井上真央 密着 : 【後編】井上真央、不動の国民的女優に向け踏み出した大いなる一歩

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井上真央

2012年11月19日更新

【後編】井上真央、不動の国民的女優に向け踏み出した大いなる一歩

11月7日に行われた女性限定 試写会では大人の装いで登場11月7日に行われた女性限定
試写会では大人の装いで登場

また、女優・井上真央にとって大きな影響を与えたのが檀ふみだ。小学生時代の井上が、初めて女優として対等に接してくれたと実感した人物だそうで「すごく頭がよくて、『女優さんは頭が良くなくではならない。後で後悔しても遅いから、勉強はした方がいい』と教えてくださったんです。一緒に遊んでくれたりもしましたが、着物の着方や所作など、いろいろと教えてくださいました。あの言葉があったから、幼いながらも学校にはちゃんと行きたいと思いましたね」と感謝の思いを口にした。

その“教え”があったからこそ、井上は高校~大学時代も懸命に勉強し、仕事と学業の両立を成し得た。学生時代は、友人と教諭に誰よりも恵まれたと明言。「私が一生懸命やればやるほど応援してくれましたし、この仕事を認めてもらうには学校の方も頑張らなければならないと思っていました。それに、最初は友だちにお願いしてやってもらっていたことを、頼まずに協力してくれていると、さらに自分が頑張らなければ友だちにも悪いと感じていました。これだけ『頑張って!』と期待してくれている先生方の応援にも応えたいという気持ちが、原動力になりました」

映画やドラマで主演という名の“座長”を経験し、積み上げてきたことで井上の胸中にも変化が生じてくる。映画での主演は今作で5本目となるが、「主演をやらせていただいたことで、責任感や現場での振舞い方についても考えるようになりましたね。昔は自分のことで精いっぱいでしたから、他のことを考える余裕もありませんでしたから。まだまだかもしれませんが、自分なりに周囲に気を配ることも含めて責任感は生まれてきているんじゃないかなと感じています」と、揺るぎない口調で話す。

大分での大ヒット祈願大分での大ヒット祈願[拡大画像]

そんな井上に対し、今作で初タッグとなった水田監督は大分ロケで「コメディって、演じてくださる俳優さんのふり幅が大きくないと成立しないもの。真央ちゃんとは初仕事ですが、ふり幅の大きさの中に“心”があるんです」と一点の濁りもない信頼ぶりで称えていた。一方の井上は、水田監督に対し「どんな方か想像がつきませんでした。すごいコメディを撮るかと思えば、『Mother』(松雪泰子芦田愛菜出演)のようにシリアスな作品も撮られる。一体どんな方なんだろう……と思っていたら、人としてすごく素敵な方でした」と最敬礼だ。

現場でも、カットがかかるや井上や松坂らがカメラチェックをする水田監督のもとまで走り寄り、その場で打ち合わせ。水田監督が穏やかな物腰で説明をすると、スタッフは機敏な動きでその期待に応えようとする。井上も現場の雰囲気の良さを体感し、「監督がいるだけで引き締まるんですが、だからといって誰にも嫌な気持ちをさせないんです。監督が率先して現場を作ってくださるので、私たちも信頼してお芝居ができました。水田さんが信頼を寄せてくださるので、私たちも!という気持ちになりましたね」と振り返った。

第25回東京国際映画祭での舞台挨拶 ハプニング後も笑顔を絶やさず第25回東京国際映画祭での舞台挨拶
ハプニング後も笑顔を絶やさず
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撮影中だけでなく、公開に向けたプロモーションの場でも、井上の周囲には絶えず笑顔があった。それは、主演として井上が周囲への気遣いを忘れなかったことも一因といえる。共演陣からも、「年下なのに頼りがいがある。安心できてしまう」(玉山鉄二)、「とにかく軸がぶれない」(浅茅)、「ふだんの真央ちゃんは世の中の方々が抱いている印象とまったく変わらない」(犬山)と賛辞の声が届いている。

この賛辞を裏付ける出来事が、第25回東京国際映画祭で起こった。特別招待作品として上映された同作は10月25日、井上をはじめとするキャストが登壇したが、舞台挨拶中に熱狂的なファンが井上に握手を求め壇上に乱入。ファンはスタッフに取り押さえられ、井上にもケガはなかったが、この場で誰よりも落ち着いていたのが他でもない、井上だった。連行するスタッフに「お手柔らかに」と笑顔で声をかけ、凍りついた会場の空気を和ませた立ち居振る舞いは多くのファンを感激させた。

本サイトでは、舞台挨拶前に近隣のホテルでキャストのために行われた進行説明の場に居合わせる機会を得たが、関係者を含む全員の表情は真剣そのもの。東宝の宣伝プロデューサーの言葉に、力強くうなずく井上の表情も然り。経験を重ねることで舞台挨拶に立つ機会は増えても、人前で話すことに慣れることはない。それでも入念な準備を怠らないからこそ、プロフェッショナルとしての臨機応変な対応も取れる。それは、撮影でも同じことがいえる。現場のスタッフを無条件で信頼する井上の姿からは、「滅私」という言葉が浮上する。

チビッ子たちにも大人気チビッ子たちにも大人気[拡大画像]

「滅私」。私心をなくし、私利私欲を捨て去ること。井上の胸中の根底には、「まず現場の人たちに認められなければならない」という思いがある。作品をより良いものにするため、なじみのスタッフ、初見のスタッフに対し「この役に対して、こういう気持ちでぶつかります!というような意思、気持ちを見せないと認めてもらえないじゃないですか。だから、いまだにクランクイン前日や初日には胃が痛くなりますね」。だからこそ、献身的とすら思える現場での溶け込み具合からは私利私欲を感じさせず、今後もその姿勢は変わることがないだろう。

今年は第35回日本アカデミー賞で、「八日目の蝉」での演技が評価され最優秀主演女優賞を受賞。同映画賞では初の受賞となり、「映画に貢献できる役者になっていきたいと思います。この賞を誇りに、自信に変えて頑張っていきたい」と語ったが、その後の井上に浮かれた気持ちは一切ない。この1年を「本当にすごくいろいろな分野を経験できた年ですね。いろいろな方に出会えて、こんな世界もあるんだなあ…と感じることもできた充実した年」と述懐。来年については、「どうなるんでしょうね(笑)。去年も同じことを考えていました。朝ドラで素晴らしい時間を過ごせて、紅白で締めくくったこともあり『来年はどうなっちゃうんだろう』って。今、また思っています」と想像がつかない様子だ。

だが、周囲の期待は天井知らず。井上も、「皆さんがまるで親のように『こういう作品をやった方がいい』とか『この作品はあなたにとって良かったと思う』と言ってくださいますし、自分以上に自分のことを考えてくださることがうれしいですね」と喜んでいる。今後は、タッグを組んだことのない監督との仕事も希望しており「自分の持っているものを崩したり、崩されたり、壊されたいなあと感じています。私は追い詰められた方がいいのかなって思ったりしますしね」と新たな自己との“対面”に、期待に胸を膨らませている。具体的には、「ヴァイブレータ」「雷桜」「だいじょうぶ3組」の廣木隆一監督の名を挙げる。「廣木監督の作品を見ていると、役者さんたちが自然体でお芝居をしているっていう感覚がしないんです。お芝居をしないで表現する新境地を経験してみたいですね。自分のクセでお芝居をしてしまうことがあるので、そういう監督に出会えたらいいなあと思っています」。自らを冷静に見つめられる点も、浅茅が井上を評する「軸がぶれない」こととつながる。2013年も、映画.comは井上の姿を追い続ける。

大充実の2012年、13年はどんな年に?大充実の2012年、13年はどんな年に?
第3回更新分へ続く
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