中村梅丸 : ウィキペディア(Wikipedia)

中村 莟玉(なかむら かんぎょく、1996年〈平成8年〉9月12日 - )は、歌舞伎役者 、日本の俳優。屋号は高砂屋。定紋は祇園銀杏。前名の中村 梅丸時代はまるちゃんまるるの愛称で親しまれた。 本名は森正 琢磨(もりまさ たくま)。2024年1月31日より芸能プロダクション・ANDSTIR(アンドステア)に所属。

来歴

東京都出身。両親ともに出版社で編集関係の仕事に就く一般家庭で生まれ育つ "末尾のプロフ:高砂屋。中村梅玉の部屋子。平成8年9月12日生まれ。17年1月国立劇場『御ひいき勧進帳』富樫の小姓で子役として本名で出演/印象に残っている役:稲田姫 + 修理之助 +「馬盥(ばだらい)」(平成24年6月博多座)の桔梗は、松嶋屋の旦那にお声をかけていただき、私はもちろん、旦那もびっくりしたお役。"。母親が歌舞伎好きであったためにテレビの歌舞伎放送をよく見ており、初めて歌舞伎座の舞台観劇に連れていかれたのは2歳のとき。小学一年生の頃「東をどり」を観劇に行った際、新橋演舞場のロビーで大好きな「切られ与三郎」の真似をしていたところを日本舞踊家の花柳福邑に声をかけられ、その縁で踊りの稽古を始めた。師匠の花柳の手引きで7歳の時に四代目中村梅玉を紹介され、見習いとして楽屋に通うようになる。

2005年〈平成17年〉1月、国立劇場『第243回歌舞伎公演 御ひいき勧進帳』の『富樫の小姓』にて、子役として本名の森正琢磨の名で初舞台。翌2006年〈平成18年〉4月に中村梅玉の部屋子となり、歌舞伎座『六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎』に於いて「沓手鳥孤城落月(ほととぎす こじょうの らくげつ)」の『小姓 神矢新吾』及び「関八州繋馬(かんはっしゅう つなぎうま)」小蝶蜘の『里の子 竹吉』の2役で中村梅丸を名のり、中村梅玉の部屋子披露編集:歌舞伎座宣伝部|松竹:(2006年)平成18年4月1日発行,頒価1,200円『六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎 筋書き』P.23ご挨拶 "森正琢磨を私の部屋子として迎え、中村梅丸を名乗らせ、當る歌舞伎座四月大歌舞伎中村歌右衛門五年祭におきまして、ご披露させて戴く運びと相成りました。  未だに幼少の身にはございますが、当人も歌舞伎俳優として今後精進を重ねる所存でございます。"by 四代目中村梅玉 談。松竹:(2006年)平成18年4月1日発行『六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎 筋書き』①孤城落月p.18-23の内p.22「小姓 神矢新吾」/②小蝶蜘p.24-28の内p.27「里の子 竹吉」 ※中村梅丸部屋子披露 "中学3年生のときに『日本振袖初』の稲田姫(略)それが自分にとって初めての大人の役/プロフ: 中村梅丸を名のり、中村梅玉の部屋子披露。 この公演では、併せて五代目中村玉太郎が『里の子 梅松』で初舞台を踏んでいる。

2017年、名題適任証を取得 "1996年東京生まれ/大学に入ったら、近世文学を勉強したいと思ったそう/名題適任証を取得 ①8月28日(月)筆記試験 ②9月26日(火)実技試験 ③2017年12月10日(日) ロームシアター京都にて名題適任証授与式実施。。

2019年8月23日に師匠の梅玉とともに記者懇親会を行い、同年11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で初代中村莟玉(かんぎょく)を名乗り、同時に梅玉に養子入りすることが発表された。莟玉の名前は、梅玉の養父である六代目中村歌右衛門が若い頃に行っていた公演「莟会」から取った。莟には「まだ開かない花の芽、前途有望だがまだ一人前になる前の若者」という意味がある。この字に梅玉の玉を加えた "名題試験を通過していたので、まずは名題披露をというお話になり、当時はまだ大学生なので、大学を出てから披露しようと思っていると。「梅丸」も幼名だからそれも変える。その時点ではまだ「莟玉」とは決まっていませんでしたが、部屋子としてではなく、「(梅玉の)養子ということにして披露しようと思っているんだけどね」という感じで仰って" と、莟玉本人より養子と改名の経緯が語られている。。

梅玉が莟玉を養子に迎え入れた件につき、戸籍について明記しているオフィシャルな記事が東京新聞以外に見当たらなかった為、以下に一部抜粋引用する。

同年11月、歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』に於いて「鬼一法眼三略巻」菊畑の『奴虎蔵実は源牛若丸』を演じ改名披露吉例顔見世大歌舞伎|歌舞伎座|歌舞伎美人特別ポスター「吉例顔見世大歌舞伎 夜の部」|歌舞伎美人

人物

公称身長163cm(2024年現在中村莟玉 Official Website - ANDSTIR(アンドステア)、2024年1月31日閲覧)。血液型B型。趣味:読書、映画・音楽鑑賞。好きな食べ物:蕎麦。好きな色:藤色。好きな花:藤。(※2015年当時)月刊演劇界発行『最新歌舞伎俳優名鑑』2015年9月号特別付録のP.45には 身長162cm・体重52kg・血液型B型 と掲載。学歴記述なし。。

癒されるものは「パンダ」、愛称:「まる」「まるる」「まるちゃん」に関して、呼び方は『今まで通りで構いません』とインタビューで語っているリンク切れ "十三年余にわたって「梅丸」を名乗り、「まる」「まるる」「まるちゃん」などと愛されてきただけに「今も(莟玉には)慣れません」と、はにかむ。「『慣れるまで二年くらいかかる』ともいわれます」というが、呼び方は「今まで通りで構いません」とにっこり。" "①パンダは自由奔放で、何にもとらわれない感じがいいですね。/②これからも「まるる」でよろしくお願いいたします!!/③歌舞伎の修行を積みながら、普通に大学生活も送っていたそうですよ"(※①パンダと②愛称の件は莟玉 談。③は編集部の言葉)。

大のパンダ好きが周囲にも浸透した結果、2022年頃より本業の歌舞伎とは無関係なパンダに関連する仕事がオファーされるようになった。

最終学歴:2015 - 2018年度,4年制大学卒業(対談やインタビューなどで語られた、2019年11月:名題昇進披露=莟玉改名披露の経緯による)。

受賞歴

主な出演(舞台)

  • 通し狂言『元禄忠臣蔵』(2006年、国立劇場) - 伊勢詣おいぬ某 役
  • 『春興鏡獅子』(2008年、歌舞伎座) - 胡蝶の精 役歌舞伎座百二十年 初代松本白鸚二十七回忌追善 二月大歌舞伎 - 歌舞伎座 (2008年02月) - 歌舞伎公演データベース(歌舞伎on the web)[かぶき手帖2009年版]P.204写真掲載
  • 『水天宮利生深川(すいてんぐう めぐみの ふかがわ) 筆屋幸兵衛』(2011年、新橋演舞場) - 幸兵衛娘お雪 役三月大歌舞伎 - 新橋演舞場 (2011年03月) - 歌舞伎公演データベース(歌舞伎on the web)[かぶき手帖2012年版]P.198写真掲載
  • 『日本振袖始』(2011年、国立劇場) - 稲田姫 役
  • 平成中村座『暫』(2012年、平成中村座(隅田公園特設) - 義家家来小金丸行綱 役
  • 『時今也桔梗旗揚』「本能寺馬盥」(2012年、博多座) - 光秀妹桔梗 役[かぶき手帖2013年版]P.191写真掲載
  • 『GOEMON 石川五右衛門(ゴエモン)』(2013年、大阪松竹座) - 石田三成 役、お菊(女猿楽) 役
  • 袴歌舞伎 趣向の華 プレ公演・若木公演『若華競浪華菱織』(2013年、内幸町ホール) - 若君千代丸 役、吾妻屋お清 役、プレトークショー
  • 新版『天守物語』(2014年、大阪フェスティバルホール/Bunkamuraオーチャードホール、梅若六郎玄祥総合監修) - 亀姫 役
  • 『傾城反魂香』(2014年、国立劇場) - 土佐修理之助 役[かぶき手帖2015年版]P.214写真掲載
  • 中日劇場開場50周年記念公演 四月花形歌舞伎(2015年、中日劇場)『雪之丞変化』 - 三斎娘浪路 役ほか/『新・八犬伝』 - 濱路 役、犬江親兵衛 役中日劇場四月花形歌舞伎 歌舞伎美人>公演情報>歌舞伎座>公演詳細>演目と配役[かぶき手帖2016年版]三斎娘浪路P.216写真掲載
  • 新春浅草歌舞伎『三人吉三巴白浪』(2016年、浅草公会堂) - 夜鷹おとせ 役[かぶき手帖2017年版]P.218写真掲載
  • KAAT若手舞踊公演 "SUGATA" 新作『新説西遊記〜猪八戒と沙悟浄〜』(2016年、KAAT) - 斉天大聖孫悟空 役
  • 新春浅草歌舞伎『双蝶々曲輪日記』「角力場」(2017年、浅草公会堂) - 藤屋吾妻 役
  • KAAT 次世代への古典芸能プロジェクト 若手舞踊公演 "SUGATA"『続・新説西遊記』(2017年、KAAT) - 孫悟空 役
  • 「Kabuki on Stage:Solo Performance」『手習子』(2017年、アメリカ・オレゴン州 ポートランド日本庭園) "2017年7月、アメリカ・オレゴン州のポートランド日本庭園"
  • 中村鷹之資勉強会 第四回翔之會『春興鏡獅子』(2017年、国立劇場小劇場) - 胡蝶の精 役 2017年11月26日(日)開催
  • 新春浅草歌舞伎(2018年、浅草公会堂)『義経千本桜 鳥居前』- 静御前 役ほか歌舞伎美人>公演情報>歌舞伎座>公演詳細>演目と配役[かぶき手帖2019年版]P.212写真掲載
  • 新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』(2018年、新橋演舞場) - 春野サクラ
  • 尾上右近自主公演「研の會」『弁天娘女男白浪』(2019年) - 赤星十三郎 役
  • 新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』(2019年、京都南座) - 春野サクラ 役
  • 『鬼一法眼三略巻』「菊畑」(2019年、歌舞伎座) - 奴虎蔵 実は 源牛若丸 役[かぶき手帖2020年版]P.212写真掲載月刊誌演劇界2020年1月号 表紙『菊畑』梅玉並びに梅丸改め莟玉,撮影:篠山紀信|演劇出版社|2020年12月5日発売
  • 當る子歳吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎(2019年、南座)『戻駕色相肩』 - 禿たより 役/『越後獅子』角兵衛獅子 役ほか
  • 新橋演舞場初春歌舞伎公演(2020年、新橋演舞場)『御存鈴ヶ森』 - 白井権八 役/『神明恵和合取組-め組の喧嘩』 - おもちゃの文次 役 ほか初春歌舞伎公演|松竹・公演情報 "2020年1月勤めた新橋演舞場『鈴ヶ森』の白井権八や翌月の歌舞伎座『文七元結』のお久などは、部屋子として名乗っていた梅丸ではできなかったお役だと思います"
  • 二月大歌舞伎(2020年、歌舞伎座)『菅原伝授手習鑑 筆法伝授』- 腰元勝野 役/『人情噺文七元結』- 長兵衛娘お久 役歌舞伎美人>公演情報>歌舞伎座>公演詳細>演目と配役[かぶき手帖2022年版]P.214写真掲載
  • 吉例顔見世大歌舞伎(2020年、歌舞伎座)『義経千本桜-川連法眼館』 - 静御前 役歌舞伎美人>公演情報>歌舞伎座>公演詳細>演目と配役
  • 壽初春大歌舞伎(2021年、歌舞伎座)『壽浅草柱建』 - 化粧坂少将 役歌舞伎美人>公演情報>歌舞伎座>公演詳細>演目と配役
  • 新作歌舞伎 『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』 (2023年7月、新橋演舞場)- 義輝妹紅梅姫、髭切

出演(舞台以外)

テレビドラマ

  • 舞え!KAGURA姫(2016年、NHK BSプレミアム) - 鹿島道郎 役

テレビ

ラジオ

  • KABUKI TUNE(2022年4月8日〜、NHK-FM)パーソナリティー

注釈

出典

参考文献

  • 奥付の「発行年月日」基準とする。
  • ※2023年9月12日発売、書籍の「帯」に初めて推薦文を書く。

外部リンク

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