わたくしどもは。のレビュー・感想・評価
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際(きわ)を漂う
これはどちらかと言えば事前情報なしで鑑賞する方がより楽しめるタイプの映画。小松菜奈と松田龍平が演じる主要人物らがいるのはどこで、なぜそこにいるのだろうか、などと彼らと一緒に考えるつもりで映像にいざなわれるように体験できるといい。とはいえ、ミステリーというほどではなく、台詞などに分かりやすくヒントが示されているので、たいていの観客は早い段階で予想でき、それはきっと当たっている。それでも、予告編などを事前に見て「ああ、そういう話ね」と分かったうえで観ると、人物らと一緒に漂いながら考える楽しみが少し損なわれるというか。
ロケ地の佐渡島は、個人的に大好きな場所で7回訪問しており、実家のある町を除けば旅行した回数が最も多い。映画で象徴的に映される露天掘り跡「道遊の割戸」をはじめとする佐渡金山の史跡群や、富名哲也監督がやはり佐渡を舞台に撮った前作「Blue Wind Blows」に登場する亀の形をした大きな岩が細い砂の道でつながる「二ツ亀」も見てきたし、ほかにも見覚えのある場所がちらほら。ただし誘客効果を狙ったご当地映画ではないので、景勝地がたくさん映るわけではないのが佐渡ファンとして少々さびしくもある。たとえば尖閣湾を背景に日の出か日没あたりの時間に撮影したならストーリーの雰囲気にも合う画になったのではなかろうか。逆に本作で初めて知ったのは清水寺(せいすいじ)の救世殿(ぐぜでん)。京都・清水寺の舞台を模した建物だそうで、次に佐渡に行く機会があればぜひ訪ねてみたいと思った。
小松菜奈と松田龍平に加え、田中泯、大竹しのぶら俳優たちの身体のたたずまいと場が醸し出す空気感を端正な映像でとらえて成立させた映画とも言える。佐渡島三部作にする構想もあるそうで、いつか必ず実現させてほしい。
漂う念の行く末は
映像の妖しさと説明のない場面から様々な想像をしながら観る。
かつて賑わった鉱山跡。
金を求めて欲望が集まった町。
労働者として連れてこられた者たちが無惨な末路をたどった町。
そこは死者の念が彷徨う場所。
その町で死者が過ごす時間は短い。
風が吹けば煙がかき消えるように次の場所へといってしまう。
しかし己の欲のために人を犠牲にしたものは永遠にここを彷徨い続けるのだろう。
ただれた体を引きずりながら。
念が狭間の世界で体を持ち、目で見て、愛し合うことができるのならば
私たちが念や狭間ではなく実体だと思っているこれと「それ」、ここと「あそこ」はそれほど違いがないのかもしれない。確かめるすべは、一度経験した後ならばニ度は死なないということ。しかし実際に確かめてみるわけにはいかない。
ヘルメットの件は見なかった事にしよう
普通の人にとって「◯◯ゆえに我あり」の◯◯部分に当てはまるのは、地位や続柄や年齢や(自認の)性別あるいは何かに対する意思や行動など色々だけど、どれも相対的だったり流動的だったりで、自我の基盤というものは本人が自負する程は強くない。一方その「我」なるもの(「自分」でも「アイデンティティ」でも「実存」でもいいけど)も例えば記録や記憶に残っているだけで曖昧な、お坊さんなら川の流れに浮き沈みする落ち葉のようなもの、と例えるのだろうか。その流れの中で偶然同時に浮き上がった縁は実に奇跡的な、まさに一期一会なのだと制作者が言いたいのかどうかも「曖昧」だけど、ちょっとそういう仏教的な事を考えてしまった。
小松菜奈ちゃんに⭐️4
小松菜奈ちゃん推しにとっては良い作品でした。久しぶりにスクリーンで小松菜奈ちゃんを堪能させていただきました。
さて本作ですが芸術的に死亡直後の世界観を描いた作品と受け取れば良いのでしょうか?しかしながら創造の域を出ない内容で感情を抑えた演技に終始する男性陣の様子には心が動くはずも無い。そんな中、抑えて演技しても大竹しのぶさんと小松菜奈ちゃんは光ってました。
60
出だしから訳の解らない展開で謎だらけの作品。 本年度ベスト級。
全く前情報無しで鑑賞したのが悪かったのか?
これ何の話なの?
って思いながら鑑賞(笑)
台本を棒読みした感じのセリフ。
登場人物の名前が「ミドリ」や「アオ」とか名前は全て色。
生活感の無い部屋や街や観光施設。
全てが謎だらけ(笑)
中盤の「四十九日」と言う言葉で、本作は死後の世界を表現していたと理解する(笑)
そう言えば出だして小松菜奈&松田龍平さんが身を投げるシーンがあったな(笑)
二人で身を投げ命を断ったと思いきや、小松菜奈さん演じるミドリは目を開ける展開。
だけど死後の世界の松田龍平さん演じるアオが既に警備員として働いていたので死にきれなかったミドリが後追い自殺をしたと推測。
バスガイドが昔の心中は重罪だったと話していたけど既に死んだ人にどんな罪が与えられるのか?
気になるところ。
本作は終始小松菜奈さんの美しさに終始釘付け。
これだけでも大きな収穫だった(笑)
加えて佐渡島の美しい映像も良かった。
光と影を上手く組み合わせた映像が美しい。
特に坑道やトンネルのシーンの映像が印象に残る。
終わってみれば、何かを思う事も考えさせられる事もなく。
でも観たことに後悔は全くありません( ´∀`)
決して万人受けはしない映画
いや〜意外だった!
自分にこんな静かな映画が刺さるとは‼️
トレイラーで観ていた通り、現世で結ばれずに心中した男女があの世とこの世の狭間で記憶のない状態で出逢う、と言ったストーリー。そこまでは解禁済みのため、あとは静かに進む映画の着地点を探る感じ。
それがとにかく心地よい。
この時間にずっと身を任せていたいと思えるほど気持ちの良い時間。
自然音が耳に優しく、色彩コントラストが目を奪う。最近全然行けてない美術館で絵画鑑賞をしているようや感覚。気持ちいい。
あとは箇条書き👇
・大竹しのぶの女優魂みた!
・アオとミドリの会話は中学一年生の英語のスクリプトみたいな会話。でも『嫉妬』が混じると急に人間味出る
・向田透役の片岡千之助の目の演技!色気!凄すぎ!!
・49日の間にみんな幸せを感じるのであれば、現世でも少し居場所を離れてみたらよかった??
・館長田中泯の存在感
演出力の不足か、私の理解力が足りないのか
話の骨子は定番か。涅槃までの冥土での彷徨を描いているのだろうが、ピリッとしない。ファースト・カットと次の鉱山から出てくる大竹しのぶ登場のクレーンワークは何の意味があったのか?松田龍平のワンパターン演技はどうにかならないか。折角の小松菜奈の煌めきが煤けて見える。やはり大竹しのぶは怪物だ。次のステージへ送られるのだろうが、涅槃はまだまだという段階を演技を押さえながら表現してのか?キリスト教文化圏ならば煉獄からの解放と解釈するのなのかな。とにかく突出していた。
不思議 幻想作品 難解では無い 冗長では無い点は好感。緑🟢色好きな人には良い。
本作は たぶん 低予算映画
結論から言うと 緑🟢色 特に深緑 好きな人おススメ
死生観というか 不可思議
だが、大人なら誰でもわかります。
佐渡島が舞台
佐渡金山ホームページによると 1601 〜1989平成元年まで 金を採掘⛏️
そうかぁ 俺が旅行で親に連れてってもらった時代にも
細々と採掘してたんだね・・・資料館には当然行ったが 気づかなかったヨ
いつのまにか 両津とか相川町でなく 平成の大合併で 一つの市 になってる
人口は高度成長期以降激減みたいだけども ネット発達以降は どうなるか注目
まあ それはさておき 本作は ゆるりとした でも難しくは無い
緑🟢深緑の 人間の死生観 作品。 幻想&不思議
有料パンフも存在しない。ホームページが有料パンフ代わり ある意味で時代を先取り
上映館が限定されてるから
俳優は小松菜奈 松田龍平 大竹しのぶ 田中泯 等メジャー俳優起用のためか
空いてるかと思ったら 120の器 に@36人と 比較的健闘
何故か 普通はいない 前3列に 3人いたのは何故❓最前列@1名
能楽師、ダンサー 歌舞伎役者 と ある意味で 演者は多彩
特にわかりにくい部分は無いです。
やっぱり 生死のレベルになると 感情は無くなると思うので ある意味、納得のリアル
とにかく 緑🟢深緑 深緑 のグリーン作品。
展開はゆったりなので 誰も振り落とされない反面 結論を急ぐ人 白黒させたい人は要注意
無料事前リーフで 佐渡で江戸時代 無理やり 労働力として送り込まれた 無宿人 がベースと表記されている
すごい 寺の緑🟢の寺の景色が素晴らしい作品。
あっ 俺 緑色🟢 特に深緑大好きなのね だから 星🌟4でも良かったけど 出し惜しみです。
まあ 相性はあります。しかし 映画館に集った強者ども 地域の強者 意気に感じた
混沌。
一緒に心中した男女が生とその先の狭間で、記憶ないけどなんか惹かれるってチチクリあっちゃうお話。
今いる場所が多分、生の世界で、主人公たちはきっと死にたてホヤホヤで触れるしご飯も食べるしバイクも乗れるけど生きてる人には見えないっぽい。
男の方は二股なんだか人殺しなんだかわかんないけど違う女がやってくるってことは。。。
突然バイクに乗り出して『???』ってなった。
ギュゥゥゥッとしたら30分くらいで終われるかも?
綺麗な景色と自然をノッッペリと見せられた感じでした。
こっちに来てはいけません
過去の記憶が無い女と過去の記憶が無い男の恋愛物語…?
予告で記憶のない人たちが色をもとに名付けるのはわかっていたけれど、タイトル前のプロローグの一言で、なんだかどういう世界かは…。
そして目覚めたどこかの施設…佐渡金山だったんですね。
群像劇?と思わせる様なモブの話しがちょいちょいあったり、訳のわからない横槍もあったり、アイデンティティがどうのという感じもしたけれど、基本お二人のお話しで…で、何の話しだ?
言いたいことも面白さも理解力の乏しい自分にはわかりませんでした。
どうでも良いけど、速度一定スロット戻さずクラッチ握らずで音だけ変速しまくりは、スタッフ誰か指摘してあげて下さい。
あの世とこの世の狭間 佐渡の金山の跡地で 人々は記憶をなくし 仮の生業を演じながら過ごす49日のはなし なぜか素直に楽しめない
あの世とこの世の狭間
佐渡の金山の跡地で
人々は記憶をなくし
仮の生業を演じながら過ごす49日のはなし
単純に、描きたいイメージを自由に形にして並べた、美しい映像詩のようであり、それを見て感じる映画と思う。
ミニ・パフォーマンスを一か所に集めた個展のような感じ。
何も考えずにこの雰囲気に漂うにはいい。
でもどうしても現世で今映画を観ている自分としては、野暮なことをいろいろ考える。
不思議のままでいいという世界観に、説明しなくても、わからなくてもいいという
言ってしまえば辻褄も理論も不要という創作は、自由で実に楽なのでズルい。
美しい外観と高尚なイメージ。
映画というパッケージの製作過程で、集められる有名なパフォーマンスを並べて形にしたもの。
二人はこの時間だけの関係でひかれあったのか、
生前の許されなかった関係に次の世での愛を誓ったのか、
他の人々は、ゆるしの時間が与えられたのか?
かと思えば、現世のつらい場面もあったりして一貫していないのでよくわからない。
さりげなく実は高そうなかっこいい衣装や、小物や食事や、施設の見学客は何なのか。
地名をさりげなく織り込んで、この場所の魅力を自然に打ち出そうとしている姿勢は、補助金を使った町おこしなのか?
税金の無駄遣いか?
有効活用か?
そんないろんなことが隠されているような感じがして、
なぜか、素直に楽しめる映画になっていない感じがしてしまって。
思わせぶりで、カッコつけてるのが気になって仕方ないからかもしれない。
どおしても、お高くとまってるように感じるのは、現世を生きる私の”ひがみ”かも。
抽象的な舞台を観ているような美しさ
とても幻想的で、文学的、抽象的な舞台をみているような作品。
小松菜奈ちゃんも松田龍平君もただ立ってるだけで雰囲気があって、どの場面切っても写真集みたいに美しくて眼福✨。
彼らをキャスティングした監督のセンスに納得。
さまよえる魂になるのは生前の自分の選択次第。
田中泯氏の何かが降りてくるダンスがとても印象的、是非ともご覧あれ。
あとあの美少年気になるわ。
小松菜奈ちゃんは個性的な美女だと思ってたけど、想像以上に正統派美女だった。
全部のパーツが天才的に整ってんのね。
でもこれまで観たどの舞台挨拶の衣装より個性的でカッコよかった。
うーん、どこかで見たような…
ストーリーはどこかで見たような既視感が。
監督の様々な想いやこだわりは伝わるが、商業芸術としての映画という意味では残念ながら成立させるのが難しかったかもしれない。
映像はロケーションの素晴らしさも手伝って美しかったが、冒頭のズームアウトが素人っぽかったのが残念。
雰囲気あるファンタジックラブロマンス
TIFF2023コンペティション上映
スタンダードサイズで質とか出演陣が素晴らしい作品だと思います。ただ、あまりにも平坦な雰囲気で少し飽きるような危険性も感じました。その描き方もまた作品のコンセプトなんでしょうけれど・・・
スタンダードにした理由は山を撮るのに最適だと思ったからだとか─。そういえば「帰れない山lという映画も山を撮ったスタンダードサイズだったなぁと・・・でもこの作品は別に山メインじゃないからなぁ・・・でも坑道とかトンネルを捉えるのにも効果的だった気もしましたが・・・
内容は、めっちゃ「ワンダフルライフ」でした。話もコンセプトと全く違うとは思いましたが、そもそもの設定が・・・。あちらは焦点が明確だったけれど、こちらは非常に曖昧な表現で─まぁ内容よりもスクリーンの雰囲気を作り出そうという意図は分かるのですが、どうしてもキイとかミドリとかアオに集中するわけで、そこを漠然と曖昧にされてもねぇ・・・などと思ってしまいました。
しっとりとしていてなかなか味わい深い作品でしたが、格別なオリジナリティを感じなかった分、やや物足りなさを感じた次第です。
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