる存在だ。最重要前哨戦のひとつ、アメリカ俳優組合賞のアンサンブル演技賞(作品賞に該当する賞)を受賞したことで、最大派閥からの支持も厚いことを証明した。アッと驚く韓国映画の大快挙がもしかしたらあるかもしれない。

【映画情報 オスカーノユクエ】 @oscarnoyukue
アカデミー賞、全米興行収入の話題を主にレポートするサイト「オスカーノユクエ」管理人のTwitter。週刊朝日で連載中。

小西未来

  • 作品賞 「1917 命をかけた伝令」
    「パラサイト 半地下の家族」
    「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
  • 監督賞 ポン・ジュノ
    サム・メンデス
    クエンティン・タランティーノ
  • 主演男優賞 ホアキン・フェニックス
    アダム・ドライバー
    アントニオ・バンデラス
  • 主演女優賞 レニー・ゼルウィガー
    スカーレット・ヨハンソン
    シャーリーズ・セロン
  • 助演男優賞 ブラッド・ピット
    ジョー・ペシ
    アル・パチーノ
  • 助演女優賞 ローラ・ダーン
    スカーレット・ヨハンソン
    マーゴット・ロビー

今回の賞レースは、ゴールデングローブ賞で完全に潮目が変わった。それまでは「ジョジョ・ラビット」や「ジョーカー」、「アイリッシュマン」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」といった作品が注目を集めていたが、年末に公開された「1917 命をかけた伝令」がゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)と監督賞を受賞したことで、流れが変わった。先日発表された米製作者組合(PGA)賞でも「1917」は作品賞を受賞し、正真正銘の大本命となった。

ただし、同作に対するネガティブキャンペーンも急速に広がりつつある。全編ワンショットが目玉の同作であるが、RPG的だと批判する映画批評家の言葉を引用しているのだ。それまでの映画賞で圧勝しながら、本番で作品賞を逃した「ラ・ラ・ランド」の二の舞になる可能性もある。

二番手として追い上げているのが、外国語映画ながら快進撃を続けている「パラサイト 半地下の家族」だ。今年は「白すぎるオスカー」の再来と批判されているだけに、アジア映画に大賞を授与すれば、寛容さをアピールできるメリットがある。

そして、「1917」と「パラサイト」の得票数が拮抗すれば、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が漁夫の利を得る展開もありえるだろう。

俳優部門に関しては、サプライズはなく、これまでの賞レースと同じ展開になりそうだ。

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Photo:Getty Images/ロイター/アフロ