曽利文彦 : ウィキペディア(Wikipedia)
曽利 文彦(そり ふみひこ、1964年5月17日 - )は、日本の映画監督、CG監督、映像クリエイター。大阪府出身。OXYBOT株式会社取締役会社概要OXYBOT株式会社、2017年5月27日閲覧。。
略歴・人物
両親は広島県三次市の出身中国新聞朝刊、2007年8月9日16面。映画『未知との遭遇』に強い感銘を受け公開講座:映画『ICHI』曽利文彦監督が明かす映画の舞台裏!デジタルハリウッド大学、2017年5月27日閲覧。、中学生の頃には既に映画監督を志望。学生時代はパソコン上でCGのプログラムを組むといった、CG制作に関するスキルを身に着けていた。
1986年、TBSテレビに入社し、5年間電波設備の設計やアンテナ設置の仕事に就くが、のちに設立されたTBS開発局デジタル開発センターCG部(以下、TBS・CG部)に異動になったことにより、映画制作への道を歩み始める。1996年に社費留学制度を用いアメリカ・南カリフォルニア大学に入学、同大学で映画学科を専攻した。1997年、在学中にアメリカのVFX会社デジタル・ドメインにて、映画『タイタニック』にCGアニメーターとして参加。その後帰国し、映画『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(2000年)など多くの劇場作品で、VFXスーパーバイザーを務めたほか、テレビドラマでも『ビューティフルライフ』(2000年)、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)等のドラマで、タイトルバックやVFXシーンを手がけた。
2002年の『ピンポン』で映画監督デビュー『ピンポン』では、自身がデジタル・ドメインに務めていた際、ジェームズ・キャメロン監督との出会いによって得られた体験が基になっていると曽利はインタビューで語っている。。第26回日本アカデミー賞にて優秀作品賞、優秀監督賞を受賞、第24回ヨコハマ映画祭にて新人監督賞を受賞。2004年には、自身初の3DCGアニメ映画『APPLESEED』をプロデュース。モーションキャプチャー(実際の役者の演技をCGキャラクターに反映させる技術)とトゥーンレンダリング(3DCGのキャラクターをセルアニメ調に変換する技術)を組み合わせた「3Dライブアニメ」という独自の手法で注目を集めた。同年12月、所属していたTBS・CG部の主要メンバーらと共に映画制作会社OXYBOTを設立し、同社の取締役に就任した。2007年8月には「3Dライブアニメ」による作品の第二弾となる『ベクシル 2077日本鎖国』にて監督・脚本を務める。この映画はOXYBOTとしては初めて同社が手掛ける長編アニメーション作品となり、第60回ロカルノ国際映画祭のオープニング作品に選ばれた他、ロンドン国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭など多くの映画祭に招待された松野忠雄, 曽利文彦、5.『ベクシル2077日本鎖国』におけるCG制作~フルCG映画制作の舞台裏~ 『映像情報メディア学会誌』 2009年 63巻 2号 p.166-169, 。。その後も映画制作のみならず、2009年10月にはドリカム20周年ライブビデオ『20th Anniversary DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2009 "ドリしてます?"』の映像監督を務めるなど活動の場を広げている。
作品リスト
映画
- ピンポン(2002年)監督
- ICHI(2008年)監督
- あしたのジョー(2011年)監督
- 鋼の錬金術師(2017年)脚本・監督
- 鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成(2022年)脚本・監督
- 八犬伝(2024年公開予定)脚本・監督
アニメーション
- 劇場用作品
- APPLESEED(2004年)プロデュース
- ベクシル 2077日本鎖国(2007年)監督・脚本
- ドラゴンエイジ -ブラッドメイジの聖戦-(2012年)監督
- OVA
- TO(2009年)監督
テレビドラマ
- 私の運命(1994年-1995年、TBS) CG
- 未成年(1995年、TBS) CG
- 天国に一番近い男(1999年-2000年、TBS) CG
- ケイゾク(1999年、TBS) CG
- 美しい人(1999年、TBS) CG
- ビューティフルライフ(2000年、TBS) CG
- 池袋ウエストゲートパーク(2000年、TBS)CG
- QUIZ(2000年、TBS)CG
- ハンドク!!!(2001年、TBS)CG
- 真夜中の雨(2002年、TBS)CG
- Stand Up!!(2003年、TBS) CG
- GOOD LUCK!!(2003年、TBS)CG
- Happy!(2006年、TBS) CG
- 南極大陸(2011年、TBS) VFX
ミュージックビデオ
- SunMin thanX Kubota「Keep Holding U」(2006年)
- SunMin「Will」(2008年)
- DREAMS COME TRUE「その先へ」(2009年)
- MISIA 「君のそばにいるよ」(2017年)
ライブビデオ
- DREAMS COME TRUE
- 20th Anniversary DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2009 "ドリしてます?" (2009年)
- 史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2011 (2011年)
受賞歴
- 第26回日本アカデミー賞優秀作品賞 - 『ピンポン』
- 第26回日本アカデミー賞優秀監督賞 - 『曽利文彦』
- 第24回ヨコハマ映画祭新人監督賞 - 『曽利文彦』
- 第17回フィラデルフィア映画祭ベストアニメーション賞(the best animation feature) - 『ベクシル 2077日本鎖国』animenewsnetwork、Vexille Wins Animation Award at Philadelphia Film Fest、2008年5月10日
注釈
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/03/15 04:33 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.