志村貴子 : ウィキペディア(Wikipedia)

志村 貴子(しむら たかこ、1973年10月23日 - )は、日本の漫画家、同人作家。女性。

人物

1997年に『コミックビーム』(エンターブレイン)2月号掲載の『ぼくは、おんなのこ』でデビュー。その後、同誌で初連載『敷居の住人』を執筆。以後、徐々に活動の場を広げ、『マンガ・エロティクス・エフ』(太田出版)や『Kiss』(講談社)など、様々な雑誌で作品を発表している。代表作は『敷居の住人』『どうにかなる日々』『放浪息子』『青い花』『こいいじ』など。

『ぼくは、おんなのこ』掲載以前は、成人向け漫画雑誌『漫画スーパーエロス』1993年4月号(司書房)に、志村貴子名義の短編『LOVELY』が掲載されており、ほかにも「加藤マサイチ」や「東京堂えるえる」などの名義で『パピポ外伝』(フランス書院)などに、成人向けではない短編を散発的に発表していたが、これらの短編群は公式にはデビュー扱いとされておらず、すべて単行本未収録。単行本化の予定もない。

2012年に米国図書館協会の若者向けサービス部門(YALSA)が選出する「12歳から18歳向けの優秀なグラフィック・ノベル 2012年(2012 Great Graphic Novels for Teens)」のベスト10に、英訳版『放浪息子』1巻(『Wandering Son V. 1.』Fantagraphics Books、2011)が選ばれた(Top Ten list of titles)。

2023年6月現在、ハロー!プロジェクトのアイドルグループに興味を持っており、ファンクラブにも入会している。

作品リスト

漫画作品

連載中

  • ブルーム・ブラザーズ (『on BLUE』、祥伝社)2020年 -
  • 淡島百景(WEBマガジン『ぽこぽこ』→『Ohta Web Comic』、太田出版)2011年6月 - ※不定期

連載作品

  • 敷居の住人(『コミックビーム』エンターブレイン 1997年12月号 - 2002年7月号)
  • どうにかなる日々(『マンガ・エロティクス・エフ』太田出版 15号 2002年 - 26号 2004年)
    • 同名の漫画単行本1巻には下記作品も収録
    • 無毛信仰(『マンガ・エロティクス・エフ』太田出版 14号、2002年)
    • ハッピーなエンド(『麗人』竹書房 2001年11月号)
    • 先生のくせに(『麗人』竹書房 2002年11月号)
  • ラヴ・バズ(『ヤングキング別冊キングダム』少年画報社 2002年11号 - 2004年10号、『ヤングキングアワーズ』少年画報社 2005年1月号 - 9月号)
  • 放浪息子(『コミックビーム』エンターブレイン 2002年12月号 - 2013年8月号)
  • 青い花(『マンガ・エロティクス・エフ』太田出版 30号 2004年 - 82号 2013年)
  • ルート225(『月刊少年シリウス』講談社 2007年3月号 - 2008年3月号)- 原作:藤野千夜
  • かわいい悪魔(『ヤングキングアワーズ増刊アワーズプラス』少年画報社 2006年6月号 - 2007年1月号)- 掲載誌休刊のため4話で中断、5話は書き下ろし
    • 同名の漫画単行本には下記作品も収録
    • あたいの夏休み(『コミックハイ!』双葉社 15号 2006年)
    • すてきなあのこ(『コミックブレイド増刊 ZEBEL』マッグガーデン 1号 2004年)
    • 中学生(『季刊GELATIN』ワニマガジン社 2009年なつ号)
    • とあるひ(『ease』宙出版 1号 2004年)
    • 変身(『ease』宙出版 2号 2005年)
    • 不肖の息子(『ジャンプスクエア』集英社 2009年8月号)
  • 娘の家出(『ジャンプ改特別編集ガールズジャンプ 2012』集英社に読み切り掲載、『ジャンプ改』(同)2012年11月号から2013年1月号まで集中連載後、2014年4月号から本格連載。)
  • わがままちえちゃん(『コミックビーム』エンターブレイン 2014年4月号 - 2015年3月号)
  • こいいじ(『Kiss』講談社 2014年10月号 - 2019年1月号)
  • さよなら、おとこのこ(『MAGAZINE BE×BOY』リブレ出版 2016年6月号 - )
  • おとなになっても(『Kiss』、講談社)2019年 - 2023年

読み切り

  • 生活維持省(『ミステリーボニータ』秋田書店 2003年4月号) - 原作:星新一。『コミック☆星新一 午後の恐竜』秋田書店〈ボニータコミックス〉2003年、、B6判に収録。同書の表紙イラストも担当。
  • NEVER MIND(『月刊少年エース1998年1月号増刊 エースダッシュ』角川書店 Vol.2)
  • ぼくは、おんなのこ(『コミックビーム』エンターブレイン 1997年2月号)
    • 同名の漫画単行本に以下も収録。
    • 楽園に行こう(『まんがタイムファミリー2000年4月号増刊 まんがタイムナチュラル』竹書房)
    • 少年の娘(『まんがタイムスペシャル2001年4月号増刊 まんがタイムDash!』竹書房)
    • アケミのテーマ テルオ編(『まんがライフオリジナル』竹書房 2001年9月号)
    • アケミのテーマ ヨシオ編 - 描き下ろし
    • アケミのテーマ ハルオ編 - 描き下ろし
    • 花(『まんがタイムスペシャル2001年11月号増刊 まんがタイムDash!』竹書房)
    • sweet16 - 描き下ろし
  • 猫びより(『MELODY』白泉社 2008年4月号)- 『めろねこ』同〈花とゆめコミックススペシャル〉2012年、、A5判に収録。
  • 隣人(『シンカン』朝日新聞出版 Vol.2 2010年)
  • ビューティフル・マンデー(『FEEL YOUNG』祥伝社 2016年7月号)
  • ビューティフル・チューズデー(『FEEL YOUNG』祥伝社 2016年12月号)
  • ふたりでひとり暮らし(『週刊文春WOMAN』Vol.20)
  •  まじわる中央感情線 (『ビッグコミックスピリッツ』小学館 2024年8号)

漫画単行本

詳細は各リンク先を参照。

  • 『敷居の住人』アスキー(アスペクトコミックス)1998年 - 1999年、1巻 - 3巻、B6判
    • (改定版)エンターブレイン(ビームコミックス)2000年 - 2002年、全7巻、B6判 - 1巻から3巻が出版社・レーベル変更による改訂版
    • (新装版)(同)〈同〉2009年、全6巻、A5判
  • 『どうにかなる日々』太田出版(Fコミックス)2003年 - 2004年、全2巻、A5判
    • (新装版)太田出版 2015年、全2巻
  • 『ラヴ・バズ』少年画報社(YKコミックス)2003年 - 2005年、全3巻、コミック版
    • (新装版)エンターブレイン(ビームコミックス)2011年、全3巻、A5判
  • 『放浪息子』エンターブレイン(ビームコミックス)2003年 - 2013年、全15巻、B6判
  • 『ぼくは、おんなのこ』エンターブレイン(ビームコミックス)2004年、全1巻、B6判
  • 『青い花』太田出版(Fコミックス)2006年 - 2013年、全8巻、A5判
  • 『ルート225』講談社(シリウスKC)2008年、全1巻、コミック版 - 原作:藤野千夜
  • 『かわいい悪魔』太田出版(Fコミックス)2010年、全1巻、B6判
  • 『娘の家出』集英社(ヤングジャンプコミックス)2014年 - 2017年、全6巻、コミック版
  • 『わがままちえちゃん』KADOKAWA/エンターブレイン(ビームコミックス)2015年、全1巻、B6判
  • 『淡島百景』太田出版(Fコミックス)2015年 -、既刊3巻、コミック版
  • 『こいいじ』講談社 2015年 - 2019年、全10巻、コミック版
  • 『起きて最初にすることは』リブレ出版(シトロンコミックス)2015年、全1巻、B6判
  • 『さよなら、おとこのこ』リブレ出版(ビーボーイコミックスデラックス)2017年 - 2020年、全3巻
  • 『ビューティフル・エブリデイ』祥伝社 (フィールコミックス)、2018年 - 2021年、全3巻
  • 『おとなになっても』講談社(KC KISS)2019年 - 2023年、全10巻
  • 『ブルーム・ブラザーズ』祥伝社 (on BLUEコミックス)2020年 - 2022年、全2巻
  • 『ストリートファイターIII―4コマ決定版』新声社 (ゲーメストコミックス) 1997年

イラスト

  • 今夜は眠れない・夢にも思わない(2002年、宮部みゆき著、角川書店) - 表紙イラスト
  • はさんではさんで(2008年、甘木つゆこ著、マガジンハウス) - 表紙イラスト
  • なのはなフラワーズ 第1巻(2009年、青木俊直著、芳文社) - 帯イラスト&コメント寄稿
  • 哄う合戦屋(2009年、北沢秋著、双葉社) - 表紙イラスト
  • マイナークラブハウスシリーズ(2009年、木地雅映子著、ジャイブ) - 表紙イラスト
  • 龍馬伝(2010年、蒔田陽平著、角川つばさ文庫) - 表紙イラスト&挿絵
  • ありがとう、さようなら(2010年、瀬尾まいこ著、MF文庫ダ・ヴィンチ) - 表紙イラスト
  • カンナ道のむこうへ(2012年、くぼひでき著、小峰書店) - 表紙イラスト&挿絵
  • 夏のバスプール(2012年、畑野智美著、集英社) - 表紙イラスト
  • 晴追町には、ひまりさんがいる。(2015年、野村美月著、講談社タイガ) - 表紙イラスト
  • 青年のための読書クラブ(2017年、桜庭一樹著、新潮文庫nex) - 表紙イラスト
  • 君と星の話をしよう(2017年、相川真著、集英社オレンジ文庫)- 表紙イラスト
  • The MANZAI(2018年、あさのあつこ著、角川文庫) - 表紙イラスト
  • リトルガールズ(2018年、錦見映理子著、筑摩書房) - 表紙イラスト
  • あこがれ(2018年、川上未映子著、新潮文庫)- 表紙イラスト
  • 東京パパ友ラブストーリー(2019年、樋口毅宏著、講談社)- 表紙イラスト
  • はんぶんこの、おぼろくん(2019年、犬飼鯛音著、KADOKAWA)- 表紙イラスト
  • ギブミー・チョコレート(2019年、飯島敏宏著、KADOKAWA)- 表紙イラスト
  • 金木犀とメテオラ(2020年、安壇美緒著、集英社)- 表紙イラスト
  • 水槽の中(2022年、畑野智美著、KADOKAWA)- 表紙イラスト

アニメ

  • TVアニメ 懺・さよなら絶望先生 (2009年) - 第7話エンドカード
  • TVアニメ アルドノア・ゼロ (2014年) - キャラクター原案
  • TVアニメ バッテリー (2016年) - キャラクター原案
  • TVアニメ オーバーテイク! (2023年) - キャラクター原案

その他

  • 『ユリイカ 詩と批評 総特集 志村貴子 『敷居の住人』『放浪息子』『青い花』から『淡島百景』、そして『こいいじ』へ』(2017年11月臨時増刊号、青土社)
  • AKB48「センチメンタルトレイン」ミュージック・ビデオ(イラスト)
  • ゲーム『東京放課後サモナーズ』 - 一部キャラクターデザイン

備考

過去に「青い花」(2009年)、「放浪息子」(2011年)がテレビアニメ化されているが、いずれの作品にも作中で別の志村作品のキャラクターがカメオ出演している。アニメ版「青い花」の第4話ではプラットホームで電車を待つモブの中に「放浪息子」の二鳥修一が登場している他、アニメ版「放浪息子」の最終話では、文化祭のお客に混ざって「敷居の住人」の本田千暁と菊池ナナコが登場し、「放浪息子」と「敷居の住人」の両方に登場している兼田健太郎に「珍しい」と声をかけられるシーンがある。

関連項目

  • イシデ電 - 志村貴子のアシスタントを務めた経験があり、親交が深い。

出典

外部リンク

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