奥野瑛太主演「心平、」公開は8月17日に決定 脚本作りから参加

2024年4月17日 06:00


奥野瑛太が主演
奥野瑛太が主演

奥野瑛太の主演映画「心平、」が、8月17日から東京・新宿K’s cinemaほか全国で順次公開されることが決まった。

今作は、「ダラダラ」(2022)で長編映画の初メガホンをとった山城達郎監督にとって、劇場公開作2本目となる。2014年の福島を舞台に、立ち入りを制限された町に足を踏み入れた主人公の心平と、その家族の葛藤を描いた人間ドラマだ。

脚本作りの段階から今作に参加したという奥野が、主人公の心平に扮する。軽度の知的障害がある心平は、好きな人の喜ぶ顔が見たい。その優しさからくる行動が、少し人とはズレているという役どころ。

碁盤斬り」や「湖の女たち」などの公開を控える奥野は、「東日本大震災から13年。 撮影場所は福島県の内陸部から海岸部にまで及ぶものでした。未だに色濃く残す傷跡と、震災後に生まれたであろう景色に、その場に佇むことさえ僕には困難でした。撮影期間中、僕自身、心平の目を通してそれらを眺めることでなんとか福島に居させてくれたような気がしてます。何気なく映る2023年撮影当時の景色を、心に留めていただけたら幸いです」とコメントを寄せている。


【ストーリー】
福島のある小さな村に住む心平は、幼い頃から通っている天文台で働く妹と、兼業農家の父を手伝いながら暮らしていたが、3年前に起きた原発事故によって農業が出来なくなってしまった。以来、職を転々としてきた心平だが、今は無職。父・一平は、そんな心平に軽度の知的障害があることに向き合えないでいる。小遣いをやるだけで、息子の未来のことを諦めている一平は、不本意な自分自身のことも酒でごまかしていた。

妹・いちごは、そんな父と働かない兄のために家事をする日々に、ウンザリしている。母は、自分を産んですぐに家を出ていったきり、帰ってこなかったという。私たちは捨てられたのだと、いちごは全てを恨んでいる。そして、近所の住民から心平が避難中の家々で空き巣をしているらしい、と聞いたいちごと一平は、家を出たまま帰ってこない心平を追いかけてある場所へとたどり着く。そこで見たものは、思いがけない光景だった。


兄のことをいつも気にかけている妹のいちご役には、ドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」などで知られる芦原優愛が挑む。父の一平を下元史朗が演じるほか、川瀬陽太影山祐子河屋秀俊小林リュージュらが脇を固めている。

メガホンをとった山城監督は、「限りある人生で、大切な人と過ごす時間はあとどのくらいなのかは分かりません。だからこそ、今まで出会った人や、これから出会う人、映画に出てくる心平たちのことをできるだけ知りたいと思い、この映画をつくっていきました。そして、不器用な家族がお互いのことや、自分自身に向き合う瞬間を描く物語になったのではと思っています」と語り、手ごたえをにじませている。

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