僕らの世界が交わるまで

劇場公開日:

解説

「ソーシャル・ネットワーク」「ゾンビランド」シリーズなどの俳優ジェシー・アイゼンバーグが長編初メガホンをとったヒューマンドラマ。アイゼンバーグがオーディオブック向けに制作したラジオドラマをもとに自ら脚本を手がけ、ちぐはぐにすれ違う母と息子が織りなす人間模様を描く。

DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母エブリンと、ネットのライブ配信で人気を集める高校生の息子ジギー。社会奉仕に身を捧げる母と自分のフォロワーのことで頭がいっぱいのZ世代の息子は、お互いのことを分かり合えず、すれ違ってばかり。そんな2人だったが、各々がないものねだりの相手にひかれて空回りするという、親子でそっくりなところもあり、そのことからそれぞれが少しずつ変化していく。

「アリスのままで」のジュリアン・ムーアが母エブリン、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シリーズのフィン・ウルフハードが息子ジギーを演じた。「ラ・ラ・ランド」「クルエラ」の俳優エマ・ストーンが製作に名を連ねる。

2022年製作/88分/G/アメリカ
原題:When You Finish Saving the World
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2024年1月19日

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映画レビュー

3.5軽やかな語り口を持った愛すべき作品

2024年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

かつて『イカとクジラ』(05)で弟役を演じたオーウェン・クラインが長編監督デビューを果たした2022年、兄役のジェシー・アイゼンバーグもまた、こうなることが運命付けられていたかのように初監督作を完成させるのだから驚きだ。主人公はネット生配信で投げ銭を得ている青年ジギーと、その母親にして福祉事業家のイヴリン。ジギーはこの年代の男の子の常で、自分の聖域に母親が入ってくるだけで汚されたような気分になるし、自立した性格のイヴリンは息子と少しでも交流を持とうとするあまりつい口煩くなってしまう。かくも二つの世界は交わらず、互いを分かつ壁も高い。しかしどちらも決して完璧ではなく、彼らは暗に痛みや不安を感じつつ、常にもがいている。こういった出口なき母子関係を決して重く引きずらず、軽やかなテンポを維持しながら心地よく描いて見せるのは稀有な才能だ。最後に待ち構える落とし所も観客をフッと笑顔にさせてくれるはず。

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牛津厚信

3.5自分を振り返るきっかけになった一本

2024年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

難しい

ちゃんと自分の夢を持ち、それに向かって頑張っていることは良い事。
けれど周囲への配慮あってのものであることはもちろんのことで…。

主人公の女性はきっと優しく真面目で”ちゃんとした人”なのだろう、
息子との関係に悩みながらも、自分の物差しを持ってきちんと物事に
あたることが出来ている。

息子も息子で、じぶんなりに表現という場を持ち、
その中で”伝えたいこと”を考えもがきながらも、ティーンらしい
自分勝手さとうまくいかない中で、あがいているところが青年らしい。

それぞれにちゃんと自分なりの”こうだったらいいな”があって、
けれども家族とは向き合うことが怖くて……
家族をないがしろにしがちなところが少し似ている。

ちゃんと家庭として、社会人として、夢を見ている青年として、
日々を過ごしているのに、そこに会話や気持ちを交わすような交流がないまま
日々が流れていく。

私自身も家族とちゃんと向き合えているだろうか。
他人に「こうあるべき」を押し付けすぎていないだろうか。

そして自分にも。

案外と欲しいものはシンプルで、愛しているものは単純に考えた方が
分かりやすいのかもしれない。と改めて感じさせてくれた一本だった。

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ひなたんく

3.5コミュニケーションの本質を描いた意欲作!

2024年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原題「When You Finish Saving the World」を「僕らの世界が交わるまで」としたのは
すごく良かったんじゃないかと思います。
日本だとこちらの方が届け手の思いが伝わるように感じました。

主人公エヴリン(ジュリアン・ムーア)と息子ジギー(フィン・ウルフハード)の
コミュニケーションが軸です。
途中で夫から「二人とも自己愛が強すぎだ」と言われるのですが、
これが実に的を射ているセリフなんですね。これが全てといっても過言ではないくらいです。

要は、エヴリンもジギーも、自分の価値観が絶対的な正義になっていて、
自分の価値観では「正しい」ことだから、相手にも正しいことなんだという
なんとも独善的なんです。
だから、相手とコミュニケーションをとっている“つもり”で
実はとれていないんですよね。
コミュニケーション=意思疎通 ですから、全然できていないわけです。

これに気づくのが、ラスト手前。
エヴリンは目にかけていた男の子に、ジギーは同級生の女の子に、
目が覚めるようなことを言われます。
ふたりとも面食らった表情を浮かべますが、
ここでようやくお互いが息子に・母に、向かいあおうとするんですね。

で、ラスト。
素晴らしいラストでした。
余韻がたなびく終わり方で、私はこういうラストも好き。
この後、この親子はどうなっていくのかな?という想像する余韻が良いです。
88分というコンパクトさも良かったなと思います。

やっぱりジュリアン・ムーアは素晴らしい俳優ですね。
素晴らしい演技で感動しました。

A24でこういう作品はなかなか今まで観れていなかったです。
あらためて良いスタジオだなと思いました。
また、本作のプロデューサーにエマ・ストーンが名を連ねていますね。
だからどうってことはないのですが、へーと思いました(笑)

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ひでちゃぴん

3.5こじらせてるよね、この母親と息子。

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この親にこの息子あり、みたいな感じね…。
二人とも周りが見えてないじゃないの。

お母さん、自分の息子が相手してくれないからって、
他所様の愛息にお節介し過ぎちゃダメよ。
息子よ、好きな子をもっと理解しようよ…。

とりあえず、ラストは他人から諫められの咎められので、
やっと自分ら身内の距離が近づいた感じかねぇ…。

お父さんの影、薄っ!

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hkr21
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