注目イケメン・小関裕太が明かす“挫折”と“ワクワク” 希望に輝く素顔に迫る

2017年11月26日 13:00


過去・現在・未来を語った小関裕太
過去・現在・未来を語った小関裕太

[映画.com ニュース] 22歳の若手注目俳優・小関裕太が、中条あやみ主演映画「覆面系ノイズ」(11月25日公開)で新境地に挑んでいる。チャームポイントである人懐っこい笑顔を封印し、影を背負った役どころで作品に重みを与えた。「ちょっとまて野球部!」「曇天に笑う」(ともに2018年公開)にも出演し、ネクストブレイクというにふさわしい小関の、過去・現在・未来に迫った。

奇跡の歌声を持つ女子高生・ニノ(中条あやみ)は、離ればなれになった初恋相手・モモ(小関)に自分の歌を届けるため、幼なじみのユズ(志尊淳)とともに覆面バンド「in No hurry to shout;」として音楽活動を開始する。思いが通じニノはモモと再会するが、モモは「会いたくなかった」と冷徹に突き放す……。

瞳の奥に闇をたたえるクールな役どころだが、クランクイン前に演じていたのも「違うタイプの陰りを持つキャラ」。楳図かずお氏の長編漫画をミュージカル化した「わたしは真悟」でロビンに扮していた。そのため今作の役づくりは、作品を横断した長いスパンで準備し微調整することができたという。

自身はキュートかつ快活な性格だが、影のある人物を演じる際には、どうアプローチしているのだろうか。「僕、小中学生のころはマイナス思考だったんです。でも楽観的な友人たちの影響か、今では自分でもプラス思考すぎると思います(笑)。陰りのある役では、昔の自分の感覚を掘り起こして演じています。また、明るい役は今の自分を出して演じています」。

そんな小関にとって、これまでの歩みは「デコボコ道」であり、舞台「FROGS」での出来事が深く心に刻まれている。2003年に子役としてデビューし、08年に同舞台に子役として出演。その後ミュージカル版「テニスの王子様」などで順調にキャリアを積むと、13年、芸能生活10周年の節目を記念し、縁の深い「FROGS」で初主演の大役を担う。

当時18歳。主演舞台に臨むなかで、役者業の厳しさに直面した。「仕事と学業の両立は、自分のなかで普通になっていたんですが……。『FROGS』は演出家が岸谷五朗さん。人生、事務所、俳優の大先輩です。稽古では僕が思っていたゴールに立ったつもりでも、実は(岸谷の要求に)全然届いていなくて、さらに先のゴールを突きつけられる。そこにたどり着いたと思っても、まだ先にゴールが、というループが続き苦しくなってしまったんです」。

「役者の仕事が120パーセントの力ではなく、50パーセントほどになってしまう。学業も、50パーセントほどになってしまう。どちらも手を抜きたくないのに、気力が削がれていく感覚を味わったんです。役者でいることが苦しい。初めてそう思いました」。両立の難しさを痛感した。日常の一部であり、同時に喜びでもあった仕事に、息苦しさを覚えた。

本当に役者をやりたいのか、立ち止まって考えたとき答えは出た。「朝、高校をズル休みして(笑)、チャイティーを飲みながら自分と向き合ってみたんです。投げ出してはいけないことは、役者の仕事だという思いが残りました。そこで何かが変わった気がします。岸谷さんにもたくさん言葉をかけてもらっていて、本当の敵は自分自身だったと気がついたんです」。心に沈殿するさまざまな思いを点検し取捨選択すると、やはり役者への純粋な熱意が残った。多くの先輩たちも味わったイニシエーションを経て、小関は“本物の役者”として歩み始めることができた。

そこからは吹っ切れたように仕事へ100パーセントを注ぎ、今日まで突っ走ってきた。ドラマ、CM、舞台と活躍を続け、10代最後に主演した映画「Drawing Days」では企画にも携わった。ジャンルを問わず興味を持ち、挑戦をいとわない背景には「作り上げていく過程が好き」というクリエイター気質もあるが、最大の理由は「迷ったときは、自分がワクワクするほうを選ぶ」スタンスにある。

現在、22歳。修行し続ける日々だが、自身が30代になったときが楽しみだと、期待に胸を膨らませる。「30歳を迎えたとき、周りの人たちも自分も、個性がどんどん磨かれていると思う。爽やか系の俳優さんが、全然違う雰囲気になっていたり。違う色を持っている俳優さんたちが集まって作品をつくると、すごいものができる。ワクワクしています。だからそのために、今は目一杯、修行しなくちゃ」。希望に輝くその表情は、まぶしすぎて直視できないほどだった。

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