スコセッシ監督、マーベル批判で「アイリッシュマン」アカデミー賞受賞が絶望的に?
2019年11月20日 11:00

[映画.com ニュース]マーティン・スコセッシ監督がマーベル映画を執拗に口撃したため、最新作「アイリッシュマン」のアカデミー賞受賞が絶望的になりつつあると、米バラエティが報じている。
スコセッシ監督と言えば、盟友ロバート・デ・ニーロ主演の最新作「アイリッシュマン」を完成させたばかり。映画宣伝のために積極的に取材を受けているものの、英エンパイア誌の取材でマーベル映画を批判して以来、どの取材の席でも同様の批判を繰り返している。スコセッシ監督によれば、マーベル映画は「テーマパークのようなもので、映画とは呼べない」代物であり、ほかの良質な映画を映画館から追い出してしまっていると嘆いている。先日も、米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した手記で自らの立場を説明している。
主張の妥当性はともかくとして、スコセッシ監督の一連の言動のせいで「アイリッシュマン」のアカデミー賞受賞の可能性が限りなく低くなっていると、アカデミー賞対策のコンサルタントたちは分析している。マーベル・スタジオがこれまでに公開した23作品は、北米総興収で約220億ドル(2兆3893億円)を売り上げ、アカデミー会員のなかでも恩恵を受けているものは少なくない。しかも、かつてはSFやファンタジー、アクションといったいわゆるジャンル映画はアカデミー賞で無視されてきたが、「ブラックパンサー」は2018年度のアカデミー賞において作品賞を含む7部門にノミネートを果たした。これは、白人男性の会員ばかりと批判される映画芸術科学アカデミーが、人種と性別の多様性を拡大するために急速に会員数を増やしたためとみられており、新たな会員にはマーベル映画の支持者が多いのだ。
同時に問題なのは、「アイリッシュマン」がNetflixのオリジナル映画である点だ。劇場では数週間しか上映されず、すぐに全世界でストリーミング視聴が可能になる。Netflixのほかの作品と同様、「アイリッシュマン」はシアトリカル・ウィンドウ(映画作品を二次使用する際は劇場公開開始から90日間を空けなければいけないというルール)を無視しているため、従来の映画興行の維持を求める層の反感を買っている。興行のルールを無視しているスコセッシ監督が、観客動員で映画館に貢献しているマーベル映画を批判するなど言語道断であるというのだ。
ただし、スコセッシ監督や友人のフランシス・フォード・コッポラ監督のヒット映画批判は、いまに始まったことではないので、アカデミー賞に大きなダメージは与えていないのではないかと主張するコンサルタントもおり、今後のアカデミー賞レースの行方から目が離せない状況だ。
「アイリッシュマン」は、Netflixで11月27日に世界配信される。
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