横浜流星×藤井道人監督「ヴィレッジ」メイキング写真、一挙披露！　京都オールロケの撮影秘話も

2023年4月7日 14:00

俳優の横浜流星と藤井道人監督が再タッグを組んだ映画「ヴィレッジ」のメイキング写真が披露された。写真には、美しいロケ地の風景とともに、横浜と藤井監督が最高のチームで映画を作り上げていく様子が切り取られている。

本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を圧倒的な映像美と世界観で描くサスペンス・エンタテインメント。藤井監督と故河村光庸プロデューサーの遺志を受け継いだスタジオ・スターサンズの製作チームが結集し、同調圧力、格差社会、貧困、道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す。

横浜が演じたのは、とある日本の集落・霞門村に住み、ゴミ処理場で働く主人公の優。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年が、自分とこの世界をつなぐ唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿をリアルに体現し、“今までに観たことない横浜流星”として新境地を切り拓いた。

横浜をはじめ、黒木華、中村獅童、古田新太ら豪華俳優陣が集結した本作は、京都で1ヶ月に及ぶオールロケを敢行。幻想的な夜霧が漂う霞門村のロケ地となったのは、京都府にある「美山かやぶきの里」。美しい自然の中に数多くのかやぶき民家が現存し、季節によっては実際に薪能のイベントが開かれるなど、観光地としても人気がある集落だ。能面をかぶった村人たちが松明を持ち、列をなして歩く印象的なシーンは、美山町にかかる長除大橋が使用された。ポスターでも使用されている能舞台は、兵庫県の平之荘神社の野外能楽堂がロケ地の1つとなっている。

ロケハンにも同行するなど、並々ならぬ想いを携えて撮影に臨んだ横浜は、「藤井監督は脚本の執筆中から何度も僕に感想を求めて意見を反映してくれました。その脚本が完成したとき『（主人公の）優は藤井道人と横浜流星の分身にしたい』と言ってくれたんです」と振り返る。そして、「優の誕生日も僕自身のもの（9月16日）だし、幼少期に空手を習っていたり、好きなアーティストが『amazarashi』という設定も僕と同じ。自分の要素が濃く入っていたからこそ優として生きやすかったし、もし自分が優みたいな状況になったら、同じ行動をとるだろうなと感じられました」と役への熱い想いを明かす。

さらに、横浜は優の髪型について「藤井監督のヘアスタイルを真似てはどうか」と自ら提案。「僕も優の中に藤井監督のイメージを感じていたので、それが似合うかなと思ったんです。実際にやってみたらちょっとお洒落すぎたので（笑）、襟足を伸ばしたりして、村でくすぶっている青年らしくもさっとした雰囲気に仕上げていきました」と裏話を披露した。

一方、藤井監督も「優という人物には流星自身が俳優として感じている迷いや怖れも反映されています」と語る。「今は祭り上げるだけ祭り上げられて、何か一つ間違えると、積み上げてきたものが一発で崩れてしまう時代。僕も『新聞記者』以降、個人的には変わっていないのに、周りがどんどん変わっていく恐怖があった。僕らの抱くそうした負荷をいかに負わせるか、僕と流星がたくさん時間をかけて話し合った結果、優が生まれたと思います」と胸の内を明かした。

藤井監督は、主人公の優だけでなく、主な登場人物は一人ずつキャラクターシートを作成。映画では描かれないが、子供時代の様子や趣味、好きな音楽、家族構成や密かに抱えるコンプレックスなど、緻密にキャラクターを作り込み、俳優陣にそのシートを配布した。優の幼なじみの美咲のシートには、「辛いことがあっても笑ってその場をやり過ごそうとする一面がある」と書かれており、美咲役を演じた黒木は「美咲は東京で失敗して、傷ついて帰ってきましたが、弱さをあまり見せないんです。村に自分の居場所を見つけられずに出て行ったものの、東京でも見つけられなくて、今度は何としてでも村でそれを見つけなければならないという思いがある。その加減をどこまで出すのか、出さないのか、監督と相談しながら作っていきました」とシートを参考にしながら役作りを重ねていったことを明かしている。

「ヴィレッジ」は、4月21日から全国公開。公式YouTubeでは、「700日のヴィレッジ」と銘打ち、製作秘話に関するインタビュー映像を配信中。