地上波ニュースでは伝えきれない熱がある TBS報道部門がドキュメンタリー映画を作る理由 : 特集

2022年11月11日更新

TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」の6作品を配信する「TBS DOCS ニュースの真実に迫る映画祭」が、話題の映画を月会費なしで鑑賞できるVODサービス、シネマ映画.comで開催中だ。今回は主に日本の社会、政治にかかわるラインナップで、報道に強いTBSらしい見ごたえある作品群だ。このほど、大久保竜プロデューサーに話を聞いた。

画像1

石破茂・嫌われた正論 10人の証言」「完黙 中村喜四郎 逮捕と選挙」「池袋母子死亡事故 「約束」から3年」など、現職の政治家のリアルな姿、痛ましい事件の裏側の出来事など、地上波のニュースでは報じられない、見ることのできないテーマをじっくりと深掘りする。「普段は速報ニュースを伝えている記者達が企画・監督する作品が集まっていることが特徴です。普段の地上波ニュースでは伝えきれない、記者の想いをより丁寧に時間をかけて、より深く伝えるべく、映画にした作品が揃いました」

画像2

現職のTBSの報道部門が主体となってドキュメンタリー映画を手掛けており「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」など、近年のヒットも記憶に新しい。制作過程での気づきをこう明かす。

「まだまだ様々なチャレンジ段階ではありますが、ソーシャルインパクトの高い意義深い作品作りを心がけています。ドキュメンタリーを制作していくと、『世の中の不条理』と人知れず闘っている人がいらしたり、そこに寄り添う人がいたり、取材し続けている記者は人生のハードな局面を目の当たりにすることが多くあります。そんな中におきまして、“何故、今、この作品を発信するのか?”監督や制作チーム内で常に話しながら、意義を共有した上で具現化を進めております」

画像3

これまでに劇場でリアルな映画祭も実施し、観客からはテレビ番組との感想や反響とは異なるリアクションに手ごたえを感じているそう。「様々なご意見を頂きました。『以前テレビで観たことはあったけれど、けっこう深いところまで実際には取材されていたんですね!』というご感想が多かったです。映画ですと、より丁寧に時間をかけて伝えることができるので、感想も長文で深いものが寄せられることもあります。その都度、監督とも共有しています」

画像4

1作鑑賞すると、また別の作品も観たくなるような、バラエティ豊かなタイトル、テーマも強みの一つ。取材力以外でドキュメンタリーディレクターが求められる能力について尋ねると、「『どうしても伝えたいことがあって……』『今、伝えなくてはいけないのです』という熱量がとにかくパンパなく強い人というのが第一条件」だそう。「構成、編集手法、などについては、プロデューサーやほかのスタッフがアシストできますが、熱量だけは本人次第だと思います」と数々の作品を生み出してきたプロデューサーの立場から断言する。

配信プラットフォームで、これまでの作品群をまとめて紹介することは、今回初の試みだ。「映画好きが多く集まるプラットフォームですので普段あまりドキュメンタリー映画をご覧にならない方々にもご興味を持っていただける可能性が大きいことです。まずは、少しでも多くの方々にTBS DOCSのドキュメンタリー映画を知ってほしいです」と、TBSドキュメンタリーの面白さ、そして作り手の熱意が多くの映画ファンに届くことに、期待を込めた。

画像5

一見敷居が高そうに見える硬派なテーマも、カメラが捉えるのはリアルな“人”。試しに1本でも、鑑賞してみればドラマ以上にドラマチックなそれぞれの人間模様に心を揺さぶられることは間違いないだろう。「TBS DOCS ニュースの真実に迫る映画祭」は、11月30日まで開催。

シネマ映画.comで今すぐ見る