劇場公開日 2003年6月7日

マトリックス リローデッド : 特集

2002年12月27日更新

第1回:ネットは「2」「3」をこう予言する

編集部

ナイオビ
ナイオビ

<新キャラ>

●ナイオビ(ジェイダ・ピンケット・スミス)

故アリーヤが扮する予定だった、ザイオンの自由人間のひとり。モーフィアスの元恋人で、冒頭でセンティネル(「1」に出た昆虫に似た形態の人間捕獲艇)に追われるホーバークラフトの船長。

●パーセフォニー(モニカ・ベルッチ)

マトリックスを支配する女王。ってことは、人工知能が人間の姿で現れたものか。演じるベルッチは「マレーナ」「ジェヴォーダンの獣」「アレックス」などで活躍の妖艶美女。すでに出回るポスターでもその冷たい美貌には期待大。

●ツイン1、ツイン2(ニール&エイドリアン・レイメント)

マトリックス内のデコード・プログラムで双生児。ネオたちの抹殺を試みる。演じるのは実際に双生児の格闘家兄弟。こちらもポスターに登場済み。

パーセフォニー
パーセフォニー

●その他

役名には、<ストーリー>で触れた日本人技術者“キー・メイカー=鍵屋”、マトリックス界の創造者“アルケミスト=錬金術師”、マトリックスの手先“セラフ=智天使”など、思わせぶりな名前が続々。聖書から引用された役名には、弟を騙す兄“カイン”、死から甦った“ラザラス”などがある。

【その4】見せ場

●17分間も続くブレット・タイム方式のカーチェイス。ブレット・タイムとは「1」でネオが銃弾を避けたときのあのVFX手法のこと(マシンガン撮影とも呼ばれる)。車、バイク、人、銃弾が、あの手法で360度で展開するらしい。製作者ジョエル・シルバー曰く「映画史上もっとも複雑なカーチェイス」。予告編でチラッと見える車のシーンが多分その一部。ツイン1・2のどちらかが自動車を運転して、トリニティはバイクを操る。

ツインズ
ツインズ

●このチェイスシーンには、カンフーの見せ場が2つあり、ひとつはキャディラックの後部座席で、もうひとつは18車輪トラックの屋根で展開する。

●ネオとトリニティのラブシーンがある。場所はザイオンの洞窟、最後の決戦に向かう直前に、というセッティング。ここでトリニティが妊娠、その息子が真の救世主になるという説もある。

●<登場人物>で触れた、自己複製して増殖するエージェント・スミス、ツイン1・2の「デコード」技の効果などが、ウォシャウスキー兄弟ならではのビジュアルで描かれるはず。

【その5】引用

「1」では旧約聖書から「不思議の国のアリス」、押井守からボードリヤールまで引用して見せた本作、「2」「3」でも引用はたっぷり登場するはず。

まず、「1」にも登場した地名ザイオンは、旧約聖書でダビデ王が宮殿を建てた丘の名称。新キャラ、パーセフォニーは、ギリシャ神話の冥府の王ハデスの妻の名(ペルセポネ)。天帝ゼウスと収穫(!)の女神デルメルの娘で、春の女神。ハデスにさらわれて冥府で彼の妻になる。

「1」を見る限り、これらの役名の原典は「マトリックス」の内容と接点がある。例えば、モーフィアスは、ギリシャ神話の眠りの神ヒュプノスの息子で、夢の神の名で、睡眠に入った人間に2つの門(悪夢への門と良い夢への門)のどちらかを選ばせる。これが「マトリックス」では、モーフィアスが、夢=虚構を現実だと思っているアンダーソン(後のネオ)に、青いピルと赤いピルのどちらかを選ばせる形で登場した。「2」でも原典とドラマの接点はチェックしたい。

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(C) 2002 Village Roadshow Films (BVI) Limited.

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