オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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科学者の苦悩を描く映画
原爆の成果を肯定的に描いているわけではない。数奇な巡り合わせで原爆を開発することになった科学者の苦悩を主観的に描こうと試みた作品だ。その意味で原爆についての映画かというと、微妙に違う。あくまで原爆を作った男についての映画だ。鑑賞する時にはそこを間違えない方がいい。
とはいえ、被爆国の日本でこの映画を見るというのは、どういうことかを考えざるをえない。被害が直接描かれないという批判は正当にあり得る。加害者の苦悩と被害者の被害とどちらが大切なのかということは問えるだろう。
ただ、映画を観るというのは、他者を知る良い機会にできる。アメリカで原爆開発をめぐってどんな議論があり、どんなプロセスを経て開発され、開発者は何を葛藤し、戦後どのような目にあったのかを知る機会は手放すべきではない。
ただ、個人的には原爆の被害がどのようなものかより突っ込んだ描写をした方が、オッペンハイマーの苦悩をより深く理解できる作品になったのではないかという気がする。スライドで被害報告を聞くオッペンハイマーの描写があったが、そこでスライドの内容を見せない選択でよかったのかどうか。
日本人なら、あのスライドの内容を想像可能だ。他の国の人々はどうなんだろうか。
原爆の表現よりも予備知識の有無で評価が分かれそうな「原子爆弾の父」に関する必見映画!
本作は「インターステラー」「インセプション」「TENET テネット」などの挑戦的な名作を生んだクリストファー・ノーラン監督作品です。
ただ、正直なところ見終わった際に「クリストファー・ノーランらしさ」は薄いと感じました。
一方で、クリストファー・ノーラン監督は、第二次世界大戦初期イギリス、ベルギー、カナダ、フランスの連合軍将兵が、フランスのダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され撤退を余儀なくされる「ダンケルク」のような戦争史実を映像化する作品も作っています。
その意味では、本作は「ダンケルク」寄りの作風と言えますが、「原子爆弾」という未だに賛否の分かれる物を最初に作った中心人物オッペンハイマーを描き出すには3時間という尺をもってしても映像化の難しさを感じました。
1人の科学者の生涯を描き出すのさえ難しいのに、原爆を生み出したことへの苦悩や、原爆では飽き足らず、より破壊力が得られる「水爆」の開発を進めるアメリカ。それに反対するオッペンハイマー、など内容は盛りだくさんで登場人物も多くなっています。
本作は、ピュリッツァー賞受賞の書「オッペンハイマー」をベースに作られていますが、映画の物語の中核は、原爆投下で終わらせた第二次世界大戦の後からです。
ソ連との冷戦の時代へと突入し、水爆の開発に突き進んでいるアメリカにおいてオッペンハイマーが「共産主義国のスパイ」という疑いを持たれて聴聞会で責められているシーンから始まります。
この構図を利用したのがロバート・ダウニー・Jr.が演じる政治家ルイス・ストローズ。
彼は戦後にオッペンハイマーを、アインシュタインなどがいる「プリンストン高等研究所」の所長に抜擢しています。
そして、ルイス・ストローズに関する公聴会も、映画では並行して映し出されます。
これは、見ていると時間軸などが分かりにくいため、ルイス・ストローズの目線で描かれるシーンは「白黒」で表現するなど、「クリストファー・ノーランらしさ」も垣間見られます。
この効果もあり、助演のロバート・ダウニー・Jr.の存在感を際立たせる事に成功し、アカデミー賞で助演男優賞受賞にまで輝く結果になっています。
もちろんメインはオッペンハイマーで、聴聞会での自身の説明で、映像は大学生の時にイギリスのケンブリッジ大学に留学したシーンになります。
このような感じで過去が語られ、同時に公聴会も進んでいく構造になっています。
これらの現実の事象はかなり入り組んでいるので、それを3時間の映画で描き出すのは困難ですが、割と「シンプルで分かりやすく構成されている」と思います。
ただ、その結果、展開が早くならざるを得ず、いろんなディテールがバッサリと切られている面はあります。
象徴的なところは全般的に、通常の映画であれば、もう少し丁寧に説明があるシーンでも、本作ではバッサリと切ってあったりしていて、「こんなの文脈で明らかだよね?」「自分で考えてね」といった感じの、良くも悪くも「クリストファー・ノーランらしさ」があります(これの究極形が前作「TENET テネット」でしょう)。
また、唯一、原爆を投下された日本としては、日本の描写がない事が気になる人もいるでしょう。
これについては、「オッペンハイマーに降りかかる悪夢のような映像」として間接的に描かれていますし、尺を考えると仕方ない面もあるのかもしれません。
個人的には、せっかくの題材の作品なので、むしろアメリカ軍が原爆投下の予行演習として行なった、日本全土を巨大な実験場とした「パンプキン爆弾」の投下を描いてほしかったです。
1945年7月16日に、オッペンハイマーらが人類史上初の核実験「トリニティ」を成功させる描写はありますが、その直後の7月20日から始まった(長崎に投下された「ファットマン」と同じ重量・寸法で作られた)リハーサル用の模擬爆弾「パンプキン爆弾」を東京、福島、新潟、愛知などで合計49発の投下を行なっていたのです。
結果として1700人規模の死傷者を出していて、この史実も無視はできないものですが、これも尺を考えれば無理難題なのかもしれません。
しかも、もしこの「パンプキン爆弾」の投下を描くと、「マンハッタン計画」の責任者であるマット・デイモンが演じるレズリー・グローヴス中将が「原爆を落とすのは2回だけだ」と言い切っている描写に矛盾が生じます。(現実にはグローヴス中将は「8月17日か18日以降の、最初の晴れた日に、日本に原爆を投下できるように準備が整うはず」と、3発目の原爆が用意されているという書簡をアメリカ軍のトップに送っています)
本作は、基本的に過去をそのまま伝える映画。いわゆる「ネタバレ」が存在しない作品であり、知っておくべき史実を多数みつけることもできます。
例えば、そもそも「原爆は、ヒトラーが先導してドイツで作り上げられそうだったこと」。
そして、「アメリカの原爆はドイツを攻撃するために作られていたこと」などです。
さらには、日本は原爆の影響が強烈なため、原爆で話が止まっている人も少なくない気がしますが、アメリカやソ連は、原爆より破壊力が得られる「水爆」の開発を進めていた現実があるのです。
本作は、一見するとクリストファー・ノーラン監督以外でも作れそうですが、このネタを3時間で俯瞰して見せることを可能にしたのは、やはり「クリストファー・ノーランらしさ」があったからだと言えそうです。
そう考えると、第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の主要7部門での受賞を制したのも納得ですし、「ゼロベースで原爆を考えてみる良い機会を提供してくれている良質な作品」だと思います。
人類に委ねられ、思考を促す一作
原子爆弾を作り出した天才科学者の人物研究とも言うべき本作は、二つの時間軸を行き来しながら主人公の人となりを描き出す。カラー部分はいわば自分がどこへ向かうのか正確には予測し得ないまま突き進んでいく若き日の世界。対するモノクロ部分は決定的な出来事が起こった後、自らが何をもたらしたのかを知っている世界。同一人物の似て非なる二つの側面によって物語を組み立てたノーランの試みが実に興味深い。科学、政治、軍が歯車のように動き出し、止められなくなる構造が現代世界をも貫く刃のように胸をえぐる。そして一人称ならではの語り口で主観や内面を描きつつも、投下直後の研究所の様子に象徴される「実際に起こった場所から程遠い距離感」が刺のように刺さって抜けない。観賞後にのしかかるのは重く、答えのない複雑な思い。人類の限界や無力を感じたならきっとそれが始まりだ。これはあらゆる意味で観客に命題を突きつけ、思考を促す作品である。
映画作家ノーランのネクストレベル。
ちょっと偉そうな物言いになってしまうのだが、ノーラン、脚本の腕が上がったんじゃないか。いままではノーラン特有の理屈っぽさと、それを凌駕するロマンチスト気質がうまくブレンドされておらず、どこかチグハグな印象を受けることが多かった。しかしこの映画、相変わらず時系列は入り組んでいるものの、ひとつひとつのシーンに多層的なニュアンスがあって、次のシーンに繋がっていく推進力がある。3時間、初見ですべてを理解できなくとも、観客を否応なしに引き込む巧みさが備わっているのだ。
そして、原爆被害を直接見せなかったことに対してモヤモヤする気持ちはあるのだが、オッペンハイマーが原爆の衝撃を感覚的に理解してしまうシーン(ロスアラモスで科学者仲間を前にスピーチする場面)を、映像はもちろんだが音響の力を駆使して表現していて圧巻だった。確かにあの演出を成功させたら、それ以上の描写は説明のための説明になってしまうような気がする。IMAX云々よりも、音を浴びせられるような設備がある劇場で観るのが一番なんじゃないだろうか。
主観映像炸裂のノーラン映画に応える術は?
原子爆弾の開発に成功した理論物理学者、オッペンハイマーが、アメリカの国家戦略に巻き込まれていくプロセスを、クリストファー・ノーランは3つの時間軸を行き来しながら描いていく。時間軸への執着はこれまでも『メメント』『ダンケルク』『テネット』等でも見られた手法だが、今回は3時間の物語の中で主に16人、脇を入れると50人以上の実在の人物が入れ替わり立ち替わり現れて言葉を発するため、観客の動体視力が追いつかない。人にもよるだろうが、それでも集中力はギリギリ維持できる。
理由は、ノーランが徹底してオッペンハイマーの主観に観客も巻き込んで、彼を取り巻くカオスを彼の視点で体験できるように工夫しているから、だと思う。客観ではなく、主観。それは、オッペンハイマーをしばしば悩ませる何かがチラチラと発火し、爆発するような幻覚や、原爆投下後の惨劇のイメージに代表される。演じるキリアン・マーフィーのあまり他者に興味がなさそうな表情や、その割りにはいつも見開かれた青くて大きな瞳が、殺人兵器の製造に関わってしまった人間の虚しさと迷いをうまく表現している。それだけに、見ていて複雑な気持ちにもなるのだ。
オスカー受賞後にノーランと会談した山崎貴監督が言っていたように、このモヤモヤを解消する方法は、山崎監督でなくても、誰か日本人の監督が、日本人の視点で、改めて原爆を描くこと、それ以外にない気がする。
IMAXで体感することを推奨したいノーラン渾身の勝負作
まずは日本配給を買って出た中堅の配給会社ビターズ・エンドに感謝を表したい。原爆開発者の伝記映画でありながら広島・長崎の描写がないことや、映画「バービー」との抱き合わせキャンペーン“バーベンハイマー”をめぐるSNS上での騒動などがあり、日本の大手配給が米公開から4カ月以上沈黙するなか、米アカデミー賞ノミネート発表1カ月前の昨年12月にビターズ・エンドが配給を決めたのはまさに英断だった。広島・長崎の描写の不在については、オッペンハイマーの視点で描く物語だから当人が見ていない原爆投下を描かないというのも一理あるが、1億ドルもの巨費を投じて米国の製作会社が作る大作ゆえ米国市場での評価と興行的成功が重要視された(そのためネガティブな反応を引き起こしかねない原爆による凄惨な殺戮の描写はぼかされた)点も見過ごされるべきではないだろう。米国側の視点・史観に立った映画を日本人が観てさまざまな意見を持つのもまた当然で、健全な議論のきっかけになればいい。作品を見ずして賛否を論じるのは不毛でしかないが、日本公開されるおかげでそれは避けられた。
クリストファー・ノーランは映画館でなければ得られない鑑賞体験を提供することに人一倍こだわってきた監督で、そのための有力ツールであるIMAXの画角を効果的に使った映像も見所のひとつ。過去作の「ダンケルク」では縦方向の動きを見せるショット(戦闘機同士の空中戦や、船から海に飛び降りる兵士たちなど)で活用されていたが、本作でのIMAX映像はまた一味違う。オッペンハイマーに扮するキリアン・マーフィ(頬がこけるほど激ヤセして熱演)の顔を画面いっぱいに映し瞳や表情筋の微細な動きを透過して心理状態にまで肉薄するかのようなショットや、オッペンハイマーが物理学的真理を追求する思索のイメージ、原子爆弾が世界に連鎖的な破壊をもたらす悪夢のような空想を、観客はIMAXのスクリーンからまさに全身に浴びるように受け止めることになる。
オッペンハイマーによる視点がカラー映像、ロバート・ダウニー・Jr.が演じるルイス・ストローズなどオッペンハイマー以外の視点がモノクロ映像と使い分けられている点は、本作を直感的に理解しにくくしている要因の一つだ。これもまた、一度観て理解できるような単純な映画でなく、繰り返し鑑賞することで理解度が高まる奥深い作品を追求するノーラン監督の挑戦の途上なのだと感じる。
アカデミー賞7部門受賞に関して、視覚効果を巧みに使ったSF大作でヒットを連発した監督がのち史実や歴史的事件を題材にしたドラマ作品で作品賞などの受賞を果たすという流れでは、リドリー・スコット監督の「グラディエーター」、ジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」の先例にならうものであり、ノーラン監督もオッペンハイマーを題材に選んだ時点で当然意識し、オスカーを獲る勝負作として臨んだはず。そしてこのコースに沿う次なる最有力候補は現在「デューン 砂の惑星 PART2」が日本公開中のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だろう。ヴィルヌーヴ監督の待機作については、「デューンPART2」にも出演しているゼンデイヤが主演で「クレオパトラ」が今年製作開始との報道も。必勝コースに乗って「クレオパトラ」で初受賞となるか、あるいはそれ以前にSF大作で獲得するのかも楽しみだ。
ノーラン監督と対談した山崎貴監督が、「日本が(「オッペンハイマー」への)返答の映画を作らねばならない」と宣言したという記事も興味深く読んだ。「ゴジラ-1.0」がアカデミー賞視覚効果賞を受賞したことで、山崎監督には国外の著名監督から視覚効果監督のオファーや、ハリウッド作品の監督としての依頼がきっと来るだろう。国際的な実績を積み、いつか日本側の視点で原爆を題材にした大作を世界に発信してくれたらと期待する。
Chilling You Can't Call It Sci-Fi
Nolan eerily evokes The Prestige's "Are you watching closely?" in a similarly themed story about a scientist trounced by his creation. As for historical accuracy, the film doesn't contradict anything in the Hiroshima Peace Museum and dispels common US myths such as that the Japanese were warned prior. The sound is the film's strongest game. The cosmos began with a bang and will end with one too.
社会的制裁と向き合う科学者の苦悩
彼自身の科学者としての探究心、そして何よりオッペンハイマーとも交流を持っていた優秀な科学者を多く抱えるナチスドイツよりも早く核実験を成功させなければならないというプレッシャーがオッペンハイマーを嫌でも駆り立てる。
けれど、結果的にはナチスドイツは降伏し、後は破滅的な状況ながら降伏する気配のない日本のみ。
米国兵を守るため、という大義名分の基に一度猛烈な勢いで走り出し始めてしまった核開発という名の列車は止めることはできない。
そして、否応なく巻き込まれる利権争い。
前半部分が締めへの伏線になっており、気を抜いて観てはいけないので注意。
今作に於いてポップコーンを食べながら鑑賞する人にイラつく
人もいるかもしれない。が映画館を支えるためと思えばよいのである。
原爆作りの成り行きや葛藤と主人公に対する陰謀を交差させた作品。
場面が立ちかわり入れ替わるので内容理解の難易度は高い。
鑑賞後にネタバレサイトなどを見ることを推奨する。評価は上がるだろう。
良い点
・日本人の視点も加味でき得るテーマ
悪い点
・複雑な演出が良いのか疑問
・登場人物がやや多い
恐ろしい物を作って色んな意味で後悔した人の話
オッペンハイマー博士は理論の人で実践は苦手な人です。
ですが天才なので一般人には理解出来ないことを理解出来る特殊能力を持ち、人を説得、やり込める能力も持ち合わせています。天才は常識や倫理観など持ち合わせていません(笑)
そんな彼は数式を見るだけで何が起こるのかが解ります。音楽家が楽譜を読まないで聴いただけで演奏を再演出来るように。
彼には原子爆弾、アトミックボムがどういう結末を招くかをマンハッタン計画が始まった時点で理解していたのです。
本来研究が先行していたと見られていたナチスドイツが降伏した時点で造らなくて良かったと彼も了解していたが、ソ連がそのうち作ってしまうのなら先に造ってしまえと流されてしまいます。
アインシュタインに数式を持って相談に行く場面が最初にあります。
この場面がハイライトだったと思います。
この作品はオッペンハイマーの核開発を描いていると同時に彼と彼を取り巻く人々のサスペンス劇とも言えます。
オッペンハイマー博士は自分の立ち位置を理解した人ではない為率直な意見を言いがちのようであらぬ敵を作ってしまいます。原爆開発はやり遂げますが、水爆は拒みます。これが原因で敵を作ってしまいます。彼は天才で常識人ではありませんが悪魔にはなれなかったし、なりたくなかったんですね。
倫理観は持ち合わせてませんでしたが理性はあったのです。
出演者は豪華、何処で見た人、映画に詳しくない人でも分かる俳優が出演しています。必見の価値ある作品です。
公開後に被爆国である日本、広島、長崎に配慮が無いと意見がありましたが、そんなことはないと思います。
劇中に広島長崎の名は頻繁に台詞に出てきますから。
あと原子爆弾の爆破テストをCGでやらなかったのが失敗とする意見も散見されますが、この作品の主題は核爆弾の開発、プロジェクトX的なものより群像劇、サスペンス劇によせた物ですからそこは重要ではないと思います。
劇中のオッペンハイマーも爆発威力よりもキチンと爆発するかを心配していました。威力は彼に初めから分かっていたのですし。
オッペンハイマーがアインシュタインに数式を見せた時にアインシュタインが言ったようにドイツの科学者と共有して、核開発をお互いに行わなければ原爆、水爆は無かったかと言えばそうではないと思います。
愚かな人類は誰かが同じ物を作ったでしょうね。
それがオッペンハイマー博士だったというだけでしょうね。
あとR15指定なのは観れば分かります(笑)
ごめん、全然わからん!!!
オッピーの心情と女性たちの気持ちは理解できましたが、それ以外の人間模様が全然わからない!!!登場人物が多すぎる!!!!
いちおう予習してから見に行ったのであらすじはなんとなく着いていけたけど、なんの準備もしないで見に行った人は本当に「なんのこっちゃ」だったと思う。
ラストシーンとか、あとから調べたらすごくいいシーンだったっぽい。調べないと理解もできず、映画を思う存分楽しめたとは言えなかった。
ただ、三時間という長尺、飽きずに見られたのはすごかった!終始オッピーの気持ちを考えてしまい、寝る暇はなかった。
現代は水爆からAIへ。人間ってどうなってしまうんだろう。
周囲の国を恐れて破滅へ向かって開発を進め、天才たちは欲求にかられて止まることも出来ず…。人って本当に愚か。
自分は中途半端な天才じゃなくてよかった。大量虐殺なんてしたくないもん。
「原爆の被害云々」という批判は的外れ
科学者オッペンハイマーの異能ぶりに焦点を当てた作品。非常に見応えがあった。「原爆の父」と呼ばれるオッペンハイマーが題材の作品なので、特に日本においては「原爆被害者の視点が欠けている」「原爆の悲惨さが描かれていない」等という批判があるが、それはまったくの的外れ。この作品は原爆がテーマのドキュメンタリーではないし、そもそも原爆の賛否がテーマでもない。あくまでもオッペンハイマーという一人の天才科学者の原爆開発に焦点を当てたエンタメ作品である。
カ◯ティス◯ルメイに勲章を送っている。
「策士でなければ、この国(ワシントン?)では生き残れない」と言う台詞。
ここまで、臭い台詞を言わせて、水爆の製造に反対する議員がJFKとは、僕はこの映画にこそ!策士と言いたい。更に、
元副大統領が「日本人はそれを作った者よりも、それを使った者を恨むだろ」なんて、稚拙過ぎる台詞♥
この計画がなぜ極秘だったか?
つまり、仮想敵国はこの段階では日本。日本に知れては困るのだ。では、なぜ知られては困るか?
投下する前に「降伏」されては最終的成果が得られないからなのだ。
「ドイツ」「ソ連」には使うつもりなど最初からない。日本へ落すのは最初から決まっていた。この映画から、それがよく分かる。アイゼンハワーの名を出すが、ドイツ系アメリカ人なのは誰でも知っている。また、フォードもドイツ系(?)で、親ナチス。若しくは、反ユダヤ主義(?)だ
民主党主導のアメリカ合衆国が、「自由と民主主義を守る為の行為」として「正当化して来た経緯」がよく分かる。ルーズベルトは何も知らなくて、後を継いだ間抜けな大統領が平然と愚行を冒した。
さて、東京大空襲(原爆以上の10万人を一夜)の爆撃の計画を練ったカーティス◯ルメ◯に勲章を送っている。
あの間抜けな大統領よりも我々はもっと空気が読めていないのかもしれない。
ネタバレあり
最後の場面を見て、
追記
原子爆弾、水素爆弾の問題では無い。それを利用したエネルギー政策に一石を投じている様に僕は感じた。
この当時のアメリカ合衆国を描いている様だが、黒人が1人だけ手てくる。史実かどうか理解し難いが、なんかわざとらしい。
追記
オッペンハイマーさんの山高帽。
どっかの国の誰かに似ているのが、何か狙いがあるのかなぁ?まさかね。
使い捨ての英雄になるまで
恐怖をみせつけ相手を降伏させ平和を守るという大義のもと、政府の計画の主役になった天才の頭脳。
そして日本への原爆投下を遂げアメリカの英雄となるオッペンハイマーはその一方で成功の罪に苛まれていく。
幻想シーンは自分自身を追い詰める様子が見事に表現されており彼の苦悩の程がよくわかり苦しい。
いや、罪なき命を一瞬にして奪う兵器の開発をすすめてしまった報いならばそれは甘いくらいなのかも知れない。
なぜなら現地には比べようもないくらいの地獄が広がっていたのだから。
しかし、彼がどんなに悔もうがその危険を止めるボタンはすでに手元にはない。
これが一番の恐怖なのは、世界の現在、未来に続く〝脅威〟だからだ。
英雄を賞賛する関係者や民衆が喜ぶシーンのおぞましさを味わうのはそのことを知っている私達ならではだろう。
鑑賞後、レビューを書くにも気持ちが前を向かずにいるなか、オッピー、オッピーと歓喜と感動に浸る人々の笑顔が瞼の奥にこびりつく。ダンダンダンと賞賛をあらわす重い音が耳のなかでリフレインする。自己中心性と想像の欠落した熱いコールのうねりが人間によって迎えるこの星の終焉の可能性を告げていることに震えるのだ。
そして物語が進む中、そこに至るものがみえてくるとさらに唖然とする。
より強く、より速く相手を凌ぐために〝陰にとどまる権力〟の陰謀に包囲された使い捨ての英雄オッペンハイマー。
本質を見抜く目が茫然と自分から去ったあの時、水面に歪む自分と背後の世界にとりかえしのつかない未来が渦巻いたのを彼はみたのだろう。
答えを出された蒼白の顔を思い出しては考える。
人種や思想の差別、国同士の権力争い、とまらない確執…次の開発に反対した彼の人間性をそこに垣間見れたものの時既におそし。
悪意を帯びて転がっていく悲劇の過去から人はなにを学んだのか。果たしてここからの希望をどうつなげていけばいいのだろうか。でも諦めたら最後だ。もはや瓶のなかの蠍が2匹だけではないことをわかっていても。
修正済み
とにかく音が凄い 大気が破壊されるかもしれないと分かった瞬間がわか...
とにかく音が凄い
大気が破壊されるかもしれないと分かった瞬間がわからなかった
オッペンハイマーがほぼ0だといい、0がいいって言ってるマットデイモンがよかった
最後のピースを埋まり方で感極まった
アインシュタインは科学者が越えてはいけないラインを知っていたかのように見える
そして敬意
凄まじい
時系列が半分?くらいわからなかった
ただ何が起きているかは大体わかる
情報を整理してからもう一回、もう一回見たい
日本人である以上、「作品」と「原爆」を切り分けるのは難しい。
さすがのクリストファー・ノーランで重厚で壮大な映画だった。
ただ、日本人として、とても苦しい気持ちになったし、
ロバート・ダウニー・Jrを見ながら、アジア人差別しやがってって気持ちにもなった。
アメリカ本位
成功した実験でやめておけば良かった。
日本人なら皆そう考えるだろう。
科学者初め携わった人々皆の
成功感達成感満足感を満たす必要はあったか。
元々政治が絡む。
実験製作に着手したのも国家や軍からの要請である。
戦時下でありこの世界大戦は、
ヒトラーを皆の敵としてナチスよりも先に、と
つくり始めた、らしいが。
ドイツ近隣でなくともユダヤ人として人ごと
でなく捉えていた人々も多かっただろう。
と言っていたにもかかわらず、
ヒトラー亡き後、
中断されるどころか、
標的が日本に移ってしまった。
やはりどこかに落とさないと気がすまない、のだ。
そして、白人には落としたくないのだ。
実験だけでは
世界に知らしめることができない、
アメリカが君臨する為には、
落とすべきと至ったのだろう。
戦争終結?違うだろう。
もちろん、当時の日本陸軍等も非難されて
当然ではある。
が、しかし、となる。
びっくりしたことに、オッペンハイマーが
ソ連のスパイだと⁉️
どこをどうすればそうなるのか。
つくづく人とは恐ろしいもの、だと思った。
女と見ればすぐ手を出す節操の無さと
自身の量子力学を思う存分研究し
できれば形として表したい科学者特有の
願いを持つだけの男だ。
結局ストローズに嵌められていた。
ストローズいやらしい人間だが、
こうしないと生きられないのか。
周りにたくさんいるかも。
いくら科学の産物といえど、戦争の兵器と
なれば別物だ。
憎い日本やドイツに落としたとして、
被害を受けるのは、兵士よりも民間人。
女性や子供や高齢者が大半となる。
これまでのアメリカの中東への爆撃を見ても
同じことをしている。
核爆弾か爆弾か、大規模か小規模か、の違い。
アメリカは敵なら関係ない人々を殺すことなど、
何も感じないようにとれる。
ましてや戦時下なら日本の犠牲者のことなど、
意に介さないだろう。
オッペンハイマーが協力者に演説した時や
トルーマン大統領にけなされた時に、
原爆の犠牲者の被爆の有り様を目の当たりに
見てしまったり
黒焦げの子供の遺体を足で踏んでしまったような
幻覚を見たようにしたりして
被爆の現実を表しただけ
マシかと思った。
物理学賞受け取ったが、やっと
名誉回復を成し遂げたか。
事前に情報を入れて観た方がよい作品
念願の「オッペンハイマー」。残念ながら時間が合わず、IMAXGTレザーでは観れなかったが、まあまあ大きなスクリーンだったので、由としたい。
映画には事前に情報を入れて観た方がよい作品と、逆に事前情報がない方がよい作品の2つがあると私は思っている。本作は事前情報なしではさっぱりわからなかったに違いない。事前に解説動画10本くらいはみて、おまけに量子物理学や原子爆弾のことなども十分勉強してから観たおかげで、全編3時間、じゅうぶんに堪能出来た。さすがはクリストファー・ノーランである。
3時間、ずっと会話が続く。時系列が次々に転換する。カラーと白黒。たくさんの登場人物。難しい物理学の専門用語・・・・。予見なしで観たなら、理解不能で、寝落ちしたかもしれない難解な映画。でも、よく出来た映画だと思う。情報さえ持ってみれば、ほんとに面白い映画である。評価は★4つ、かな。
「日本も核兵器を持つべきだ・・・」という感想を書くと、あんたはなにを観てきたのだと言われそうだ。そうだよね。でも・・・日本も戦時中、核兵器開発に手を染めていた事実を知る私は、すでに地球を何度も破壊できる数の核兵器が世界中に拡散するおぞましい現状に、底知れぬ恐怖を覚えるしかない。広島に落とされたリトルボーイの3300倍といわれる世界最大の核爆弾であるツァーリ・ボンバは、日本の隣国ロシアが持っている。北朝鮮、中国も核保有国。そんな反日の核保有国に囲まれる日本は、いまさら核の是非など、言うてる場合ではない。相手に使わせないためには自分で核兵器を持つ以外にない次元にすでに私たちは暮らしている・・・。
核兵器はそれぞれ自国の勝手な事情で使われる可能性はゼロではないのだ。それが心に沁みた映画でもあった。広島・長崎・・・そして全てはオッペンハイマーから始まった、というべき、映画だったと思う。
夜勤明け、歯医者の治療で麻酔打った後に行ったのが悪いのか
正直な話をします。
冒頭から原爆の実験シーン辺りまで(本編の半分くらい)ワタクシ、スクリーンで何が起こっているかわかりませんでした。
物理が苦手だったワタクシにこの専門用語の多さは優しい子守唄に聞こえて来て
ぼんやりし始めたところに、何故、この人の出て来るシーンだけモノクロなのかな?
いや、それもそうだけど、この狭い部屋でで行われているのは裁判?ではないよね?
今回はアクションシーンなしのほぼ会話劇のだから、さっきも書いたけど、専門用語や比喩的なセリフが多く、字幕を追っていると役者たちの表情が見えず、
そのセリフの真意がうまく入って来ない・・・さらに話が進むごとに登場人物が増えすぎて、誰が誰とのどういう関係だったかわからなくなる・・・。
そして、ノーラン監督ならではの時間軸がバラバラなストーリー展開。
これがアメリカで大ヒット?そんな映画を微塵も理解できないワタクシは、麻酔薬がまだ効いてる?夜勤明けの疲れ?やっぱり本物のバカなの?
もう帰っちゃおうかな、トイレ行きたくなったし・・・
と、思っていたところ、今回のハイライトシーンである原爆の実験のあたりから、なぜか急にこの作品の内容がストン、と入り込んできます。
(あとで町山智浩さんの解説YOUTUBEを見たら、初見はわからなくて当然、みたいなことを言っていたので一安心)
作品の面白さとしては抜群で、やっぱりノーラン監督って本当にすごい!って思います。
いや、すごいなって一言じゃ足りなすぎるんだけど、やっぱり我々日本人としては、胸の奥に腑に落ちない新しい痛みが生まれるのは
当然かもしれない。(個人的に割と最近広島に旅行に行ったので、余計にそう思うのかも)
オッペンハイマーが抱えた不安や後悔を、共有できるはずもなく、ただ、それに苦しんだ事だけは理解しました。
ところで
本編を観たあと、解説動画を観て自分がたくさんの見落としをしていることに気付かされました。
答え合わせをしに劇場でもう一回見るのは・・・う〜ん、ちょっとどうかな、ワタクシ、やっぱり腑に落ちない思いが積み重なりそうなので
もう少し時間が経ってアマプラとかで観れるようになったらその時に答え合わせをするかな。
何の知識もなしにこの作品を観ると、ワタクシみたいに作品の中で迷子になってしまう可能性が高いので、もしかしたら、予習はしておいた方がよりこの作品を深く理解できるのかも?
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