トニー・リップ : ウィキペディア(Wikipedia)

フランク・アンソニー・ヴァレロンガ・SrFrank Anthony Vallelonga Sr., 1930年7月30日 - 2013年1月4日)は、トニー・リップTony Lip)という通称で知られていたアメリカ合衆国の俳優、作家である。

人物

HBOのテレビドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』で犯罪王を演じたことで知られる。この他にも映画『フェイク』ではボナンノ一家の、『グッドフェローズ』ではルッケーゼ一家のフランチェスコ・マンゾなど実在の犯罪者を演じている。リップは勤め先のニューヨークのナイトクラブのでフランシス・フォード・コッポラとと出会い、『ゴッドファーザー』での映画デビューに繋がった。また『Shut Up and Eat!』(2005年)という本を共同執筆している。

1960年代初頭にはジャマイカ系アメリカ人のクラシックピアニストのドン・シャーリーの運転手兼ボディガードを務めており、その物語は息子のニック達によって、2018年に映画『グリーンブック』となった。

生い立ち

ペンシルベニア州でイタリア系の両親のもとに生まれる。幼少期に一家でニューヨーク市ブロンクス区の215丁目に移住し、ジョン・ゴッティの近所で暮らした。子供の頃から口が達者だった彼は「リップ」という渾名をつけられた。

キャリア

1951年から1953年まではアメリカ陸軍に所属し、ドイツに駐留した。1961年からはナイトクラブのでメートル・ディやスーパーバイザーとして働き、多数の著名人と知り合った。

1962年から1963年にかけてはピアニストのドン・シャーリーに雇われ、ジム・クロウ・サウスを旅する彼の運転手兼ボディガードとして働いた。彼らの旅は息子のニックが共同脚本・製作を務めた『グリーンブック』(2018年)で映画化され、リップはヴィゴ・モーテンセンが演じた。

私生活と死

リップはニュージャージー州パラマスで暮らし、妻のドロレスとは1999年に彼女が亡くなるまで連れ添った。息子のニックは俳優・脚本家・プロデューサー・映画監督となった。

2013年1月4日にニュージャージー州ティーネックで亡くなった。82歳だった。

フィルモグラフィ

映画

作品 役名 備考
1972 ゴッドファーザーThe Godfather 結婚式のゲスト クレジット無し
1974 マンハッタン皆殺し作戦Crazy Joe マフィア クレジット無し
スーパーコップスThe Super Cops デトロイトのヒットマン クレジット無し
1975 狼たちの午後Dog Day Afternoon Cop at JFK クレジット無し
1980 レイジング・ブルRaging Bull ナイトクラバー クレジット無し
1984 パッショネイト 悪の華The Pope of Greenwich Village フランキー
1985 イヤー・オブ・ザ・ドラゴンYear of the Dragon レニー・カランザ
1987 クロスカウンター/傷だらけのチャンピオンHeart マックス
1988 マフィア/最後の祈りLast Rites カビー
1989 ロックアップLock Up ガード
1990 グッドフェローズGoodfellas フランキー
1991 奇跡が降る街29th Street ニッキー
1992 イノセント・ブラッドInnocent Blood フランク
1993 Who's the Man? ヴィート・パスカル
1994 A Brilliant Disguise ピート
1995 ダブルクロス/陰謀In the Kingdom of the Blind, the Man with One Eye Is King パウリー
1997 フェイクDonnie Brasco フィリー
1998 A Brooklyn State of Mind バーテンダー
2005 The Signs of the Cross マリオ
2006 オール・イン/エースの法則All In ダークマン
2008 ベルベット・スパイダーStiletto ガス

テレビシリーズ

作品 役名 備考
1992 ロー&オーダーLaw & Order ドク 第3シーズン第9話「揺らいだ中立性」
1996 エディ・マローズ 第6シーズン第10話「30年前の真相」
2001-2007 ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィアThe Sopranos 計10話出演

参考文献

関連項目

  • バウンサー

外部リンク

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