アアルト

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アアルト

解説

フィンランド出身の世界的建築家・デザイナーのアルバ・アアルトの人生と作品にスポットを当てたドキュメンタリー。

不朽の名作として愛され続ける「スツール60」、アイコン的アイテムである花器「アアルトベース」、自然との調和が見事な「ルイ・カレ邸」など、優れたデザインの家具・食器や数々の名建築を手がけたアルバ・アアルト。同じく建築家であった妻アイノとともに物を創造していく過程とその人生の軌跡を、観客が映像ツアーに参加しているかのような独創的なスタイルで描き出す。さらに、アイノと交わした手紙の数々や、同世代の建築家、友人たちの証言を通し、アアルトの知られざる素顔を浮き彫りにしていく。

フィンランドの新鋭女性監督ビルピ・スータリが手がけ、同国のアカデミー賞と言われるユッシ賞で音楽賞と編集賞を受賞。

2020年製作/103分/G/フィランド
原題:Aalto
配給:ドマ
劇場公開日:2023年10月13日

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(C)FI 2020 - Euphoria Film

映画レビュー

4.0二人の『アアルトの年表』の様な映画

2024年5月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

【ストーリー(脚本) & 演出】
制作する側の主観を排除し、夫婦でやり取りをした『手紙』の文章を紹介するシーンでも 手紙をやり取りした際の二人の感情を作品中で推察する事もなく、余計な[ストーリー性]や[ドラマ性]を付随させず、その時代の二人の状況や 二人が成した仕事について「淡々と羅列的に」紹介していく《まるで『二人のアアルトの年表』を見ているかの様なドキュメンタリー映画》でありました。
(作中で特に解説されずとも『手紙の文面』からは その当時の二人の関係や心情は充分に窺い知る事が出来ると思います)

個人的には この様な構成のドキュメンタリーも嫌いではありませんが、予告編の印象から「もう少しドラマチックな要素もあるかと思っていた」ので、そこら辺を期待して観に行くと 少々肩透かしを喰うかも知れません。
脚本評価★★★★☆
演出評価★★★★★

【キャスティング(配役) & 演技】
基本的にアルヴァとアイノに関しては『モノクロの写真』や『8ミリフィルムの映像』で 二人の音声はありません。
また画面に必要以上に人物が登場する事もありません。何らかのコメントや解説が入る場面でも 殆どの場合で「ナレーションとして音声が入るのみ」で、語る人物の姿が画面に登場する事はそれ程ありません。

ストーリー評価でも書きましたが「制作者の主観」みたいな[余計なモノ]を入れ込まない 素晴らしい構成・編集で、ただ事実のみが画面に映し出され 制作者の押し付けが無い「鑑賞者自身のスタンスで鑑賞出来る」良質なドキュメンタリー作品でありました。
配役評価/ドキュメンタリーにつき無し
演技評価/ドキュメンタリーにつき無し

【映像 & 音楽】
時代背景がよく分かる映像や 彼らがデザインした家具や設計した建物の特徴的な部分を捉えた映像や、おそらくあまり知られていない出来事に関する映像資料なども収められており、アアルトの事を知らない人でも興味深く鑑賞出来ると思います。
(多少は『デザイン』や『設計』に興味が有るのに越した事はないのでしょうけど)

個人的に本作の中で 最高に評価しているのが《音楽》です。 ドキュメンタリーでありながら それなりの数のBGMが使用されていました。 また それらの楽曲自体が「非常に優れた楽曲であった」と思いました。
ドキュメンタリー作品なので有り得ない事ですが「サントラがあるなら欲しいくらい」の素敵な曲が使用されていました。
映像評価★★★★☆
音楽評価★★★★★

【総括評価】
私が住んでいる県内では 本作品を上映しているのは[1館のみ]なので、それ程 多くの方に鑑賞の機会がある作品ではありませんし、ドキュメンタリー映画自体が「観る人を選ぶ」し「鑑賞しない方も多い」ジャンルだと思います。

ドキュメンタリーは「わざわざ劇場の大きなスクリーンで観る必要が無い」ジャンルかも知れませんが、音響設備の整った劇場で「本作の音楽を聴く」のも一興かも。
お財布と時間に余裕があり 近くで鑑賞出来る機会があるならば、レイトショーなどで鑑賞してみては?

正直言って ドキュメンタリーは[個人的な好みに基く評価]と[作品を客観視した時の評価]が乖離している事が多く、評価が難しい作品が多いので「星を幾つ付けようか?」かなり迷っています。 なので ここは…
個人的評価★★★★☆(星4)
客観的評価★★☆☆☆(星2.5)

【追記】
本作はフィンランドでは"フィンランドのアカデミー賞"と称されるユッシ賞にて『音楽賞』と『編集賞』を受賞していた様です。

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ネコと映画と人生と

5.0ドキュメンタリーとしても貴重な映像とインタビューで構成されていて、ナレーションも最低限で北欧家具のようにシンプルな作り

2024年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

代表的な建築をドローンのハイアングルなどで、見るといかにモダンかつハイセンスな設計だけども、使い易さも考えているのが分かる。
個人的にはもっと多くの建物を紹介して欲しい側面もあるが、どちらかと言えば、アアルト夫妻と生涯を追及する側面が強い。

ひるがえって最近の日本建築はどうなのか?とも思う。出来損ないの迷路みたいで使い勝手の悪い建築家の自慰みたいな渋谷駅とか、ガラスがメインで構築されて書籍に有害な紫外線に晒されるとんでもない図書館とか、急造建築で空調もない国立競技場などの利権物だらけに感じる。

アアルトが手掛けた建物(年金会館など)に対する当時の批判もいくつか映画の中で扱っているが、いわるゆる贅沢な作り的な側面が多くて、現在でも通用する作りや使う側に立った考察がなされているので、そこが一流と云われる所以だと思う。

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ミラーズ

4.0コルビジュエとかライトらのモダニズム建築時代における、人間中心主義...

2024年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

コルビジュエとかライトらのモダニズム建築時代における、人間中心主義の建築をつくっていた稀有な存在。
工業化時代において鉄やガラスが大量に使われている一方で、木を使い窓を丁寧にデザインし、自然と調和したどこまでも人間的なデザインは、今の時代においても色褪せることない、むしろ改めて価値を痛感する。それができたのはフィンランドの豊かな自然の中で育った地域性と、アールトを支えたアイノへの愛情が大きな影響を与えてるんだなぁっていうのを感じた。
また、関わる人に対しての態度や姿勢が、誰からも愛された所以なんだろう。人を魅了する。いつの時代も大事なのはどこまで周囲を大事にできるか。

窓のデザインをら通じて光の取り入れ方と豊かな自然との調和した建築デザイン
どこまでの人間視点でのつくりこみ
手の触れる部分や家具などに及ぶ細部に宿るでデティール

一回観に行きたくなりました。

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ひろみちゃん

2.0建築に興味が無いと眠くなる

2023年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

寝られる

フィンランド出身の世界的建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトの人生と作品にスポットを当てたドキュメンタリー作品。

奥さんのアイノも同じく芸術家で彼女の影響も多大だったんだとわかった。
ただし、建築に興味ないと退屈で眠くなる。
人を選ぶ作品だと思った。

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りあの