シービスケットのレビュー・感想・評価
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よく出来た作品だが、競馬に詳しくない方には辛い作品
BSで録画視聴。
大恐慌時代のアメリカで実在したシービスケットを題材にしたベストセラー小説の映画化。
前から観てみたかった作品なので、観ることができて良かった。
時代は古いが、競馬の魅力も詰まっていた。どちらかと言うと人間ドラマの印象が強い。
作品としてはよくできていて、今の時代でも通用する作品と言える。
トビー・マグワイアーら出演者の演技も見事だった。
ただ、競馬に関心がない人には辛い作品。
シービスケットへの愛情
恐慌にあえぐアメリカでトビーマグワイア扮するレッドポラードの両親はレッドを置いて出て行った。レッドは競馬の騎手として働いた。しかしレッドには騎手として致命傷があった。
ちょっと人間関係が分かりにくいね。でもマッチレースでの緻密な作戦には恐れ入ったよ。シービスケットへの愛情もにじみ出ていたね。
レースシーンは、仲々迫力あり。
今日は「関心領域」を観に行こうと思っていたのだが、昨日日本ダービーのゴール前写真を撮りに行って、いささかお疲れ気味。こういう体調で観ると印象が変わると困るので映画館行きは止めて、家のTVでNHKBSでやっている「シービスケット」を鑑賞。
20年前の公開時に試写会で鑑賞済みだったが、競馬に関する映画なのに内容をあまりよく覚えていなかった。
その試写会場が、今は無き日劇1でトビー・マグワイアが登壇し、特別ゲストで武豊も登壇した。騎手を演じたトビー・マグワイアが壇上で武豊と張り合う様が面白かった。その武豊は、20年経っても昨日の日本ダービーで有力馬に騎乗し、リーディングジョッキーでもベスト10に入るトップジョッキーであり続けているのが凄い。
シービスケットは、1930年代に実在した競走馬で馬格が小さく見栄えが悪かったため厩舎からも見放されていた。
息子を亡くした馬主(ジェフ・ブリッジズ)と時代遅れの調教師(クリス・クーパー)と片目が見えなくなった騎手(トビー・マグワイア)のトリオに育てられて、米国三冠馬ウォーアドミラルとマッチレースを行って勝つ姿を描いたドラマであるが、実際は(映画に描かれていない部分で)そこまでに色々と紆余曲折があったようである。
3人には、それぞれ挫折から立ち直るドラマがあるが、そこの掘り下げが足りないのでイマイチ共感を呼ばない。ただし、レースのシーンは中々迫力があった。
第28回日本アカデミー賞外国作品賞ノミネート(受賞作は「ラストサムライ」)
見所は、ラジオの実況、ウィリアム・H・メイシー!上手すぎる
中盤まで淡々と進むストーリー、3人の挫折した男たちが1頭の馬を中心に出会い・・・というストーリーなのだが、イマイチのめり込めなかった。これは挫折感を表現し切れていないからであると思われる。挫折を味わっていたのは全米の25%の人たちである!ということしか印象に残ってない。映像は美しく、時には当時のモノトーン写真を織り交ぜて芸術性を高めてはいるのだが、どん底に落ちた男を映像化するにはもっと工夫が必要だと思われる。シービスケットがレースに出るようになってからは、映画も盛り上がるわけだが、普通のサクセスストーリーとしてしか見れなかった。
ジョッキー同士がレース中に会話するのは「うそだろ・・・」と思いながらも、いい伏線になっていた。荒馬とケンカするトビーマグワイアを見比べるシーンも好きだ。また、貧乏人のための馬だという件も好きなところ。しかしこれは、連勝し続けるとオッズが下がり貧乏人向けではなくなるような気も・・・
【2004年映画館にて】
実話
2004年の公開当時、心に突き刺さった作品でした。物語としてとても感動的ですが、それが実話となると、さらに感慨深く感じられます。以前、ディープインパクトが骨折して安楽死になったニュースが話題になりましたが、常に賛否がわかれる難問です。安楽死が可哀相という感情は誰もがもちますが、ひどい骨折の場合、心臓への負担などで馬の苦痛はかなりのものらしく、間近でお世話をしている人達にとっても苦渋の選択だと聞いたことがあります。おそらく多くの競馬馬やジョッキーは失意のまま夢を絶たれているから、今作のようなサクセス・ストーリーがひときわ輝いて、心を揺さぶられるのだろうと思います。ゲイリー・ロス監督は、このあと「ハンガーゲーム」(12)を撮ることになりますが、ストーリーテリングの面白さと人物描写の巧みさは、今作にも通ずる印象でした。
ボロボロの男たちのプライド。
○作品全体
シービスケットに関わる男たちは誰もがボロボロだ。ボロの度合いは違えど、欠けてしまった何かを抱え続けている。
そして、生きている。レッドもチャールズもトムも、そしてシービスケットも、生きることを諦めていないし、むしろ前を見ようとしている。その根底には、それぞれが自分のボロボロな部分を「治せるから」と信じているからだろう。
物語を手繰ると「治せる」と思える理由がそれぞれの中にある「プライド」であることに気づく。レッドはどん底の生活の中で父に後押しされたジョッキーとしての才能があり、チャールズも実業家としてのスキルがある。トムには老いてもなお、馬を治せる力があるという自負がある。副業のボクシングでボコボコにされても、東部の大金持ちに「田舎者」とコケにされても、あの馬の気勢に悪さじゃダメだと言われても、自身にあるプライドを持って立ち向かう姿勢がかっこいい。
環境は劣悪でも、その劣悪な世界を「治せる」というプライド。シービスケットの元へと集い、それぞれが持つプライドを発揮して、対抗馬を抜き去って行く。そこにカタルシスがないはずがない。
壁にぶつかるたびにそれを打開し、大怪我を負っても再び差し切って行く。多少無茶な場面でもとにかく足を動かし、全力で駆け抜けて行くボロボロの男たちの「プライド」に圧倒された作品だった。
○カメラワークとか
・レースシーンのカメラの位置が凝ってる。アクションシーンっぽい三人称視点、ジョッキーの主観カット。どれも迫力がある。
スローモーションの使い方が上手かった。ラストのレースで他の馬を抜き去るとともに観客席が強調されるスロー。1着で走り抜けて行くシービスケットの主観スロー。かけがえのない瞬間の切り取りとして絶妙だった。スローモーションって映像作品では見慣れすぎて陳腐に見えることの方が多いけど、この作品は良かった。
○その他
・ラストのレースで車の上に乗って競馬場を見つめるカットが良かった。あの時代の最先端の乗り物を踏み台にして序盤で旧世代の象徴として描かれていた馬を見る。今見たいのは、馬なんだっていう。その強調の仕方が上手い。
文部省特選
オグリ!オグリ!
アメリカのオグリキャップ物語です。
昔は文部省推薦ってバカにしてたけど、この映画は小中学校のよい子たちに観てもらいたいです。競馬は全く興味外ですが、泣きそうになりました。
馬主、調教師、騎手三人三様の生い立ちから丁寧に描きつつ、競走シーンのダイナミズムが抜群で、開放感が爆発します。
話も簡潔で分かりやすいし、本当にいい映画だと思います。
競走馬の奇跡が素直に感動を呼ぶ
1930年代に活躍し人気を集めた一頭の小さな競走馬の奇跡の物語。馬主と調教師と騎手の三人の生い立ちをカットバックさせてトビー・マグワイアと名馬シービスケットの出合いを描き、後半は競馬シーンを素晴らしい編集とカメラワークで観るものを惹きつける。その他画面作りの点では優れたシーンが多い。但しカットバックのテクニックは低い。主人公の父母のその後が省略された物足りなさも残る。
それより、世界恐慌後の停滞した社会がこのシービスケットを希望の糧として欲していた時代の雰囲気があり、その点は丁寧に描かれている。
退屈極まりない。
エセ感動作。名作ですよ映画な雰囲気に騙された人のみが感動できる奇跡の映画である。30分たっても何がしたい映画かまるでわからない。一般的には見ているほとんどの人が一時間以内に寝るだろう。
ウルウル
何にって全てにです。
2度目のチャンスにも、3度目も立ち上がる強さに胸を打たれる映画です。
馬も騎手も生き物だから怪我をする。
共に怪我をしたもの同士は、再起を願って再び共に立ち上がり走る。
諦めないことを教えてくれる素晴らしい映画です。
競馬って残酷だけど、この映画は命あるものを生かすことを教えてくれ素晴らしい映画でした。
30年代が好きだ
何気に好きな映画5本の指に入ってくる作品。
監督、技術、美術、脚本、キャストその他大勢のスタッフの努力がさまざまな場面で垣間見ることができ、非常に有益な時間を与えてくれる。
とても壮大、かつ繊細な一本。
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