トニー・リチャードソン : ウィキペディア(Wikipedia)

トニー・リチャードソン(Tony Richardson, 1928年6月5日 - 1991年11月14日)は、イギリス出身の映画監督・映画プロデューサーである。

略歴

コリン・ウィルソン、ジョン・オズボーン、キングズリー・エイミス、ジョン・ウェインアラン・シリトーら「怒れる若者たち」の作家たちと同世代で、彼等の作品を多数映画化したリチャードソンは、イギリス映画界の「ニュー・ウェイヴ」の一員と呼ばれた。

オックスフォード大学卒業。テレビで仕事をした後、イングリッシュ・ステージ・カンパニーを設立。ジョン・オズボーンの戯曲、『怒りを込めて振り返れ』(1956)、『寄席芸人』(1957)、『ルター』(1961)などを演出。

ドキュメンタリー映画を撮った後、初の長編監督作品は、オズボーンの代表作『怒りを込めて振り返れ』(1958)で、オズボーンは脚本も担当した。また、カレル・ライス監督によるシリトー作品の映画化『土曜の夜と日曜の朝』(1960)をプロデュース。監督作、『長距離ランナーの孤独』もシリトーの作品が原作である。

シニカルで、ブラック・ユーモアあふれる作品を、多く撮った。

1963年の『トム・ジョーンズの華麗な冒険』でアカデミー監督賞を受賞した。

1962年に女優のヴァネッサ・レッドグレイヴと結婚し、ナターシャジョエリーの2人の娘をもうけるが、『マドモアゼル 』の撮影でジャンヌ・モローと恋に落ち、1967年にレッドグレイヴと離婚している。

バイセクシュアルだった。1991年、エイズによる合併症のため死去。死を看取ったのはジャンヌ・モローだった。

主な監督作品

  • 怒りを込めて振り返れ Look Back in Anger (1958) 原作・脚本:ジョン・オズボーン
  • 土曜の夜と日曜の朝 (1960) 製作のみ
  • 寄席芸人 The Entertainer (1960) 原作・脚本:ジョン・オズボーン
  • 蜜の味 A Taste of Honey (1961)
  • サンクチュアリ(1961)
  • 長距離ランナーの孤独 The Loneliness of the Long Distance Runner (1962) 原作・脚本:アラン・シリトー
  • トム・ジョーンズの華麗な冒険 Tom Jones (1963) 原作:ヘンリー・フィールディング『トム・ジョーンズ』 脚本:ジョン・オズボーン
  • ラブド・ワン The Loved One (1965) 原作:イヴリン・ウォー『囁きの霊園』 脚本:テリー・サザーンクリストファー・イシャーウッド
  • マドモアゼル Mademoiselle (1966) 脚本:ジャン・ジュネマルグリット・デュラス
  • ジブラルタルの追想 The Sailor from Gibraltar (1967)
  • 遥かなる戦場 The Charge of the Light Brigade (1968) エロール・フリン主演の「進め龍騎兵」をはじめ、これ以前に3回映画化されていたクリミア戦争の英雄劇を、シニカルに描いた。
  • 悪魔のような恋人 Laughter in the Dark (1969) 原作:ウラジミール・ナボコフ
  • ハムレット Hamlet (1969)
  • 赤と白とゼロ (1969)
  • 太陽の果てに青春を (1970)
  • 大本命 (1974)
  • ジョゼフ・アンドルーズの大逆転 -苦難と冒険の物語 (1977) 原作:ヘンリー・フィールディング 『ジョゼフ・アンドリュース』
  • 僕は殺していない (1978) テレビ映画
  • ボーダー (1981)
  • ホテル・ニューハンプシャー The Hotel New Hampshire (1984) 原作:ジョン・アーヴィング
  • ラブ・アフェアー (1990) テレビ映画
  • オペラ座の怪人 The Phantom of the Opera (1990) テレビ映画
  • ブルースカイ Blue Sky (1994)

外部リンク

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