原田眞人監督「KAMIKAZE TAXI」リメイクに意欲!「今の世相にあわせて作りたい」

2015年10月24日 21:25


ティーチインは大盛り上がり
ティーチインは大盛り上がり

[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭のJAPAN NOW部門特集企画「原田眞人の世界」で10月24日、1995年に公開された「KAMIKAZE TAXI」が上映され、原田監督と同作に出演した高橋和也が東京・新宿ピカデリーでのティーチインに出席した。

役所広司と高橋がダブル主演し、組に反旗を翻した若いチンピラと、逃亡をともにするペルー育ちの日系人の交流を描く。この日は、約21年前の渋谷パンテオンでのワールドプレミア上映時に駆けつけていたというファンから、「続編の構想は?」と質問が飛んだ。原田監督は「役所さんにとって寒竹という役は聖域なのでなかなか乗ってくれず、僕自身も続編をやるのだったら南米・ペルーロケをしなくてはと思っていた。それならばと、換骨奪胎して『RETURN(ハードバージョン)』(2013)を作った」と説明し、「今日、改めて鑑賞した感想で言えば、(続編よりも)自分でリメイクしたほうがいい。今の旬の役者さんを使って、今の世相にあわせた『KAMIKAZE TAXI』を作りたいという気になりました」と“セルフリメイク”に意欲を見せた。

ロックバンド「男闘呼組」(93年に解散)で人気を博した当時25歳の高橋だが、今作では濡れ場に挑んでいる。出演オファーが届いたのはクランクイン1週間前だったそうで、原田監督は「急にセリフを覚えてもらって、即リハーサルでした」と苦笑い。一方の高橋は「昼間に舞台をやって、夜ロケに駆けつけていました。本当にわからない状態から始まって、段々撮影を重ねていくことで役をつかんでいきました」と語り、「脚本を読んだ時に素晴らしいと思ったので、舞台で体がきつくても、裸でも、何がなんでも出演したかったんです」と感慨深げに振り返った。

また壇上には、亜仁丸役のミッキー・カーチス、タマ役の片岡礼子らが特別ゲストとして登場した。カーチスが「当初、亜仁丸はほかの人がやる予定だった」と語ると、原田監督は「安岡力也がやる予定だったんですよ」とニヤリ。安岡は出演舞台の都合で降板したため、カーチス自身の熱望により亜仁丸を演じることになったが、「大変だったよ、(劇中で演奏する)サックスを一晩で覚えたんだよ」と告白。これを受けた原田監督から「最初、サックスできるって話じゃなかったですか?」と指摘されると、「できるって言わないと使ってくれなかっただろ。嘘ついたんだよ」と茶目っ気たっぷりに弁明していた。

第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。

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