「グランド・イリュージョン」最新作監督、苦悩の時期を救ったのは恩師スピルバーグの“ある言葉”
2016年8月12日 09:00
[映画.com ニュース] ジェシー・アイゼンバーグが主演したヒットシリーズの第2作「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」のメガホンをとったジョン・M・チュウ監督が、これまでのキャリアについて語った。
華麗なイリュージョンで汚れた金を奪い、世の中に還元するイリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」の活躍を描いた「グランド・イリュージョン」(2013)の続編。新たなターゲットとしてハイテク企業の不正を暴こうとしたフォー・ホースメンだったが、天才エンジニアのウォルター・メイブリー(ダニエル・ラドクリフ)にイリュージョンを見破られ、反対に追い詰められていく。
「G.I.ジョー バック2リベンジ」(13)で知られるチュウ監督は、元々大学の卒業制作として作った短編映画がスティーブン・スピルバーグ監督の目に止まったことから、映画監督としての一歩を踏み出したという。「(短編映画を見た)スピルバーグ監督が僕に電話をくれたんだ。ミュージカルについての話を何時間もして、その数日後に持って行った企画が通ったことで僕のキャリアは始まった」。
まさにシンデレラストーリーといえるが、ミュージカル映画の企画の実現には何年もの歳月を要し、順風満帆とはいえない日々で精神的に追い詰められていった。そんな折、スピルバーグ監督に投げかけた「自分が映画監督として認められたとわかるのはいつなのか?」という問いへの答えが、自分を取り戻すきっかけになった。「彼の答えは、『そんな肩書きをくれる人はどこにもいない。自分の職業は、毎日、自分が何をして過ごすかで決まるんだ』というものだった。それまでは周りに認められるために何が必要かとばかり考えていたが、『僕は監督として何を撮りたいのか?』ということを純粋に追いかけることができるようになったんだ。他人の評価を気にするんじゃなくてね」と“人生の教え”ともいえる巨匠からのアドバイスを明かした。
その後、「G.I.ジョー バック2リベンジ」のヒットを経て本作の監督に抜てきされたチュウ監督は、オールスターキャストをまとめ上げ、前作を超えるスケールを創出した。チュウ監督は「実際に“タネ明かし”ができるよう、本物のトリックを使うことにはこだわった。まんまとダマされたトリックについて、(観客が)一緒に鑑賞した人と語りあえることが、作品のだいご味だと思っているよ」と締めくくった。
「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」は、ウッディ・ハレルソン、デイブ・フランコ、リジー・キャプラン、マーク・ラファロ、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンら豪華キャストが出演する。9月1日から全国公開。