ジャン=ルイ・トランティニャン : ウィキペディア(Wikipedia)

ジャン=ルイ・トランティニャンJean-Louis Trintignant, 1930年12月11日 - 2022年6月17日)は、フランス・ヴォクリューズ県出身の俳優。

来歴

法律家を志していたが、20歳を過ぎてから興味を持った演劇やダンスを学び1955年に映画デビュー。知的で温厚な個性を発揮、数多くの青春映画や犯罪映画に主演、『男と女』や『フリック・ストーリー』などが当たり役となった。また舞台ではシェイクスピア劇などに出演した。

ミヒャエル・ハネケクロード・ルルーシュエリック・ロメールフランソワ・トリュフォージャン=リュック・ゴダールアラン・ロブ=グリエベルナルド・ベルトルッチエンキ・ビラルパトリス・シェローら玄人好みの映像作家的な監督らと多数組み、代表作を残す。中でも『アンジェリク』シリーズ、『殺しが静かにやって来る』、『男と女』、『悲しみのヴァイオリン』などが知られている。またカルト的支持の高いSF映画『バンカー・パレス・ホテル』、人間群像劇『愛する者よ、列車に乗れ』で主演を務めた。昨今に至っても衰えを知らず、齢70を過ぎても活躍していた。

2018年に前立腺がんと診断されたが、治療を拒んでいた。そのためか、2021年11月の段階では視力も衰え、歩行もままならないほど衰えていた。そして2022年6月17日、 ガール県ユゼスにある自宅で家族に看取られながら静かに息を引き取った。91歳没。

私生活

叔父はF1レーサーのモーリス・トランティニャンである。自身もレーサーとしても知られているが、2007年にバイク事故を起こしている。

女優のステファーヌ・オードランと最初の結婚をするが映画『素直な悪女』で共演したブリジット・バルドーとの撮影中にした浮気が発覚し離婚。映画監督のナディーヌ・トランティニャンと二度目の結婚し、一男二女をもうけるも離婚。二度目の妻との間に出来た次女は乳児期に病死し、長女のマリー・トランティニャンは女優となったが、2003年に恋人でロックミュージシャンのベルトラン・カンタに暴行を受け急逝した。マリーの息子ロマン・コリンカジュール・ベンシェトリは俳優となり、ジュールは父親である監督の映画『アスファルト』などに出演している。

主な出演作品

公開年邦題原題監督役名備考
1955 空と海の間にSi tous les gars du mondeクリスティアン=ジャック ジャン=ルイ
1956 街の仁義La loi des rues イヴ
素直な悪女 Et Dieu... créa la femmeロジェ・ヴァデム ミシェル
乙女の館Club de femmes ミシェル
1959 危険な関係 Les Liaisons dangereusesロジェ・ヴァデム ダンスニー
激しい季節 Estate violentaヴァレリオ・ズルリーニ カルロ・カレモーリ
1961 アトランタイドAntinea, l'amante della città sepolta ピエール
1962 新7つの大罪 Les Sept péchés capitauxLa luxure”オムニバス*ジャック・ドゥミ
追い越し野郎Il sorpassoディノ・リッシ ロベルト
スエーデンの城 Château en Suède ロジェ・ヴァデム エリック
1964 マタ・ハリMata Hari, agent H21ジャン=ルイ・リシャール
1965 七人目に賭ける男Compartiment tueurs エリク
1966 男と女 Un homme et une femmeクロード・ルルーシュ ジャン・ルイ
殺人プロデューサーSafari diamants ラファエル
1967 消される男Un homme à abattre ラファエル
危険な恋人 Col cuore in gola
ヨーロッパ横断特急Trans-Europ-Expressアラン・ロブ=グリエ
1968 殺しを呼ぶ卵La morte ha fatto l'uovo マルコ
女鹿 Les Bichesクロード・シャブロル ポール・トーマス
恋びとMon amour, mon amourナディーヌ・トランティニャン
殺しが静かにやって来る Il grande silenzioセルジオ・コルブッチ サイレンス
女性上位時代 La Matriarcaパスカル・フェスタ・カンパニーレ カルロ・デ・マルキ博士
嘘をつく男 L'homme qui ment アラン・ロブ=グリエ ベルリン国際映画祭 男優賞 受賞
1969 孤独なアメリカ人L'américain ブルーノ
Z Zコスタ・ガヴラス 判事 カンヌ国際映画祭 男優賞 受賞
モード家の一夜 Ma nuit chez Maudエリック・ロメール ジャン=ルイ
甘く危険な女Così dolce... così perversa ジャン
1970 暗殺の森 Il Conformistaベルナルド・ベルトルッチ マルチェッロ・クレリチ
流れ者Le voyouクロード・ルルーシュ
1971 刑事キャレラ/10+1の追撃Sans mobile apparentフィリップ・ラブロ ステファン・キャレラ
1972 狼は天使の匂い La Course du lièvre à travers les champsルネ・クレマン トニー
影の暗殺者/フランスの陰謀L'attentat
1973 パリから来た殺し屋Un homme est mort ルシアン
離愁 Le Train ピエール・グラニエ=ドフェール ジュリアン
1974 暗殺の詩/知りすぎた男どもは、抹殺せよ Le Secretロベール・アンリコ
1975 危険な戯れLe jeu avec le feu アラン・ロブ=グリエ フランツ/フランシス
ヘルバスター L'Agression
フリック・ストーリー Flic Story ジャック・ドレー   エミール・ビュイッソン
サンチャゴに雨が降る Il pleut sur Santiago 上院議員
1976 タタール人の砂漠Il deserto dei tartariヴァレリオ・ズルリーニ 軍医ロヴィン
1978 銀行/銀色の愛情 L'Argent des autres アンリ
1979 メランコリー・ベビー Melancoly Baby ピエール
1980 華麗なる女銀行家 La Banquièreフランシス・ジロー バニステール
1982 流血の絆/野望篇Le Grand pardon 警視
1983 日曜日が待ち遠しい! Vivement dimanche!フランソワ・トリュフォー
ザ・クライム/陰謀の罠La crimeフィリップ・ラブロ
アンダー・ファイア Under Fireロジャー・スポティスウッド マルセル・ジャジー
1984 ヴィバラビィ Viva la vie!クロード・ルルーシュ
1985 遠い日の家族 Partir, revenir クロード・ルルーシュ
ランデヴー Rendez-vousアンドレ・テシネ
1986 男と女II Un homme et une femme, 20 ans déjàクロード・ルルーシュ ジャン=ルイ
1987 悲しみのヴァイオリン La Femme de ma vie ピエール
幻の女La vallée fantômeアラン・タネール
1989 バンカー・パレス・ホテル Bunker Palace Hôtelエンキ・ヴィラル オルム
1991 メルシー・ラ・ヴィ Merci la vieベルトラン・ブリエ
1994 トリコロール/赤の愛 Trois couleurs: Rougeクシシュトフ・キェシロフスキ 元判事
天使が隣で眠る夜 Regarde les hommes tomberジャック・オーディアール
1995 フェスタ Fiesta
1996 ロスト・チルドレン La Cité des enfants perdusジャン=ピエール・ジュネ&マルク・キャロ イルヴィン 声の出演
つつましき詐欺師 Un héros très discretジャック・オーディアール
1997 ティコ・ムーン Tykho Moonエンキ・ヴィラル
1998 愛する者よ、列車に乗れ Ceux qui m'aiment prendront le trainパトリス・シェロー ルシアン・エメリッヒ
2003 歌え! ジャニス★ジョプリンのように Janis et Johnサミュエル・ベンシェトゥリ キャノン
2012 愛、アムールAmourミヒャエル・ハネケ ジョルジュ カンヌ国際映画祭 パルム・ドール スペシャル・メンション
2017 ハッピーエンドHappy Endミヒャエル・ハネケ ジョルジュ・ロラン
2019 男と女 人生最良の日々 Les Plus Belles Années d'une vieクロード・ルルーシュ ジャン=ルイ

関連書籍

  • Du côté d'Uzès Broché, 2012, Le Cherche Midi
  • , 2002, Plon
  • Un Homme à sa fenêtre (L'Illusion d'optique), 1977, Jean Claude Simoen

参考文献

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/05/26 03:04 UTC (変更履歴
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