篠原有司男 : ウィキペディア(Wikipedia)

篠原 有司男(しのはら うしお、1932年1月17日 -)は、日本の現代美術家。本名:牛男(読みは同じ)。愛称「ギューチャン」。2021年時点米国在住。

来歴

東京麹町生まれ。父親は詩人、母親は日本画家だった。(ともに福岡県出身)

千代田区立番町小学校を経て、日本大学第二工業学校に入学。疎開先から東京に戻ると、麻布中学校に入学。在学中は画家の荻太郎に師事する篠原有司男オーラル・ヒストリー、池上裕子と富井玲子によるインタヴュー、2008年9月17日日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ。

1952年、東京芸術大学美術学部油絵科に入学、林武に師事。1957年、同校を中退。1958年、村松画廊で初個展を開催『日本美術家事典 2003年度版』(構成執筆・藤森耕英、日本美術家事典社、2003年3月発行)。1960年、「読売アンデパンダン展」で活躍していた吉村益信、赤瀬川原平荒川修作らとともに前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を新宿ホワイトハウスにて結成。短い活動期間に多くの伝説を残す。日本で初めて頭を「モヒカン刈り」にして、週刊誌のグラビアで紹介された。

その後も「イミテーション・アート」や「花魁シリーズ」(1965年)などの「悪趣味」で「スキャンダラス」な作品を次々と発表。ボクシンググローブに絵の具をつけてキャンバスを殴りつけながら絵を描く「ボクシング・ペインティング」は有司男の代名詞となるが、これはマスメディア向けのパフォーマンスであり、芸術のつもりは毛頭なかったと、のちに赤瀬川との対談で明かしている。

1969年、ロックフェラー三世基金の奨学金を得て、妻と子供と共に渡米篠原有司男オーラル・ヒストリー、池上裕子と富井玲子によるインタヴュー、2009年2月20日日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ。以後ニューヨーク在住。1972年、段ボールを使ったオートバイの彫刻「モーターサイクル・ブルックリン」などを作り始める。1973年3月、現夫人で、現代美術家である乃り子(旧姓・島)と出会う篠原乃り子オーラル・ヒストリー、池上裕子と富井玲子によるインタヴュー、2010年3月23日日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ。ただ、当時の米国ではマイノリティの芸術家はモダンアートの市場からは締め出される構造があり、制作の拠点をニューヨークに置きつつ、発表は日本で行っていた池上裕子「戦後美術を作った人々 (4) 篠原有司男と妻、乃り子」日本経済新聞(2016年3月23日)2016年12月26日閲覧。米国で本格的な再評価がなされるのは90年代以降である。

2007年、第48回毎日芸術賞を受賞。

2008年、ドキュメンタリーDVD『モヒカンとハンガリ ギュウとチュウ 篠原有司男と榎忠』(監督・青木兼治)が作られるモヒカンとハンガリ ギュウとチュウ 篠原有司男と榎忠 ウーファー・アート・ドキュメンタリー。

2012年、ニューヨーク州立大学ニューパルス校ドースキー美術館で、初の回顧展が開催された。

2013年1月、篠原有司男・乃り子夫妻の日常を綴ったドキュメンタリー映画『』(監督:)がサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞を受賞キューティー&ボクサー公式サイト。12月21日、同ドキュメンタリーが日本で公開される。29都道府県で順次公開予定。

2019年12月、文化庁長官表彰令和元年度文化庁長官表彰名簿

主な展覧会

親族

前妻との間に2子がいる日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ 2010年3月23日。前妻と別居中に当時19歳(21歳年下)の篠原乃り子([[:en:Noriko Shinohara]])と知り合い、同棲、出産を経て、前妻との離婚が成立した1979年に再婚した。

乃り子(旧姓・島)は1953年に富山県高岡市でパチンコ店経営者の末娘として生まれ、富山県立高岡高等学校卒業後、浪人を経て1972年9月に渡米、アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークなどで絵を学ぶ中、1973年3月に宮本美智子姉妹を通して有司男と知り合い、1974年に長男アレクサンダー・空海を出産。1981年にグループ展「Whitney Counterweight([[:en:Whitney Biennial]]に入れなかった画家のための展覧会)」に参加したのを皮切りに多数のグループ展に出品、1986年にディスコのCat Clubで初個展「ゴジラ・イミグレイツ・トゥー・アメリカ」、1991年には有司男と二人展 (Jain Marunouchi Gallery) を開いた。

著書

  • 『前衛の道』(美術出版社、2006年、ISBN 978-4568221282)(1968年初版の復刻)
  • 『ニューヨークの次郎長』(講談社、1985年、ISBN 978-4062019910)
  • 『篠原有司男対談集 早く、美しく、そしてリズミカルであれ』(美術出版社、2006年 ISBN 978-4568221275)
  • 『篠原有司男ドローイング集 毒ガエルの復讐』(ギュウチャンエクスプロージョン!プロジェクト実行委員会、2006年 ISBN 978-4568221299)
  • 『ギュウとチュウ—篠原有司男と榎忠』(榎忠との共著)(赤々舎、2007年、ISBN 978-4903545202)

CM出演

  • 大塚製薬「ポカリスエット」(福山雅治と共演)(2003年)

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/30 12:25 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「篠原有司男」の人物情報へ