松田寛夫 : ウィキペディア(Wikipedia)

松田 寛夫(まつだ ひろお、1933年9月3日『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.559 - 2022年3月24日)は、日本の脚本家。

人物

京都市出身。松田定次松浦築枝の養子。京都大学文学部卒業。

1958年、東映に入社。早くからチーフ助監督になるが、組合委員長として契約者の組織化などに働き、常にひと言多いクセがたたり、岡田茂プロデューサーと喧嘩し、助監督を棒に振って東映東京撮影所に飛ばされた。

1967年に脚本家デビュー。当初はヤクザ映画やアクション映画の脚本を執筆していたが、次第に時代劇、ドラマと幅を広げていき、テレビドラマにも進出した。東映の脚本家は数名の共作で執筆することが多いが、比較的早くから単独執筆の映画に恵まれている。特に後年には、『花いちもんめ。』『社葬』などのオリジナル脚本でしばしば高い評価を受けた。

1985年、映画『花いちもんめ。』で第9回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、1989年、『社葬』で第44回毎日映画コンクール脚本賞を受賞。

2022年3月24日午前、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去。。死去は4月1日に東映が発表した。

主な作品

※は共作

映画

  • 網走番外地 大雪原の対決(1966年)
  • 恐喝こそわが人生(1968年)
  • 黒薔薇の館(1969年)
  • めくらのお市 地獄肌(1969年)
  • 博徒外人部隊(1971年)
  • 女囚701号/さそり(1972年)
  • 人斬り与太 狂犬三兄弟(1972年)
  • 女囚さそり 第41雑居房(1972年)
  • 実録 私設銀座警察(1973年)
  • 女囚さそり けもの部屋(1973年)
  • 前科おんな 殺し節(1973年)
  • 女囚さそり 701号怨み節(1973年)
  • 0課の女 赤い手錠(1974年)
  • 安藤組外伝 人斬り舎弟(1974年)
  • 必殺女拳士(1976年)
  • 横浜暗黒街 マシンガンの竜(1976年)
  • 新宿酔いどれ番地 人斬り鉄(1977年)
  • 日本の仁義(1977年)
  • 仁義と抗争(1977年)
  • 柳生一族の陰謀(1978年)
  • 宇宙からのメッセージ(1978年) 原案兼
  • その後の仁義なき戦い(1979年)
  • 甦れ魔女(1980年)
  • 徳川一族の崩壊(1980年) 原案兼
  • 誘拐報道(1982年)
  • 序の舞(1984年)
  • 花いちもんめ。(1985年) - 第9回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞
  • 道(1986年)
  • 夜汽車(1987年)
  • 花園の迷宮(1988年)
  • 将軍家光の乱心 激突(1989年) 原作兼
  • 社葬(1989年)
  • 遺産相続(1990年)
  • 略奪愛(1991年) 原作兼
  • 継承盃(1992年)
  • 天国の大罪(1992年)
  • 新・極道の妻たち 惚れたら地獄(1994年)
  • 東雲楼・女の乱(1994年)
  • プライド・運命の瞬間(1998年)

テレビドラマ

  • ジャイアントロボ(1967年 - 1968年、NET)
  • バンパイヤ(1968年 - 1969年、フジテレビ)
  • 河童の三平 妖怪大作戦(1968年 - 1969年、NET)
  • 花と狼(1969年、フジテレビ)
  • プレイガール(1969年 - 1971年、東京12チャンネル)
    • 第33回「ギャング子守唄」
    • 第36回「女の肌は二度燃える」
    • 第50回「美少年仁義」
    • 第61回「女のすご腕」
    • 第78回「暗黒街の美少年」
    • 第92回「女は裸でグァム島航路」
  • 江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎(東京12チャンネル)
    • 第17回「夜の墓場に踊る美女 夢遊病者の死より」(1970年8月1日)
  • 火曜日の女シリーズ(日本テレビ)
    • 「逃亡者 -この街のどこかで-」(1970年10月6日 - 11月17日)
    • 「蘭の殺人」(1970年11月24日 - 12月29日)
  • 土曜日の女シリーズ(日本テレビ)
    • 「明日に喪服を」(1973年5月19日 - 6月30日)
  • 白い牙(1974年、日本テレビ)
  • 影同心II(1975年 - 1976年、毎日放送)
  • 土曜ワイド劇場(テレビ朝日)
    • 「危険な愛情 夫が妻を殺す時」(1980年5月17日)
    • 「第三の来訪者 危険な結婚」(1981年2月14日)
    • 「北海道殺人事件 わたしの婚約日記」(1981年7月11日)
    • 「ヒット曲は殺しのテーマ 忘れない女」(1982年3月13日)
    • 「妻と愛人の決闘 アリバイ証明」(1982年5月1日)
    • 「豪華ヨットの花嫁 500億財産を乗っ取れるか!? 車椅子に死体を乗せて…」(1984年10月27日)
  • 春の傑作推理劇場「ラストチャンス」(1982年1月28日、テレビ朝日)
  • 火曜サスペンス劇場(日本テレビ)
    • 「軽蔑 私は夫のあの目が許せない」(1984年10月9日)原作、「明日に喪服を」のリメイク。
  • となりの女(1988年、フジテレビ)
  • 金曜ドラマシアター「社葬 女たちの野望」(1991年10月18日、フジテレビ)原作、映画『社葬』のリメイク。
  • 柳生一族の陰謀(2008年9月28日、テレビ朝日)原作、映画のリメイク。

関連項目

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/25 04:04 UTC (変更履歴
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