コーヒーが冷めないうちに

劇場公開日:

コーヒーが冷めないうちに

解説

「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和の同名ベストセラー小説を、有村架純の主演で映画化。時田数が働く喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるという不思議な噂があった。過去に戻るには面倒なルールがいくつもあったが、その全てを守った時、優しい奇跡が舞い降りるのだという。今日も店には、噂を聞きつけてやって来たキャリアウーマンの清川二美子や、訳あり常連客の高竹佳代と房木康徳、なぜか妹から逃げ回っている平井八絵子ら、それぞれ事情を抱える人々が訪れてくる。タイムスリップの引き金になるコーヒーを淹れることのできる数も、近所の美大生・新谷亮介に導かれるように、自分自身の秘められた過去に向き合っていく。

2018年製作/116分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2018年9月21日

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(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会

映画レビュー

4.5同じ型にやられてしまう

2024年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ファンタジー作品 変化とは常に環境や物質ではなく人間の心であることを言っている。
昔ながらの型を使い、ファンタジーを掛け合わせて、その場所に集う客という限定されたものにだけ奇跡の資格が与えられる。
もしそのような喫茶店があれば絶えず客でいっぱいになるだろう。
お店が4代も続いている理由がわかる。
冒頭登場したフミコとゴロウの喧嘩別れの時にいた客が各々のシュートショート物語を作る。
このありきたりの型は、もしかすると今でも鉄板として通用することに「してやられた感」を感じる。
そもそも茶店の客はすべて誰もが知る俳優陣。
彼らを中心とした物語が描かれないはずがないことは、誰にでもわかる。
しかし、医師から認知症を告げられたフサギが夫への手紙を書きながらそれを渡せずに認知症を患ってしまったストーリーは涙なくしては見られなかった。
この誰にでもある心残りは、物質的喪失や環境的変更ではなく、言うべき時にそれを言えなかったことに対する心残りだと作品は伝えているが、本当にそうかもしれないと思った。
「現実は変えられない」
これは普遍的法則だ。同時にタイムマシンなど未来永劫発明されないことの証明だろう。
その代わり新しい概念が生まれた。それがパラレルワールドだ。人間の発想に行き詰まることはない。
このフサギ夫婦の物語を見ながら、当然ユーレイの正体と関係が最後のエピソードだというのと、時折挿入されるトキタカズの幼少時代の映像でその謎の答えがわかってしまうが、作品はそれを想定内としている。
最後にまだ生まれていない娘未来が登場し、母カズにコーヒーを淹れるというのはなかなかいいプロットだった。
茶店オーナーの「考えられることはすべて試した」と言うセリフ、妊娠という新しい現実が、夫の閃きを生み、未来が未来からやってきてコーヒーを淹れるという大どんでん返しだ。
カズの母が読んでいた小説「ねじの回転」「モモ」というのも、この作品の題材に関係している。
わからないのが茶店の名前「フニクリフニクラ」
これは日本では「鬼のパンツ」で知られていて「鬼のパンツはいいパンツ、強いぞ、強いぞ」というあれ。
これとこの作品とどのように関係していたのかがわからなかった。
でも心温まる作品だった。

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R41

3.5久しぶりに涙がでました…

2024年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

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むっちん。

2.0今を精いっぱい生きることの大切さ。

2024年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
起きてしまったことは、変えられない。

<映画のことば>
「どんな名前にする?」
「未来と書いて、ミキ。あの子が、そう言った。」

YouTubeなどでも盛んに情報発信をしている精神科のドクターの常套句ではありませんが、「過去(と他人)は変えられない。」―。
そのことは、人が生きていくうえで、いかんともし難いことだと思います。評論子も。

しかしその反面、それでも、もしもやり直せるのなら、過去に戻ってやり直したいという悔悟・悔恨の念の一つや二つは心の奥底には抱えているのが、この世に生きている人間というものではないでしょうか。
(もちろん、評論子も含めての話です。)
そういう心理にスポットを当てたということから、本作の「面白さ」というものが出てきていると思いました。評論子は。
(あくまでも本作は、タイムスリップ系のSF系ファンタジー、すなわちフィクションであるという押さえの上で。)

結局のところ、本作が言わんとすることは「人が生きているのは過去でもなく、未来でもないのだから、今を精いっぱい生きろ」ということでしょうか。

換言すれば、日常に意識するとしないとを問わず、心の奥底には誰もが秘めているであろうペーソスを、日常のどこにでもありそうな「とある喫茶店」というリアルな舞台の上で、上手く映像化しているという点では、本作は成功していると思います。

本作は、全体で4話構成になっていて、それで、予告編では「4回泣けます」ということになっているようではありますけれども。
パートを分けてしまったこともあり、どのパートも深掘りが足りなくて、残念ながら、一回も泣けなかったことが惜しまれます。

それでも、こういう「ファンタジーもの」が、必ずしも嫌いではない評論子としては、そこそこの良作という受け止めではあったと思います。

(追記)
有村架純のキャラが随分と立っているなぁ…とも思いました。
無論、彼女が主演のなのですから、当たり前といえば、当たり前のことなのては、あるのですけれども。

ターコイズブルーのエプロン姿の質素とも言える彼女の姿が、舞台の喫茶店の雰囲気によくマッチしていたとも思います。

(追記)
素敵でしたねぇ。高竹佳代(薬師丸ひろ子)と房木康徳(松重豊)のご夫婦は。
こういうふうに二人で幾星霜を重ねていくことができたら、どんなに素敵でしょうか。
<映画のことば>
「あなたは私の前で看護師でいる必要はないし、私はあなたの前で患者でいたくない。最後まで夫婦でいたい。」

(追記)
「コーヒーが冷めないうちに」というフレーズは、もちろん本作の題名でもありますし、作中でも主役の数が幾度となく言うセリフなのではありますけれども。

そうすると、ホットコーヒーが苦手で、お店では略々(ほぼほぼ)アイスコーヒーを注文し、家でもわざわざ冷めてから飲んでいる評論子は、この先もずっと映画の世界を漂い、なかなか現実世界には戻れないのかも知れません。
まったくをもって、困ったことだとも思いました。

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talkie

5.0人はみな、過去に後悔を抱えて生きていくのか

2024年4月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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こまつ