全米映画ランキング : 2012年1月20日～2012年1月22日

先週末の全米ボックスオフィスは3本の新作がランクインし、人気シリーズの最新作「アンダーワールド　覚醒」が約2540万ドルの興収で首位デビューを飾った。

同作は、バンパイア（吸血鬼族）とライカン（狼族）の戦いを描いたアクション・ホラーの第4作。第3作には出演しなかったケイト・ベッキンセールが主人公のバンパイア・セリーンとして復帰し、バンパイア、ライカン、人間の三つ巴の戦いに身を投じていく。ベッキンセールの復帰と3D（＋IMAX）上映にしたことが功を奏したのか、オープニング興収はシリーズ第2位を記録（1位は06年「アンダーワールド：エボリューション」の約2690万ドル）。批評家受けは良くないが、上々の滑り出しを見せた。監督はジュリアン・ムーア主演「シェルター」で知られるスウェーデン出身のモンス・モーリンド＆ビョルン・スタイン。

約1900万ドルの興収で2位デビューとなったのはジョージ・ルーカス製作総指揮、キューバ・グッディング・Jr.＆テレンス・ハワード出演の「Red Tails」。第2次大戦下、アフロアメリカンの戦闘機パイロットたちが活躍した知られざる歴史に焦点を当てた戦争アクションドラマ。こちらもレビューは芳しくないが、年配男性客を集客してまずまずのスタートを切った。「アンダーワールド　覚醒」よりも観客数は上回っているとのことである。製作はルーカスの片腕リック・マッカラム。監督は「アリ」「クライシス・オブ・アメリカ」で助監督を務めたアンソニー・ヘミングウェイ。

3位は前週首位だったマーク・ウォールバーグ主演「Contraband」。10日間の累計興収は約4500万ドルとなり、最終興収は7000万ドルあたりになりそう。

そして4位には、拡大公開により36位からジャンプアップしてきた「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」がランクイン。「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」のスティーブン・ダルドリー監督が、ジョナサン・サフラン・フォア原作の同名ベストセラーを映画化。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで父親を亡くした少年オスカーの魂の彷徨が描かれる。出演は主人公オスカーに新人トーマス・ホーン。共演にトム・ハンクス、サンドラ・ブロック、ジョン・グッドマン、ビオラ・デイビス、ジェフリー・ライト、マックス・フォン・シドーら。

また5位にはスティーブン・ソダーバーグ監督が人気女性格闘家ジーナ・カラーノを主演に迎えて製作したスパイスリラー「Haywire」がランクイン。共演にマイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラス、ユアン・マクレガー、チャニング・テイタム、マイケル・ファスベンダー等、こちらも「ものすごく～」同様、豪華キャストが集結した。レビューは上々で次週以降のチャートアクションに期待がかかる。

今週末はリーアム・ニーソン＆ジョー・カーナハンの「特攻野郎Ａチーム THE MOVIE」のコンビによるサバイバルアクション「The Grey」のほか、サム・ワーシントン主演のサスペンス「崖っぷちの男」などが公開となる。

2012年1月23日更新　藤井竜太朗