始まりがあるものには、すべて終わりがある : FROM HOLLYWOOD CAFE

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コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第47回

2003年11月1日更新 小西未来
「マトリックス・レボリューションズ」 「マトリックス・レボリューションズ」
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これほど「マトリックス」を好きになっているだなんて、自分でも驚いた。振り返ってみれば、「リローデッド」を観て以来、「マトリックス」のことを考えなかった日なんて、ほとんどないぐらいである。なにかと批判を浴びた「リローデッド」が未完成な映画であることは認めるけれど、そこで提示された謎は、耐え難いほど魅力的だった。まるでプラグにつながれたように、ぼくは「マトリックス」の虜になってしまったのだ。

「レボリューションズ」の先行試写に参加させてもらえると聞いたときの感激は、言葉では言い尽くせないほどだ。仕事柄、全米公開前に映画を観るチャンスは少なくないのだけれど――たとえば「キル・ビル」は8月に観ている――、喉から手が出るほどの期待作はこれが初めてだった。ぼくは震える手でリモコンを握り、「リローデッド」のDVDを復習した。

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10月18日、ついにその日がやってきた。ロサンゼルスで行われる試写の場合、一般の映画館を貸し切りにして上映する場合が多いのだけれど、「レボリューションズ」の上映会場は、バーバンクにあるワーナースタジオ内の試写室だった。映画の内容を外部に漏らさないための措置なのだろう。スタジオ入口の厳重なセキュリティチェックを通過すると、映画館前には、金属探知器がセットされていた。盗撮機材などを持ち込ませないための措置なのだろうが、まさか空港以外でこんな体験をすると思わなかった。まあ、「レボリューションズ」への社会現象的な期待を考慮すれば、当たり前のことなのかもしれないけれど。

劇場の明かりが消えると、スクリーンには「画面を撮影している人を見かけたら、係に通報を」という注意文が投影された。そして、ワーナー映画のロゴが登場し、いよいよ「レボリューションズ」が開始した!

――残念ながら、ぼくが書けるのはここまで。なぜなら、試写を観る前に「11月3日まで、映画評を書きません」という誓約書に署名させられていたからである。映画会社は、内容を秘密にしたままで、11月5日の世界同時公開を迎える方針なのだ。

訴えられるのもイヤだから、内容も感想も書かない(というか、書けない)。でも、はっきりと言えるのは、ぼくの「マトリックス」熱が、この日をもって冷めたということだ。始まりがあるものには、すべて終わりがあるものなんですね。

http://www.thematrix.com/japan/ 「マトリックス・レボリューションズ」オフィシャルサイト

(C)2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (C)2003 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.

[筆者紹介]

小西未来

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者協会(HFPA)に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開を控える。

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