「カイエ・デュ・シネマ」第1位の話題作「プティ・カンカン」ブリュノ・デュモン監督が来日

2015年2月9日 14:40


来日したブリュノ・デュモン監督(右)
来日したブリュノ・デュモン監督(右)

[映画.com ニュース] 仏の映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」が選ぶ2014年の映画ベスト10で、第1位に選出された「プティ・カンカン」のブリュノ・デュモン監督が、アンスティチュ・フランセ東京で開催中の「第18回カイエ・デュ・シネマ週間」参加のため来日。2月7日、同誌編集委員のジャン=セバスチャン・ショーバン氏とティーチインを行った。

仏テレビ局アルテのテレビシリーズとして製作された「プティ・カンカン」は、謎の連続殺人が起こった北フランスの田舎町を舞台に、警察コンビ、少年プティ・カンカンとその仲間たちが事件を追う模様を描いた犯罪コメディ。ブリュノ監督は撮影場所でオーディションを行い、そこに住む演技経験のない一般人を俳優として起用した。第67回カンヌ映画祭で200分のシネマスコープ映画版として上映され、高い評価を得た。

映画とテレビ作品との製作方法の違いを問われたデュモン監督は「スクリーンが小さいことで、主題に対するアプローチの仕方が変わった。制約もあり、引きのカットはあまり撮らなかった」といい、ストーリーについては「映画は形而上を語りますが、この作品では単純なストーリーを語ろうと思った」と説明。キャスティングには1年をかけ、オーディションで元庭師の男性をメインキャストの憲兵役に起用した。プロの俳優とはひと味違うコミカルな佇まいが観客の笑いを誘うが「木々を撮るのと同じように、生きている人間の存在をそのまま撮影したのです」と語る。

ユマニテ」「フランドル」など過去作では悲劇的なテーマを扱ってきたが、今作が初の本格的なコメディ作品となった。「「プティ・カンカン」の撮影後に、真理は悲喜劇の中にあることがわかった。人生は悲しいことと同時におかしいもの。それは人間の持つ二面性と一致すると思ったのです」と述懐した。

「第18回カイエ・デュ・シネマ週間」では、デュモン監督の代表作と、クラシック部門として、デュモン監督が敬愛するジャン・エプシュテイン監督、フランスの独立系映画配給組合l’ACIDが擁護する若手監督作品を特集する。3月15日まで。上映作品詳細は公式HP(http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1502010315/)に掲載。

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