山口隆 : ウィキペディア(Wikipedia)

山口 隆(やまぐち たかし、1953年 - )は、日本の建築家、建築理論家。

山口隆建築研究所主宰、日本建築学会正会員、ルーマニア科学アカデミー名誉会員、アジアデザイナー交流協会 (ADP: Asia Designer Communication Platform) 会員。ハーバード大学客員研究員、コロンビア大学客員教授、東京大学客員研究員を経て、現在に至る。

来歴

京都市生まれ(→Japanese→Profile)。京都大学では建築論研究の第一人者である加藤邦男に学ぶ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻、博士(工学)。博士論文のテーマ「ピーター・アイゼンマンの建築論 -diagramを巡る主要概念(subject, object)の考察-」。卒業後は建築家安藤忠雄に師事する。

1988年、ピーター・アイゼンマンのパートナーやコロンビア大学出身の建築家と共に理論研究グループARXを結成する。

ARXの理論家として、建築における設計主体の解体という理論を構築し、ニューヨーク、ジュネーブ、ベルリン、リスボン、日本を結び、ネットワーク上における設計活動を始める。

複数の主体がテレコミュニケーショナルに相互干渉する設計手法、1992年ベルリンシュプレーボーゲン都市開発国際コンペティションに入賞を果たし、ARXの理論を具現化する。こうした新しい試みが、ピーター・アイゼンマンによって評価され、建築理論誌 ANY(1993年)に取り上げられることにより、世界へのデビューを果たす。

「建築とは何か」といった建築論的な問題意識をもち、建築の本質的役割を追求している建築家である。

実作では静謐な作品を創り続ける一方、プロジェクトにおいては、建築にアルゴリズミックデザインを取り入れ、プログラムとロボットテクノロジーを建築に融合させるなど、新たな建築の可能性を探求しているhttps://www.amazon.co.jp/CANON-QUANTUMETRIC-量子的生成-建築書-山口隆/dp/4864174822

MIT、プリンストン大学、ミラノ工科大学、清華大学、同済大学など、世界の大学でレクチャーを行っている。

教育

2006年に、TYMDL (Takashi Yamaguchi Media Design Lab) を設立。

ハーバード大学、スタンフォード大学、コロンビア大学、MIT、プリンストン大学、清華大学などとワークショップ、レクチャー、シンポジウムを開催。

作品

出典:

  • 1998年 Glass Temple(京都市)
  • 2000年 White Temple(京都府)
  • 2004年 Metal Office(京都市)
  • 2008年 Silent Office(東京都)
  • 2009年 Breathing Factory(大阪府)
  • 2010年 House in Ise(三重県)
  • 2011年 Parametric Fragment(三重県)
  • 2012年 Koshimo+(兵庫県)
  • 2012年 S Hotel(東京都)
  • 2015年 K House(大阪府)
  • 2015年 Tea House(日本、中国)
  • 2017年 Topological Folding House(兵庫県)
  • 2018年 MOGANA(京都市)

受賞歴

  • 1992年2月 ベルリンシュプレーボーゲン都市開発国際コンペティション入賞(ドイツ、国際建築家連合 (UIA) 公認)、ARXとして参加
  • 1999年10月 SD Review 朝倉賞(日本)
  • 2001年3月 ベネディクタス賞大賞(アメリカ、アメリカ建築家協会 (AIA) 主催、UIA協賛)
  • 2004年6月 リキッド・ストーン:アーキテクチャー・イン・コンクリート展入選(アメリカ、全米建築博物館主催)
  • 2005年4月 AD 5 ans Exposition入選(フランス、VOGUE主催)
  • 2005年5月 パドヴァ国際建築ビエンナーレ バーバラ カポキン入賞(イタリア、UIA公認)
  • 2005年9月 日本建築家協会優秀建築選(日本)
  • 2005年9月 日本建築大賞ファイナリスト(日本)
  • 2005年10月 グッドデザイン賞(日本)
  • 2006年8月 ザルツブルク国際招待指名コンペ STERNBRAUEREI入選(オーストリア)
  • 2007年5月 ワールドメディアフェステバル Public Relation 部門 銀賞(ドイツ)
  • 2008年10月 グッドデザイン賞(日本)
  • 2009年10月 グッドデザイン賞(日本)
  • 2011年5月 デダロ・ミノス国際建築賞(イタリア)
  • 2011年11月 京都デザイン賞(日本)
  • 2012年9月 日本建築家協会優秀建築選(日本)
  • 2017年5月 パドヴァ国際建築ビエンナーレ バーバラ カポキン賞入選(イタリア、UIA公認)
  • 2018年3月 日本建築設計学会賞(日本)
  • 2019年5月 パドヴァ国際建築ビエンナーレ バーバラ カポキン賞入選(イタリア、UIA公認)
  • 2019年7月 Architizer A+Awardsファイナリスト(アメリカ)
  • 2019年11月 京都デザイン賞(日本)
  • 2020年2月 インターナショナル・アーキテクチャー・アワード(アメリカ)

国際シンポジウム

  • 2004年 北京国際建築ビエンナーレ / 21世紀における都市と建築の新たな形態の創出 / 北京人民芸術劇院
  • 2005年 パドヴァ国際建築ビエンナーレ / アーバン・デモクラシー 「良質なる建築と都市」/ イタリアパドヴァ大学
  • 2005年 ペルー建築国際会議/ 衝突する時間・建築ー未来への啓蒙 / ペルー カトリック大学
  • 2007年 フランチェスコ・ダル・コー 記念シンポジウム / 建築論および建築史を巡って / イタリア文化会館
  • 2008年 ケネス・フランプトン 記念シンポジウム / 現代建築批評 ― テクトニックを巡って/ 東京国際交流館
  • 2008年 コロンビア大学 Knowledge City - 都市変換 / 大阪産業大学
  • 2010年 パドヴァ 国際建築ビエンナーレ バーバラ・カポキン賞 日本巡回展記念シンポジウム / イタリア文化会館
  • 2011年 コロンビア大学 アルゴリズミックデザインを越えて / 大阪中之島公会堂
  • 2012年 ピーター・アイゼンマン、サンフォード・クインター 記念シンポジウム / 大阪中之島公会堂
  • 2015年 MONOZUKURI / 大阪産業大学、高野山大学、東京大学
  • 2017年 ROBOTIC ARCHITECTURE -未来の建築はロボットになる- / グランフロント大阪ナレッジキャピタル
  • 2017年 ART vs ARCHITECTURE -Technology- / グランフロント大阪ナレッジキャピタル
  • 2018年 Toward Singularity / CASO、ASJ TOKYO CELL、京都大学

展覧会

  • 1992年 ドイツ ベルリンシュプレーボーゲン都市開発国際コンペ入選展 / 議会議事堂, ベルリン
  • 1992年 ドイツ ベルリンシュプレーボーゲン都市開発国際コンペ入選展 / ボン国際会議場,ドイツ
  • 1992年 ドイツ ベルリンシュプレーボーゲン都市開発国際コンペ入選展 / ニューヨークアーキリーグ,アメリカ
  • 1995年 "digit" SPIRAL -Interactivity and Digital Art- / スパイラルホール,東京
  • 1998年 山口隆建築展 / Glass Temple, 日本
  • 1999年 18回 SD Review / 日本
  • 2000年 TAKASHI YAMAGUCHI 展 / アイントフォーフェン工科大学, オランダ
  • 2001年 TAKASHI YAMAGUCHI 展 / ヘルシンキ芸術大学, フィンランド
  • 2002年 TAKASHI YAMAGUCHI 展 / CAS : Contemporary Art and Spirits, 日本
  • 2004年 リキッドストーン展:New Architecture in Concrete / 全米建築博物館, アメリカ
  • 2004年 北京国際建築ビエンナーレ / 中国
  • 2004年 デザイナーズ ウィーク展 / 日本
  • 2005年 AD 5 ans Exposition / フランス国立図書館, パリ, フランス
  • 2005年 グッドデザイン賞 展覧会 / 日本
  • 2005年 国際ビエンナーレ バーバラ・カポキン賞 展覧会 / パドヴァ, イタリア
  • 2006年 ザルツブルク Reinberg 国際コンペティション展覧会 / オーストリア
  • 2007年 パラレル日本 -現代日本建築展- 1996-2006 / 東京都写真美術館, 日本
  • 2007年 TAKASHI YAMAGUCHI 展 / イオン・ミンク都市工学建築大学, ルーマニア
  • 2008年 グッドデザイン賞 展覧会 / 日本
  • 2009年 グッドデザイン賞 展覧会 / 日本
  • 2009年 Arquitectura Japonesa desde miradas argentinas / アルゼンチン
  • 2010年 Contemplating the Void / グッゲンハイム美術館 NY, アメリカ
  • 2010年 国際建築ビエンナーレ バーバラ・カポキン賞 日本巡回展 / イタリア文化会館, 日本
  • 2011年 デダロ・ミノス国際建築賞展覧会/ イタリア
  • 2012年 GA Houses Projects 2012 / GAギャラリー, 日本
  • 2012年 Vertical Urban Factory: East Asia Exhibition / ニューヨーク大学, ニューヨーク市, アメリカ
  • 2012年 GOD[S] A User's Guide / パリ,フランス
  • 2013年 アルゴリズミック建築展 / 大阪
  • 2014年 TYMDL映像作品展 / グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル,大阪
  • 2015年 山口隆建築展 -云里方圆- / 上海,中国
  • 2016年 山口隆建築展 -SEXY TECHNOLOGY- / 東京
  • 2017年 ROBOTIC ARCHITECTURE-未来の建築はロボットになる-/ 大阪
  • 2017年 バルバラ・カポチン国際建築ビエンナーレ / パドヴァ,イタリア
  • 2018年 ADP Design Tour in Tokyo / 東京
  • 2018年 ADP Design Tour in Hong Kong / 香港
  • 2019年 Toward Singularity / 東京、大阪
  • 2021年 Subject-Object, QUANTUMETRIC / 東京
  • 2022年 Subject-Object, QUANTUMETRIC / 大阪

著書

  • STRATA vol.1 -TAKASHI YAMAGUCHI- (Gallery O) 1998
  • Above Under | Here and There (王立アイントホーフェン工科大学出版会) 2000
  • ネットワークプラクティス: 建築とデザインにおける新たな戦略(鹿島出版会、Network Practices: Japanese translation)2014。ISBN : 978-4306046016
  • Diagram-Side Out (株式会社総合資格) 2016。ISBN: 978-4864171861
  • ROBOTECTONIC(株式会社総合資格)2020。ISBN: 978-4864173452
  • アイゼンマンの建築論+QUANTUMETRIC(株式会社総合資格)2021。ISBN: 978-4864174251
  • QUANTUMETRIC(株式会社総合資格)2022。ISBN: 978-4864174824

出版

  • 1993年 Architecture New York: ANY / US
  • 1999年 l'architecture d'aujourd'hu : AA / France
  • 1999年 Lotus International / Italy
  • 1999年 Aspa / Netherlands
  • 1999年 Oz Journal / US
  • 1999年 DETAIL / Germany
  • 2000年 METROPOLIS / US
  • 2001年 DETAILS IN ARCHITECTURE / Netherlands
  • 2001年 Deutsche BauZeitschrift / Germany
  • 2001年 Lotus International / Italy
  • 2001年 ARCHITECTURAL RECORD / US
  • 2001年 l'ARCA / Italy
  • 2002年 Techniques architecture / France
  • 2002年 Oz Journal / US
  • 2002年 CASABELLA / Italy
  • 2002年 l'architecture d'aujourd'hui / France
  • 2002年 1000 Architects / Australia
  • 2002年 Minimal Architecture / Spain
  • 2002年 DETAIL / Germany
  • 2002年 wallpaper / UK
  • 2003年 Architecture Viva / Spain
  • 2003年 Architectural Digest / France
  • 2003年 Religious : Spiritual Buildings / UK
  • 2003年 Social Spaces / Australia
  • 2004年 DETAIL / Germany
  • 2004年 VOGUE / France
  • 2004年 New Sacred Architecture / UK, Spain
  • 2005年 Meditative Spaces / UK, US, Japan
  • 2005年 DETAIL / Germany
  • 2005年 Kosmos / US
  • 2005年 Architecture+ / UAE
  • 2005年 COLORFULNESS / China
  • 2005年 Office Space / Spain
  • 2005年 ECHO / Ukraina
  • 2005年 l'ARCA / Italy
  • 2005年 ELLE Decor / Russia
  • 2005年 Architexture / Romania
  • 2005年 Architects' Journal / UK
  • 2006年 Architexture / Romania
  • 2006年 Specifier Magazine/ Australia
  • 2006年 ABITARE / Italy
  • 2006年 The Best Interior Magazine / Moscow
  • 2006年 CASABELLA / Italy
  • 2006年 Deutsche BauZeitschrift / Germany
  • 2007年 JA -Japan Architects- / Japan
  • 2007年 CASABELLA / Italy
  • 2007年 + arquitectura / Portugal
  • 2007年 New Oriental Style / Japan
  • 2007年 Arhitectura / Romania
  • 2008年 Work. Best of Interior Design / Germany
  • 2008年 21st Century Architecture / UK
  • 2008年 Igloo / Finland
  • 2008年 Block Magazine / Canada
  • 2008年 Loft - Wrought Iron / Spain
  • 2008年 1000 landscape / Germanys
  • 2009年 architecture & interiors DETAIL / Korea
  • 2009年 Architecture & Detail / China
  • 2009年 DOMES Architecture Review / Greece
  • 2009年 Katei Gaho International Edition
  • 2009年 FRAME / Netherlands
  • 2009年 The Dictionary of Visual Language / HK
  • 2009年 21st Century World Architecture / China
  • 2009年 Hinge / HK
  • 2009年 Closer to God / Germany
  • 2010年 21st Century Houses / Australia
  • 2010年 Hinge / HK
  • 2010年 GA HOUSES 119 / Japan
  • 2011年 GA HOUSES 122 / Japan
  • 2011年 MARU / Korea
  • 2011年 Urbanism and Architecture / China
  • 2012年 cenTras / Lithuania
  • 2012年 GA HOUSES 125 / Japan
  • 2012年 2012 COMFORTABLE HOUSES / China
  • 2014年 Encyclopedia of Detail in Facade / China
  • 2014年 DETAIL / Germany

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/21 10:39 UTC (変更履歴
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